忠和會
「東日本大震災チャリティー
ノースエリア格闘技イベント BOUT-9」
2011年5月29日(日)北海道・鳥取ドーム(釧路市)
開場16:30 開始17:00
▼メインイベント 73kg契約 3分3R延長1R
○能登 崇(忠和會)
KO 2R1分26秒 ※バックブロー
●夏山竜一(湘南格闘クラブ)
今大会の主催者でもある和術慧舟會釧路支部 忠和會vs北海道選抜のアマチュアクラス対抗戦で始まった「BOUT9」は、地元忠和會の新鋭たちが3連勝。
幸先のいいスタートに釧路出身のファイターが勢いに乗るかと思われたが、プロ3試合目に出場したベテラン40歳の天野賢二が死力を尽くしながらも森實恭平に判定で惜敗。セミファイナルに出場した田中章一郎も、拳竜に1R1分50秒で、まさかのTKO負けを喫してしまった。
もうあとがない地元・釧路勢。ファイナルマッチ「釧路在住唯一のプロキックボクサー」能登崇の名がコールされると、「不屈のハードヒッター」と書かれた横断幕が掲げられ、大歓声とともにテープが舞った。
「体調は万全でした。ジムの仲間たちが最高のバックアップをしてくれましたから。でも、緊張してましたね。地元で試合に出場するということは、あれだけ緊張するとは想像もしていませんでした。それで、妙に力んでしまったというか…」という能登。
試合開始のゴングと同時に、能登は果敢に攻め込んで行ったが、相手はベテラン34歳の夏山竜一。今大会エキジビションに出場したK-1ファイター日菜太と同門で練習を積むファイターは、そんな能登の空回りする心を読みきっているかのようにミドルを的確にヒット。
それでも、能登は自分を失わなかった。3月、札幌で行われた「BOUT8」で先制ダウンを奪われながら逆転KO勝利をつかみ、一気にスターダムを駆け上がって地元の大会でメインをはった男の自信は揺るがなかった。
「1R、かなりミドルをくらいましたが、あれで目が覚めました」という能登は、「焦ることはない。パンチからローを基本に、相手に合わせてじわじわ攻めていけば、3ラウンドになる頃には差が出るはず。そのときを狙えばいい」と自分に言い聞かせていた。
2Rに入っても両者パンチ、キックの応酬が続いたが、1分過ぎ、能登は試合の流れをつかんだ。セコンドからの指示通り、ロー、ミドルを連発!見る見るうちに夏山の右太ももが赤くはれ上がる。ロープ際、一瞬のスキを突き、能登が得意のバックブローを炸裂させた。夏山がマットに沈む。
すかさず二人の間に入ったレフェリーが夏山のノドのあたりの状態を確認すると、即座にTKOを宣告。2R1分26秒、場内を一瞬静まり返らせる完璧な1発だった。
「タイミング、角度、ポイント、すべてドンピシャでした。これまでも試合では必ず1度は出してましたけど、あそこで出せたのは会長のおかげです」と振り返る能登。実は1Rが終わると、スーツ姿の忠和会・中村会長がリングに上がり、能登の肩を抱いて「次、狙っていけ」とアドバイスを送っていたのだ。
「あのアドバイスで、弟2ラウンド、流れをつかんだら一気に行こうと決心しました」と、満面の笑顔でそう語った能登。大きな仕事をやってのけた能登がマイクをつかんで、「もっともっと強くなっていきます。釧路を盛り上げていきましょう」と呼びかけると、それに応えて場内からは一斉に大拍手が巻き起こった。
今大会は「東日本大震災チャリティマッチ」と銘打って開催され、閉会式では忠和会・中村会長が観客、選手、役員から集まった義援金を蛯名大也釧路市長に渡し、同市長からは同市長から感謝状が贈呈された。また大会で実施されたチャリティーオークションには日菜太も参加。エキジビションマッチで使用したグローブにサインを入れ、オークションにかけたところ、6万円で落札され、東日本大震災被害者への義援金にあてられた。
