▲アジア選手権に出場した日本代表4選手
6月2日(木)ウズベキスタン・タシケントにて「2011年アジアサンボ選手権大会」が開催され、日本から男子シニアの部に4選手が出場した。(写真・情報提供:日本サンボ連盟)
62kg級に出場した松井高光は、1月に開催された東アジア選手権で3位入賞。柔道仕込みの投げ技・足技がどこまで活路を開けるか注目された。2回戦でボキエフ・ボコディル(ロシア)と対戦した松井は試合開始早々、場外際で背負いを決めて2ポイントを先制。しかし得意の小内刈りを足取りで返され、ボキエフに4ポイント献上。
抑え込みでさらに4ポイントをとられ、その後も投げ技、場外注意で加点されるが、終盤に入り背負いで4ポイントを取り返す。さらに、相手の消極性により1ポイントを得るが追いつくことはできずに判定負け(7−13)。しかし、場外際で見せた背負い投げはかなり印象が強くインパクトを残した。今後のサンビストとしての成長が期待される。
68kg級には国際大会経験も豊富で、ウズベキスタンでのアジア選手権も3度目となるベテラン選手の鈴木康裕が出場。
→+100kgに出場した三谷健だったが1回戦で一本負け、3位決定戦では惜敗
しかし2回戦で対戦したエラリエフ・ミルラン(キルギス)は、予想以上にパワーがあり、完全に鈴木が組み負けてしまい、隅返し、小外刈りでビッグポイントを立て続けに献上。無念のテクニカルポイント負け(0−14)に終わった。
74kg級にもベテランで落ち着いた試合運びに安定感を感じさせる嘉見俊宏が出場。東アジア選手権で準優勝した勢いを見せたいところだったが、1回戦で対戦したバヤンビレグ・バヤンムンフ(モンゴル)は独特の力強さがあり、なかなか思うような組み手に持ち込めず。あわや組み負けてパッシブかという展開で、なんとかこらえ続ける。バヤンムンフのスタミナがキレるであろう後半に勝負をしかけたい嘉見だったが、中盤にバヤンムンフに背負いで投げられ、そのまま腕十字を決められて、残念ながらタップアウトとなった。
東アジア選手権では見事な内股を見せ、準優勝に輝いた三谷健が+100kgに出場。選手としても集大成をみせるべく望んだ本大会では、柔道ベースの投げ技がどこまで出せるかがポイントだった。1回戦のバルカラヤ・ビッサリオン(カザフスタン)戦では、両者厳しい組み手だったため、掴むことはできても技を展開するまでにはいたらず。そこで徐々に、バルカルヤの技が効果を見せだし、タイミングよく足払いが決まり、結果として投げによる一本をとられてしまう。
その後、3位決定戦にまわった三谷はゾロトレビッチ・アレクサンダル(ロシア)と対戦。ここも組み手は互角だったが、序盤にゾロトビッチに担がれて、ポイントを献上。やや守りにまわる展開になってしまい、攻撃を試みるが、ポイントにはつながらず、判定負け(0−3)に終わった。試合結果の詳細は以下の通り。
「2011年アジアサンボ選手権大会」
6月2日(木)ウズベキスタン・タシケント
<男子シニア優勝者>
52kg級 ジュラエフ・シャフカット(ウズベキスタン) 02・05年世界1位、10年2位
57kg級 ムサ‐ウウル・トゥレク(キルギスタン)
62kg級 エルナザロフ・サルボン(ウズベキスタン)
68s級 イェルボシノフ・イェルボラット(カザフスタン)
74s級 ムヒドフ・ダミル(ウズベキスタン) 08年68s級世界2位
82s級 ジャマロフ・ヌルラン(カザフスタン)
90kg級 ナズリエフ・フルカトジョン(タジキスタン)
100s級 バツウリ‐バット・オルシフ(モンゴル)
+100s級 グリャモフ・エルドル(ウズベキスタン)
<参加国>
アフガニスタン、インド、イラク、イラン、日本、ヨルダン、カザフスタン、キルギス、韓国、モンゴル、ネパール、パキスタン、ロシア、シリア、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、レバノン
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