M-1MC株式会社
「M-1 FAIRTEX SINGHA BEER ムエタイチャレンジ
第48回M-1アマチュアムエタイ大会」
2012年1月29日(日)千葉・ウィラサクレック天王台ジム
開始11:00
今年も昨年同様、年8回ペースでアマチュア大会を開催。今年最初の大会は、55kg級を除く6階級によるトーナメントで次期挑戦者決定戦を行う。中でも30kg級は最多の6人がエントリー。シード権を2枠設け、M-1ジュニアでは珍しい準々決勝からスタートとなった。
▼M-1ジュニア50kg級次期挑戦者決定戦
○吉永建太(WSR幕張/同級4位)
KO 2R ※左ヒザ
●清水一輝(士道館橋本道場/同級7位)
※吉永が次期挑戦権を獲得
末永勇一(WSR荒川)が持つM-1ジュニア50kg級王座に挑戦すべく、吉永と清水との間で次期挑戦権を賭けた一戦が行われる。新鋭同士の一戦となったが次期挑戦権を獲得するのは果たしてどちらか。
1R、右ローで先制攻撃を仕掛けた清水。すかさずパンチのラッシュで一気に攻め立てていく。清水のラッシュで後ずさりする吉永だが、ロープへ詰められるも首相撲を仕掛けてヒザを叩き込んでいく。
首相撲がほどけると、吉永は右ミドルを打つが、清水は左ローを返す。中盤から、清水はパンチの後に左右ローをつなげ、コンビネーションをうまく使っていく。
吉永は右ローから右ミドルと蹴りを打ち分け、互いにコンビネーションを意識した戦い方になっていく。残り15秒、互いにパンチから右ローを打ち合ったところで1R終了のゴングが鳴る。
2R、開始と同時に清水が左ローを打ち、先制攻撃を仕掛けるが、直後に吉永は右前蹴りを打って距離を保っていく。
吉永の前蹴りに、清水はジャブを打ちながら右アッパーを返していく。吉永は清水のパンチをかいくぐって首相撲を仕掛け、そこから強烈な左ヒザを打ち、ダウンを奪う。カウントが進むも、レフェリーがストップ!吉永が左ヒザ一撃でKOし、末永の持つ王座の次期挑戦権を獲得した。
▼M-1ジュニア45kg級次期挑戦者決定戦
○瀬野尾亜月(秀晃道場/同級6位)
判定
●須永大護(WSR蕨/同級4位)
※瀬野尾が次期挑戦権を獲得
ジュニア最強王者にして、常勝街道を爆走中の那須川天心(チームTEPPEN)の持つ王座への挑戦権を賭けて、伊藤紗弥(尚武会)、須永大護(WSR蕨)、岩浪悠弥(士道館橋本道場)、瀬野尾亜月(秀晃道場)がエントリー。
→準決勝、岩浪と須永の一戦
抽選の結果、瀬野尾vs伊藤、岩浪vs須永という組み合わせになった。伊藤はパワー差が生じ始めると言われる40kg級に階級をアップしても、それを微塵も感じさせることなく勝ち星を重ねてきている。
瀬野尾はジュニア屈指の強打を誇るファイター。瀬野尾のパワーvs伊藤のテクニックというわかりやすい図式となったが、瀬野尾がパワーで押し切って判定で勝利。
→決勝戦、瀬野尾(左)vs須永の一戦
一方の岩浪vs須永の一戦は、須永が判定で勝利し、瀬野尾と須永の間で次期挑戦権を争うこととなった。
M-1ジュニア35kg級王座を獲得した経験のある須永は、飛び級で2階級制覇を狙う。対する瀬野尾は、悲願のM-1ジュニア初戴冠を狙う。キャリアで須永、パワーで瀬野尾がそれぞれ有利とみた。
1R、互いに右ミドルを打ち、首相撲からヒザ。瀬野尾が右ストレートから右ロー、首相撲とつなげ、積極的に攻めの手を増やしていく。中盤には、瀬野尾は右ヒザと右ロー、ワンツーを打ち、とにかく手数が止まらない。下がり気味となる須永だが、右ミドルで応戦。しかし、瀬野尾ペースには変わりはなく、瀬野尾が左ボディブローを打ったところでゴング。
2R、先に須永が左ミドルを打つと、瀬野尾は右ミドルと右ローで応戦。それでも須永は前に出ながら右ミドルを打っていく。瀬野尾も前に出ると、パンチを打ちながら首相撲を仕掛け、足払いをして須永をコカす。その後、首相撲の応酬が続いて試合終了のゴングが鳴り響く。
終始手数で圧倒した瀬野尾が判定で須永を下し、那須川天心(チームTEPPEN)の持つ王座への挑戦権を獲得した。
▼M-1ジュニア40kg級次期挑戦者決定戦
○名倉彗悟(堀切KMC桜/同級3位)
判定
●バンフース・ハンター(尚武会/同級9位)
※名倉が次期挑戦権を獲得
溝口達也(尚武会)の持つ王座への挑戦権を賭けて、名倉彗悟(堀切KMC桜)、駿斗(チームTEPPEN)、レイジ(マッハ道場)、バンフース・ハンター(尚武会)がエントリー。
