▲トーナメント決勝戦でロスマレン(左)がキシェンコ(右)を1RでKO
「IT'S SHOWTIME」
2011年9月24日(土・現地時間)ベルギー・ブリュッセル
ヨーロッパ最大の立ち技格闘技イベント『IT'S SHOWTIME』にて、同イベント初の−70kgトーナメントが開催された。
大本命ジョルジオ・ペトロシアン欠場によって、優勝はアンディ・サワーもしくはアルトゥール・キシェンコが本命とされ、対抗がIT'S SHOWTIME王者のクリス・ンギンビというのが大方の予想だった。選手たちもサワーが本命という見立てをし、サイモン・ルッツIT'S SHOWTIME会長はキシェンコを一押し。
→日本でもお馴染みの強豪ぞろいのトーナメントを制したのは21歳のロスマレン
が、結末はペトロシアンの代わりに出場した若手ロスマレンが代打参戦の大チャンスを逃さず、集中力の途切れない攻めを繰り出し、最後はKOでケリをつけるという文句なしの優勝を果たした。親子二代にわたるキックボクサーが見事に頂点を獲得した。ロスマレンは、トーナメント8選手の中での最年少、1989年10月1日生まれの21歳。
ペトロシアン欠場が日本での試合後に決まり、ルッツ会長が日本滞在中だったこともあって、ケガの原因となった日菜太(7月18日にペトロシアンと対戦)をトーナメント選手として抜擢することも提案されたが、最終的に起用されたのはロスマレンだった。
サワーがS-cupに登場し、優勝したのが19歳。K-1MAX優勝が22歳だった。ロスマレンは21歳でIT'S SHOWTIMEの70kgトーナメントを制覇。
→優勝候補の本命サワー(左)は準決勝でキシェンコ(右)に敗れた
サワーを1回戦で苦しめたハルト・グリゴリアンはロスマレンと同年1989年生まれの22歳。また昨年のK-1MAXで世界ベスト16まで勝ちあがったモハメド・カマルはロスマレンよりまだ若い1990年生まれの21歳だ。これらの世代は今が頂点ではない。これから益々強くなる世代だ。言うまでも無く今後の中量級の主軸になる。
日菜太は来年1月28日のIT'S SHOWTIMEオランダ大会参戦が決定している。常連起用となるかどうかはこの場での戦いぶりによる。25歳になったばかりの日菜太がIT'S SHOWTIMEのリング上で、欧州新世代の渦に巻き込まれながら活躍する姿を期待したい。
<試合結果>
▼IT'S SHOWTIME 70kgトーナメント決勝 3分3R
○ロビン・ファン・ロスマレン(オランダ)
KO 1R
●アルトゥール・キシェンコ(ウクライナ)
▼IT'S SHOWTIME 70kgトーナメント準決勝 3分3R
○ロビン・ファン・ロスマレン(オランダ)
判定4−1
●クリス・ンギンビ(オランダ)
▼IT'S SHOWTIME 70kgトーナメント準決勝 3分3R
○アルトゥール・キシェンコ(ウクライナ)
判定5−0
●アンディ・サワー(オランダ)
▼IT'S SHOWTIME 70kgトーナメント1回戦 3分3R
○ロビン・ファン・ロスマレン(オランダ)
KO 2R
●シャヒッド・オウラッド・エル・ハジ(モロッコ)
▼IT'S SHOWTIME 70kgトーナメント1回戦 3分3R
○クリス・ンギンビ(オランダ)
判定5−0
●ムラット・ディレッキー(ベルギー)
▼IT'S SHOWTIME 70kgトーナメント1回戦 3分3R
○アンディ・サワー(オランダ)
判定4−1
●ハルト・グリゴリアン(ベルギー)
▼IT'S SHOWTIME 70kgトーナメント1回戦 3分3R
○アルトゥール・キシェンコ(ウクライナ)
TKO 3R
●ドラゴ(アルメニア)
テキスト:遠藤文康 写真:(C)Ben Pontier/EFN
※今大会の模様は10月10日 (月) 18:00よりJ SPORTS 3で放送 |