▲肉体改造でパワーアップした山本(右)が1年4カ月ぶりの勝利
藤原敏男スポーツジム
「2011藤原祭り〜夏の陣〜」其の弐
2011年8月28日(日)東京・新宿FACE
開場15:30 開始16:00
▼メインイベント(第11試合) IT’S SHOWTIME世界61kg級王座挑戦者選定試合 61kg契約 IT’S SHOWTIMEルール 3分3R
○山本真弘(藤原/元全日本フェザー級王者、Krushライト級グランプリ2009 優勝、Kick Returnトーナメント 優勝、IKUSA -U60 GP優勝)
判定4−0 ※29−29、30−28、30−29、30−27、30−29
●塚原光斗(クロスポイント古河/初代WPMF日本ライト級王者)
国内60kg級最強の名をほしいままにしていた山本だが、2010年4月のRISEで板橋寛に勝利して以降、大和哲也、羅紗陀、セルジオ・ヴィールセン(イッツ・ショータイム世界タイトル戦)に敗れて3連敗。
今年4月のREBELSで中村敏射と対戦するもドロー。1年以上も勝ち星から遠ざかっており、所属ジム興行のメインで復活を狙う。
ヴィールセンに敗れて以降、「日本人には技術で勝てるが、いざ世界に出てみたら圧力の強さを感じた」と山本は言い、今年2月からケビン山崎の元でフィジカルトレーニングを開始。肉体改造で身体を大きくして今回の試合に臨む。
対する塚原は6月のM-1で初代WPMF日本ライト級王者に輝いたハードパンチャー。13勝7敗と戦績は芳しくないが、13勝のうち10試合がKO勝ちと高いKO率を誇り、必殺の右のパンチを持つ危険な相手だ。
なお、この一戦はIT’S SHOWTIME世界61kg級王座挑戦者選定試合として行われる。勝った方が次回、7月の選定試合で山本元気を破った板橋寛と挑戦者決定戦を行う。
1R、両者ともスピーディーに激しく動き回る。山本は右フックからの左ボディと左ミドル、塚原は右ストレートを狙う。両者の蹴りが何度も交錯し、相手がハイキックを蹴ればハイキックを返すという互角の攻防。
2R、山本はこれまでの試合とは違ってジャブをほとんど出さず、ローとミドルを蹴って右フックから左ストレート、左ボディにつなぎ、そこから畳み掛けるような攻めを見せる。
塚原は山本が前に出てくるところに右ミドルを合わせ、打ち合いにもっていく。山本はステップで塚原のパンチをかわし、横へ回り込みながら蹴っていく。
3R、パンチからローでいつになくアグレッシブに攻める山本。セコンドの小林聡が「攻めろ、蹴れ、止まるな!」と檄を飛ばし、山本はその声に応えるように左ミドルと左ロー、右フックからの左ストレート、右フックからの左ボディと攻めまくる。ハイキックもヒットさせるが、塚原は下がらない。
塚原もパンチを打ち返し、山本が被弾する場面もあったが、山本は下がらずに最後まで攻めきり、判定勝ちで1年4カ月ぶりの勝利を飾った。マイクを持った山本は「自分のために協力して動いてくれた人たちがいっぱいいるので、ショータイムで必ずベルトを獲ってみんなに恩返しをしたいと思います」と、高らかにショータイム世界王座への再挑戦を宣言した。
▲一戸(右)vs伊東(左)の王者対決は激闘の末、ドローに終わった
▼セミファイナル(第10試合) 交流戦王者対決 54.5kg契約 WPMF日本ルール 3分5R
△一戸総太(ウィラサクレック・フェアテックス/WPMF日本バンタム級王者)
ドロー 判定1−1 ※49−48、49−49、48−49
△伊東拓馬(橋本道場/MA日本バンタム級王者)
WPMF日本バンタム級王者・一戸と、MA日本バンタム級王者・伊東という王者対決が実現。
一戸は今年4月に野呂裕貴にKO勝利してタイトルを獲得。一方の伊東は今年1月に王者になっており、現在まで11戦無敗。新しいチャンピオン同士による、団体のプライドをかけた一戦となった。
1R、ローの応酬から、伊東がローとハイキックで上下に蹴りを散らして左ミドルを連打していく。その後も上中下と蹴り分けていく伊東。一戸はノーモーションの右ストレートを突き刺し、ローとミドルで蹴り合う。
2R、伊東が右ローと左ミドルを的確に入れていき、一戸も左ミドルとパンチを返すが、手数では伊東が上回る。一戸はパンチからロー、伊東は逆に蹴りからパンチへとつなぐ。
3R、ローとミドルで主導権を握る伊東に一戸は押されるが、ヒジが一発入るとそこからヒジの猛攻! これで伊東が流血し、ドクターチェックが入る。
再開後、一戸は組んでのヒジ、そして首相撲で伊東をコカす。左ミドルと左ボディブローでレバーを攻める伊東に、一戸は縦と横のヒジを連打。
4Rが始まると同時に右ローを連打する伊東! 徹底的に右ローを蹴り続ける。一戸が組んでの投げ、伊東も組まれるとヒザを蹴り返す。
序盤はローに押された一戸だが、このラウンドもこれまでと同じように後半は逆襲に転じ、ヒジとヒザで反撃。両者とも壮絶に打ち合い、場内のボルテージは上がりっぱなしだ。
5Rも右ローを蹴り続ける伊東が押していくが、一戸はパンチのコンビネーションと高く突き上げるヒザ蹴りで応戦。蹴りの伊東とパンチの一戸という戦いになったが、後半は一戸が突き上げるヒザで盛り返し、判定は三者三様のドローとなった。