→準決勝、バンフース(右)と駿斗の一戦
抽選の結果、バンフースvs駿斗、名倉vsレイジという組み合わせになった。名倉とバンフースが勝ち上がり、両者の間で次期挑戦権を争うこととなった。
M-1ジュニア史上初の3階級制覇を成し遂げた、兄・拓海を追うべく、弟である彗悟が3階級制覇に向けての大一番を迎える。対するバンフースは”ジュニア最強軍団”尚武会の新鋭だ。名倉を下して一気に40kg級の最前線に漕ぎ着けたいところだ。
→準決勝、名倉(右)とレイジの一戦
1R、先手を仕掛けたのはバンフース。右ミドルで先制すると、名倉は得意の首相撲へ持ち込んでいく。
バンフースがパンチを打ちながら前に出るも、名倉は首相撲でバンフースの勢いを止めていく。名倉の首相撲に苦しむバンフースだが、左ミドルで応戦。しかし、名倉はバンフースの左ミドルをドンピシャのタイミングでキャッチし、そこから首相撲からヒザを打っていく。
2R、開始早々、パンチの打ち合いがなされ、首相撲の展開が続いていく。名倉が右ミドルを連打し、手数を増やしていく。名倉の右ミドルにバンフースが右ヒザを合わせ、首相撲へと持ち込んでいく。互いに首相撲からヒザの応酬が続くが、ヒザの数は名倉の方が多い。
結果、首相撲とヒザで主導権を握り続けた名倉が判定で勝利し、溝口達也(尚武会)の持つ王座への挑戦権を獲得した。
▼M-1ジュニア35kg級次期挑戦者決定戦
○甘中雄大(士道館橋本道場)
判定
●辻龍也(WSR三ノ輪/同級1位)
※甘中が次期挑戦権を獲得
草子(フリー)の持つ王座への挑戦権を賭けて、辻龍也(WSR三ノ輪)、拓真(新興ムエタイ)、湯田海斗(尚武会)、甘中雄大(士道館橋本)がエントリー。抽選の結果、湯田vs辻、拓真vs甘中という組み合わせになった。辻と甘中が勝ち上がり、両者の間で次期挑戦権を賭けて争われることとなった。
辻はM-1ジュニア30kg級に続いて二階級制覇を、甘中はMAジュニア32kg級に続いて二冠王をそれぞれ狙う。
1R、前に出ながらプレッシャーをかけていく甘中。やや下がり気味の辻だが、パンチから左ローを打っていく。更に辻は左前蹴りを追撃。甘中は首相撲で応戦。その後、甘中は右ミドルを打つと、辻はすかさず左ミドルを打っていく。
2R、開始早々、辻が右ミドルを打つと、甘中はこれに右ハイを合わせる。ガードし、直撃を防いだ辻は、下がりながら間合いを取っていく。中盤になると、ストレートと右ローを打ち分け、有効打を稼いでいく甘中。辻は左ミドルで応戦していく。結果、甘中が判定で勝利し、草子の持つ王座への挑戦権を獲得した。
▼M-1ジュニア30kg級次期挑戦者決定戦
○侃sit sor nong(WSR蕨/同級3位)
判定
●優音(藤原/同級6位)
※侃が次期挑戦権を獲得
服部柊斗(WSR蕨)の持つ王座への挑戦権を賭けて、侃sit sor nong(WSR蕨)、安本晴翔(士道館橋本道場)、菅野龍(尚武会)、優音(藤原)、一航(新興ムエタイ)、柏木流星(WSR三ノ輪)がエントリー。全階級を通じて最多エントリーとなった。
→準決勝、侃vs菅野の一戦
抽選の結果、初戦で柏木vs安本、一航vs菅野という組み合わせになった。優音と侃がシード権を獲得。初戦では安本と菅野が勝ち上がり、準決勝で安本vs優音、菅野vs侃という組み合わせになった。
安本と優音は、過去に25kg級タイトル戦で安本が勝利しているが、今回は優音に軍配が上がり、リベンジに成功する結果となった。一方、菅野vs侃は判定で侃が勝利。決勝戦は侃と優音との間で次期挑戦権が争われる。
→準決勝、優音(左)と安本晴翔の一戦
互いにM-1ジュニアの常連ファイターであり、対戦経験もある。侃はNJKFジュニア30kg級、優音はM-1ジュニア25kg級の王座を獲得経験があることから、激戦必至の一戦となりそうだ。
1R、優音がパンチのラッシュで侃をコーナーに詰めて首相撲を仕掛ける。パンチ主体の優音に対し、侃は左ローと首相撲が主体だ。侃が右に回りながら左ミドルを打ったところに、優音が右ストレートを合わせ、踏み込んで右ボディストレートを追撃。それでも侃は首相撲を仕掛けていく。
2R、開始早々、優音がパンチを打ちながら突っ込んでいく。侃は首相撲を仕掛けて優音の勢いを止めにかかる。首相撲がほどけると、侃は左ミドルを打っていくが、優音はこれにうまく右ローを合わせ、侃をロープへ詰めると、そこから豪快な右ミドル!
