「スック・ムエタイルンピニークリッククライ」
2011年6月11日(土・現地時間)タイ・ルンピニースタジアム
写真&レポート:シンラパムエタイ
▼第2試合 100P契約 5R
○トラ・エクシディコンジム(=大田原虎仁)
判定
●ルクター・シッパールン(タイ)
1R、“ムエタイブラザーズ”大田原兄弟の弟・トラは、いきなり前へ前へと相手との距離を詰めていく。だが蹴り数も少なく、前進している時に相手の蹴りをカウンター気味に食らっていた。もしこのパターンが定着したら、試合は相手ペースになっていくと思われた。
2Rに入り、トラのローからのパンチが相手の顔面を捉え始める。普通、蹴り対パンチの場合は、蹴りを出している側が判定時には有利だが、トラのパンチが当たると相手の顔面も大きく揺れ、汗飛沫も飛び散った。後半戦に期待できる流れで第2ラウンドを終えた。
3Rに入り、さらに両者の距離が縮まり、首相撲の展開に移行。ここでも「首相撲の体勢になったら、日本人よりタイ人選手の方に分がある」というギャンブラー達の先入観から、判定に大きく影響する賭けレートも相手側に傾くと思われた。
だがトラの出すヒザも多数相手の急所に届いていたため、賭け率も2−1とトラ有利な状態で3Rを終えた。
4R、ムエタイではこのラウンドが重要といわれている。なぜなら、このトラ優勢の状態を相手が挽回し、判定を引っくり返すこともできるラウンドだからだ。
大田原は、このラウンドも多くのヒザを決めた。タイ人との試合で、首相撲で有利に展開できるということは、相当な首相撲特訓を積んでいると思われる。もうこの4Rで勝っている状態だったため、最終5Rは大きなヘマさえなければ判定勝利できるだろう。
そこでセコンド陣営から「前蹴りで相手を突き放して、打ち合いを避けろ」という指示が飛ぶ。だがトラはセコンドの声がよく聞こえなかったのか、ここでも前に出て相手に殴りかかっていく。
このパンチも多数相手の顔面を捉えていたため、5R最中の賭けレートは10(トラ)−1まで開いた。結局、試合ラストまで前進する流れで試合終了のゴング。
ジャッジの判定は、もちろんトラ勝利。首相撲の状態が長く続いたが、最後までスタミナを切らすことなく競り勝ったのが印象的だった。
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