▲清水(左)がヒジの連打でムエタイ戦士から初勝利
▼第9試合 70kg契約 WPMF日本ルール 3分3R延長1R
○清水 武(藤原/WPMF日本スーパーウェルター級王者)
判定3−0 ※30−28、30−28、29−28
●マット・テーチャカリン(タイ/尚武会)
6月のM-1で貴之ウィラサクレックとの接戦を制し、初代WPMF日本スーパーウェルター級王者に輝いたが、戴冠後初の試合でマットと対戦。
マットは“コスプレイヤー”長島☆自演乙☆雄一郎の打撃トレーナーを務めたこともある元ラジャダムナンスタジアムのランカーで、2004年9月には武田幸三からTKO勝利した戦績を持つ。清水は4月のM-1でムエタイ戦士と初対決。この時は惜しくも延長の末に敗れており、今回の一戦でムエタイにリベンジなるか。
1R、清水はもはや会場でお馴染みとなったお母さんの「たけちゃん、頑張れ〜!」の声援を背に受けて、パンチで前へ出る。組んでくるマットにヒジを叩きつけ、ミドルの蹴り合いではマットの方が威力で上回るが、組んでからは清水が主導権を握る。
2R、ローとミドルで蹴り合い、組むとヒジを連打する清水。気合いの入った表情でヒジを繰り出す清水に、マットは組んで耐えるのが精一杯。マットの顔が腫れ上がる。
3Rも同じくローとミドルを蹴り、組んでヒジを連打する清水。マットもヒジを返すが、清水がヒジの手数で完全に上回り、清水が判定勝ちを収めた。
試合後、9月25日(日)東京・後楽園ホールで行われるMA日本キックボクシング連盟のメインイベントで、清水と対戦が決定している武田一也がリングに上がった。
清水は「前田(尚紀)さんの引退式なので、暴れて倒そうと思ったんですが、手数が出なくて思うような試合が出来ませんでした。この試合を見て武田選手に楽勝だと思われたでしょうが、試合までにガンガン練習してレベルアップします」とマイクアピール。
それを受けて武田は「次の大会でMAvs他団体の6対6をやります。そこで清水選手と俺が大将戦を任されているので、ガッチリと決着をつけたいと思っています。MAのチャンピオンvsWPMFのチャンピオンということで、意地と意地のぶつかり合いでいい試合になると思います。俺が勝ったらWPMFのタイトルを狙わせてもらうので、チャンピオンらしくいい試合をしましょう」と、宣戦布告した。
第7試合終了後、藤原ジムのエースとして活躍した元・全日本フェザー級王者の前田尚紀の引退セレモニーが行われた。司会を先輩である小林聡が務め、かつて拳を交えた山本元気と藤原あらし、同じリングで戦っていた吉本光志、師匠の藤原敏男会長から花束の贈呈。
前田はたくさんの人たちにお礼を述べ、「言葉が見つかりませんが、13年間ありがとうございました。精一杯、何も悔いを残すことなく選手生活を送れました。長い間、ありがとうございました」とファンに別れを告げ、10カウントゴングを聞いた。
生涯戦績は32勝(21KO)19敗3分。記録よりも記憶に残る名キックボクサーだった。
▼第8試合 WPMF日本ルール ランキング査定試合 54.5kg契約 3分3R延長1R
○野呂裕貴(エス/元NKBバンタム級王者、WPMF日本バンタム級1位)
判定3−0 ※三者とも30−27
●三好 純(y-park/NJKFバンタム級3位)
▼第7試合 61kg契約 IT’S SHOWTIMEルール3分3R
△智也(小林道場)
ドロー 判定2−0 ※30−28、29−29、29−29、29−28、29−29
△田中雄士(レンジャー品川)
▼第6試合 WPMF日本女子フライ級 2分3R
○いつか(新宿レフティー/J-GIRLS同級2位)
判定3−0 ※30−27、30−27、30−28
●木村葉月(武湧会)
▼第5試合 スーパーライト級 WPMF日本ルール 3分3R延長1R ※ヒジあり
○前田将貴(RIKIX)
判定3−0 ※30−27、30−28、30−27
●加藤剛士(ウィラサクレック・フェアテックス)
▼第4試合 61kg契約 IT’S SHOWTIMEルール 3分3R
△若菜千明(レンジャー品川)
ドロー 判定1−0 ※30−29、29−29、29−29、29−29、29−29
△渡久山祐太(平井)
▼第3試合 WPMF日本ルール 63kg契約 3分3R
○コタロー(エイワスポーツジムMASC)
TKO 3R52秒 ※セコンドからのタオル投入
●DAISUKE(ウィラサクレック・フェアテックス)
▼第2試合 バンタム級 WPMF日本ルール 3分3R
△菊池洋次朗(ウィラサクレック・フェアテックス)※康晃(ASHII-PROJECT)から変更
ドロー 判定1−0 ※30−29、29−29、29−29
△片島聡志(藤原)
▼第1試合 スーパーライト級 WPMF日本ルール 3分3R
○加藤真也(平井)
KO 1R2分18秒 ※右フック
●KEN山十(峯心会)
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