中盤以降、侃は左ミドルを中心とした攻勢となるのに対し、優音はパンチを中心とした攻勢に。結果、侃が判定で勝利し、服部柊斗(WSR蕨)の持つ王座への挑戦権を獲得した。30kg級タイトルマッチでは、M-1vsNJKFのジュニア王者対決が実現することとなった。
▼M-1ジュニア25kg級次期挑戦者決定戦
○小宮山怜虎(同級1位/尚武会)
判定
●溝田憲吾(同級4位/新興ムエタイ)
※小宮山が次期挑戦権を獲得
松土龍冴(WSR天王台)の持つ王座への挑戦権を賭けて、小宮山怜虎(尚武会)、溝田憲吾(新興ムエタイ)、中條天晴(マッハ道場)、壮真(新興ムエタイ)がエントリー。抽選の結果、中條vs溝田、小宮山vs壮真となった。手数で上回った溝田と、ヒザ蹴りで活路を見出した小宮山が勝ち上がり、両者の間で次期挑戦権を賭けて争われることとなった。
1R、しばらく首相撲が続くと、溝田が右ミドルを打ちながら前に出る。小宮山は首相撲で応戦。右ミドルに加え、左ミドルも混ぜていく溝田に小宮山は徹底して首相撲。終盤には互いにパンチから右ローを打ち合ってこのRが終了。
2R、小刻みにステップを踏み、間合いを取っていく小宮山。溝田は徐々に距離を詰めて首相撲。小宮山は右ミドルを打ちながら前進していく。溝田はジャブから右ミドル、右ヒザとコンビネーションをつなげていく。
結果、小宮山が判定で勝利し、松土龍冴(WSR天王台)の持つ王座への挑戦権を獲得した。
<ワンマッチ>
昨年8月にM-1、10月にMA、12月にNJKFとWINDYの4団体の王座を獲得し、25kg級の王座を事実上統一するというジュニア史上初の快挙を成し遂げた、松土龍冴(WSR天王台)が参戦。現在も4団体の王座を保持している。その松土が今大会で2試合消化し、結果は1勝1敗となった。
リングに上がると、気合いが入った雄たけびを上げ、インパクトを残しつつ、熱戦を繰り広げるGEN(WSR三ノ輪)がワンマッチに参戦、判定勝利を収めた。
ワンマッチで服部柊斗(WSR蕨)vs佐々木雄汰(尚武会)の新旧M-1ジュニア30kg級王者対決が実現(結果は佐々木が判定で勝利)するなど、ワンマッチでも注目カードが多数見受けられた。
また、今大会もムエタイデビュークラスの選手を対象としたビギナークラスを開催。その中でひと際目立ったのが、りんたろう(堀切KMC桜)だ。小学一年生にして36kgという大柄のジュニアが奮闘。惜しくも敗れてしまったが、堀切KMC桜・河原塚武氏は「気持ちは強い子なので、もっと頑張ってほしい」とりんたろうにエールを送っていた。
<2011年表彰式>
優秀選手賞に那須川天心(チームTEPPEN)、溝口達也(尚武会)、佐々木雄汰(尚武会)が選出された。那須川は40kg級と45kg級、溝口は35kg級と40kg級をそれぞれ獲得、共に二階級制覇を成し遂げた。また、佐々木は30kg級王座を獲得し、防衛に成功している。更に佐々木はM-1ジュニア9戦8勝の好成績を残している。(那須川はスケジュールの関係上欠席)また、優秀ジム賞に尚武会、WSR蕨、WSR池袋が選出され、記念撮影に収まった。
25kg級挑戦者の小宮山はWINDY、30kg級挑戦者の侃はNJKF、35kg級挑戦者の甘中はMA、40kg級挑戦者の名倉はM-1と、4階級で各団体の王座獲得経験者が出揃う結果となった。
次回大会は2月26日(日)WSR天王台にて行われる。この日に全階級タイトルマッチ「M-1 Kid's CHAMPION CARNIVAL」が行われる予定だ。
<M-1ジュニア次期挑戦者>
25kg級 小宮山怜虎(尚武会)
30kg級 侃Sit sor nong(WSR蕨)
35kg級 甘中雄大(士道館橋本道場)
40kg級 名倉彗悟(堀切KMC桜)
45kg級 瀬野尾亜月(秀晃道場)
50kg級 吉永建太(WSR幕張)
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