5月20日(日・現地時間)タイ・アディソンスタジアムで行われた同スタジアム認定75ポンドタイトルマッチに、B-FAMILY NEOが主催するジュニアムエタイ大会『Muaythai WINDY Super Fight』の30kg級前王者・福田真斗(ふくだ・なおと/キング・ムエ)が出場した。
現在12歳の真斗は、昨年8月のタイデビュー戦にして初勝利を挙げ、続くラジャダムナン・スタジアムでの試合で2勝、今年4月にはタイ・トランで行われた日・タイ対抗戦でも勝利を挙げ、現在4連勝中。メジャースタジアムも含めてのこの記録は快挙ということで、タイ側よりタイトルマッチのオファーが来たという。
タイトルマッチの相手は、カタンユー(タイ)。詳細は不明だが、関係者によれば、カタンユーも地方スタジアムのチャンピオンとのこと。また、タイ以上に格闘技の盛んなカンボジアでの試合経験もあるという。
1R、真斗は作戦通りのロー。これまで幾度となくタイ人を苦しめた奥足ローも蹴っていくものの、カタンユーは1発受けたあと、次からは反応し確実にカット。逆にスピードのある左ミドルで応戦、真斗はキャッチしてディフェンス。そして真斗が奥足ローのフェイントをかけたところに強烈な前蹴りのカウンター。後方へ吹っ飛ぶ真斗。これが第1Rではなく、3、4R目だったら確実にポイントを奪われていたであろう。
2R、真斗はローに加え、左のストレートも多用。しかしまたしても、そのパンチに合わせてカウンターの左ミドル。この選手、反応とディフェンス力が抜群にいいようだ。距離を取られては不利とみた真斗陣営は、パンチで詰めてプレッシャーをかける。ここまで若干、カタンユー有利の掛け率か。
3R、ムエタイはここからが重要。真斗は距離を詰めて首相撲に持ち込み、ヒザ勝負となる。ガッチリ組み合わず、お互いヒザを突き立てる。今まで4戦ともヒザで組み勝ってきた真斗。ここでも相手をロープに押し込む体勢が多くなるが、カタンユーはヒザをうまく使ってディフェンス。それでもかまわず真斗はヒザを蹴りこむ。
微妙な差とはいえ、ムエタイの3、4Rは必ずポイント差が付くため、ヒザの蹴り数が多い真斗がリードし始める。
そして勝負の4R。3R目と同じく、前に出るのは真斗。カタンユーのミドルをキャッチし、コカし技! これで大きく掛け率が流れる。そして、ロープに押し込み、ヒザの連打、カタンユーのディフェンスをかいくぐって大きくステップしヒザ! このラウンド終了時点で20−1まで掛け率が広がり、真斗有利に。
5R、前半はまだ前に出て首相撲に持ち込み、相手に反撃のチャンスを与えず、後半は間合いを外して確実にディフェンス。判定勝ちで真斗が王座を獲得した。
ハジャイにあるサマーパンムエタイスタジアムで90ポンドおよび100ポンド王座に輝いた大田原友亮、同スタジアムの75ポンド王者の大田原虎仁の大田原兄弟に続いて、『Muaythai WINDY Super Fight』から3人目のムエタイチャンピオン誕生に、B-FAMILY NEO・大田原光俊代表、伊藤浩之顧問、エクシンディコンジムのチャイ会長も満足げであった。また、タイ戦績5戦全勝は日本人選手初の快挙であり、福田真斗の今後の活躍が注目される。
またこの日、同スタジアムには真斗以外にも5名の選手が派遣された。
山田航暉(キング・ムエ) 2RKO勝ち
湯田海斗(尚武会) 5R判定負け
佐々木雄大(尚武会) 5R判定負け
バンフースハンター(尚武会) 5R判定勝ち
儀部快斗(B-FAMILY NEO) 3RKO負け
本場タイで試合を行うジュニア選手が増えてきている中、B-FAMILY NEOが果たす役割は大きい。大田原代表は「やる気のある選手なら、どんどんタイへ送り込みたい」と話しており、世界へ羽ばたくジュニア達を後押しする考えだ。今後は誰がタイで花を開かせるのか、ジュニアムエタイ大会『Muaythai WINDY Super Fight』にますます注目が集まる。
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