▼ガチンコ・エキシビションマッチ
−日菜太(湘南格闘クラブ/K-1 WORLD MAX日本代表決定トーナメント2009&2010第3位、初代RISEミドル級王者)
エキシビションのため勝敗なし
−加藤“スネーク”督朗(PHOENIX/元WPMF世界ウェルター級王者、元タイ国ルンピニースタジアム認定ウェルター級1位)
K-1 WORLD MAX日本代表決定トーナメント2009&2010第3位、初代RISEミドル級チャンピオン日菜太と、元WPMF世界ウェルター級チャンピオン、元タイ国ルンピニースタジアムウェルター級1位の加藤“スネーク”督朗がエキジビションとは言え、“ガチンコ”対決。
2人は雌雄を決するかのような問答無用の打ち合い、蹴り合いを見せ、そこから生み出されるパンチの音、キックの音が場内に響きわたった。
エキシビション後、キックミットのトレーニングも披露した日菜太は、7月18日に行われる「REBELS.8」へ向けて「相手のジョルジオ・ペトロシアンは、誰もが認める世界最強の選手。それでも、自分が勝てる可能性を信じています。日本人の意地を見せたい」と決意を語った。
▼セミファイナル 58kg契約 3分3R
○拳竜(士魂村上塾/MA日本キックボクシング連盟フェザー級8位)
TKO 1R1分55秒 ※ローキック
●田中章一郎(フリー)※釧路出身
10戦6勝と大きく勝ち越している地元出身のベテラン田中は「勝利を釧路に贈る」と誓ったが…MA日本キックボクシング連盟フェザー級8位の拳竜は試合開始直後から左右のパンチを効果的に見舞い、ローキックでダウンを奪った。田中は会場の声援に後押しされて立ち上がったものの、バランスが戻らないうちに、またしても強烈なローをくらい、ダウン。拳竜が1R1分55秒TKO勝ちを飾った。
▼第3試合 63kg契約 3分3R
○森實恭平(士魂村上塾)
判定3−0
●天野賢二(琉球BLOODS)※釧路出身
コンビネーションよくパンチを繰り出す森實。一方、ロープ際に攻め込まれながらも、上手く体を入れ替えてローキックを蹴り返す天野。3R残り1分は両者譲らす、壮絶な打ち合い、キック合戦を演じ、試合終了のゴングとともに2人ともマットに崩れたが、森實が3−0の判定勝ち。地元開催の大会を盛り上げようと40歳でマットにあがった天野だったが、ラストファイトを飾れず。それでも、この日一番の熱き声援が贈られていた。
▼第1試合 3分3R
○永山敬之(士道館札幌道場/元WPMF日本フェザー級10位)
TKO 1R ※ハイキック
●増倉 敦(TRY EX/元NJKFフライ級2位)
増倉とのミドルの蹴り合いのなかでも、フットワークよく動き、ボディブロー、ヒザ、左右のジャブ、フック、ハイキック、バックブローと多彩な技を繰り出した永山。増倉がたまらず足をかけ、注意を受けた直後、永山のハイキックが増倉の顔面に命中、右こめかみから出血。北海道初のプロキックボクサー&北海道初のプロシュートボクサー永山が、“北海道最強キックボクサー”の貫禄を見せ付けた。
▼第2試合 67kg契約 3分3R
○涼平(TARGET)※北海道出身
KO 1R55秒 ※右フック
●TATSUYA(フリー)
鮮やかな一発だった。涼平が放った右フックに、TATSUYAは起き上がることが出来なかった。今大会最短KOとなる1R55秒TKO勝ち。連敗が続き、16戦6勝10敗と大きく負け越してきた涼平の格闘家人生を大きく変える、ターニングポイントとなる一発だろう。
テクニック動画「日菜太の左ミドルキック講座」
パンチとローを主武器とする選手が増える中、左ミドルを中心に攻撃を組み立てるムエタイスタイルで快進撃を続けている日菜太。その左ミドルキックを本人が徹底解説! 君も“黄金の左ミドル”を身に付けよう。
|
|