7月1日(日)愛知・サンプラザシーズンズにて「Muay Thai WINDY Super Fight in NAGOYA〜MuayThaiphoon!〜」(以下WINDY)が開催された。
昨年から地方大会に乗り出したWINDYは、横浜、名古屋、福岡の3地方で開催され、その中で最も反響が高かった名古屋大会が今年も開催されることとなった。名古屋は東西の中間地点ということもあり、特に関西地区からの参戦が目立った。東西のジュニアが交わる機会は極めて少ないのが現状で、東西の強豪ジュニアが一堂に会し、夢の競演が実現したことから「ジュニアオールスターゲーム」と銘打たれた。
▼メインイベント ムエタイルール 34kg契約 2分5R
○福田真斗(キング・ムエ/アディソンスタジアム75ポンド級王者)
KO 2R ※左ハイキック
●セーンゲーン・ソー・デェダムロン(タイ/トラン同級王者)
タイ・アディソンスタジアム認定75ポンド級王者になった福田が地元である名古屋で凱旋試合を行う。タイ・トランの同級王者のセーンゲーンと激突。ムエタイ王者同士の一戦となった。 福田が入場すると、ムエタイ王者対決をビデオカメラに収めようと、たくさんの観客がビデオカメラを手にする姿が目立った。
1R、セーンゲーンが右ミドル、福田がミドルに合わせて左フック。互いに単発で繰り出していく。福田は中盤から左右ローを単発ながら混ぜていく。このラウンドは互いに手数が少なく、様子見といったところか。
2R、福田は右ストレートから左ボディのコンビネーションを多用し、福田の左ボディが突き刺さり、セーンゲーンの腰が落ちたところに福田のハイキックがセーンゲーンの首元に入り、ダウンを奪う。その後、セーンゲーンをコーナーに詰めてパンチの連打を浴びせてレフェリーがストップ!
KO勝利の瞬間、場内から大歓声が上がり、ムエタイ王者対決を制した福田に、場内から祝福の声が上がる。試合後、リング上で福田は「地元で勝てて嬉しかったです。応援ありがとうございました。次は8月にタイで試合が決まっているので、応援よろしくお願いします!」と語り、リングを後にした。
▼セミファイナル ムエタイルール 44kg契約 2分5R
○デンワンチャイ・ウォー・ワンチャイ(タイ)
判定
●伊藤勇真(キング・ムエ/元WINDY Super Fight45kg級王者)※デビュー戦
WINDY40kg級&45kg級2階級制覇を達成した伊藤が登場。昨年2月の福岡大会で“博多の悪ガキ”こと石井一成(TEAM WARUGAKI)と対戦しているデンワンチャイ・ウォーワンチャイと激突。
1Rは、ゴングと同時に前蹴りを打って先手をしかけるデンワンチャイ。立て続けにデンワンチャイはブラジリアンハイキックを追撃。ヒットはしなかったものの、場内からどよめきの声が上がる。距離を詰めてデンワンチャイが右縦ヒジを打つが、伊藤はこれをガード。
2Rになると、デンワンチャイが左ミドルを打つと、すかさず伊藤が左ローを返す。この攻防がしばらく目立っていく。距離を取るデンワンチャイは、ジャブから前蹴りでけん制するが、伊藤は踏み込んで右ロー。3Rには残り10秒のところでデンワンチャイの左ミドルが伊藤のボディにめり込みダウンを奪う。
4Rは首相撲からヒザの応酬が続いていくのだが、次第に激しい首相撲の応酬となっていき、ロープから体が乗り出してしまい、転落寸前に。 5Rに、伊藤がパンチを多用し、巻き返しを図るも、最終ラウンドのゴングが鳴り響く。3Rに左ミドルでダウンを奪ったのが決め手となり、判定でデンワンチャイが勝利した。
▼スペシャルマッチ 48kg契約 2分5R延長1分
○福田海斗(キング・ムエ/元WINDY Super Fight50kg級・45kg級・40kg級王者/名古屋選抜)
判定
●酒井柚樹(はまっこムエタイジム/九州・沖縄・WINDY推薦)
1R、互いにローを打つも、手数が少なく、様子見の状態が続いていく。 2R、酒井がリングを回りながら距離を取って左ロー。酒井は左右ローを、福田は左ミドルをそれぞれ主体としていく。
3R、ジャブから左フックを打つ酒井に、福田は前に出て距離を詰めて首相撲をしつこくしかけていく。酒井が右ローを打つと、福田は左ミドルを返す。互いに切り返しの早い攻防が続いていく。
4R、福田はこのラウンドもしつこく首相撲をしかけていく。福田が左ミドルを打つと、すかさず右ローを返す酒井。福田がバックステップでかわし、左ミドル。酒井の右ロー、福田の左ミドルというはっきりした展開になっていく。
5R、福田が前に出ると、酒井は下がりながらもリングをグルグル回って距離を取る。それでも福田はリングを回る酒井を追い、首相撲をしかけていく。残り10秒で、福田がヒザでダウンを奪い、試合終了のゴングが鳴り響く。判定で福田が勝利し、地域対抗戦の名古屋選抜に最後の勝利を飾った。
<地域対抗戦>
昨年同様、各地区の8人の選手によるリーグ戦を行い、勝率の高い地区を優勝とする対抗戦が行われた。
→岩尾力(POD/関東選抜)vs儀部快斗(B-FAMILY NEO/沖縄・九州沖縄WINDY推薦連合軍)
ジュニアキック・ムエタイ・空手といった、幅広い競技の猛者が名古屋に集結。激闘が繰り広げられた。中でも、岩尾力(POD/関東選抜)と儀部快斗(B−FAMILY NEO/沖縄・九州沖縄WINDY推薦連合軍)の一戦では、足踏みをしながらリングを回るアリシャッフルのような動きを見せつつ、体を小刻みに揺らしながら右ローと右ハイを打ち分け、岩尾が判定勝利。
石井一成(TEAM WARUGAKI)は、ヒザでダウンを奪うと、直後にセコンドから「飛んで前蹴りを打て!」の指示が飛ぶ。石井はこれに呼応し、飛び前蹴りを打ちKO勝利を収めた。
→石井一成(TEAM WARUGAKI/九州・沖縄・WINDY推薦)vs大田拓真(新興ムエタイジム/関東選抜)
山田航暉(キング・ムエ/名古屋選抜)vs吉岡ビギン(KRB/関西選抜)では、山田が首相撲からヒザ、打ち合いで吉岡というはっきりとした展開になり、互いの持ち味がフルに活かされた内容となった。結果、首相撲でリズムを掴み、ヒザをコツコツと当てていった山田が勝利した。
→中野滉太(パワーオブドリーム/関東選抜)vs井本千尋(国士ジム/関西選抜)
昨年12月に行われたJEWELSで、伊藤紗弥(尚武会)と、事実上のジュニア女子最強決定戦を制した“関西ジュニア女子の絶対女王”井本千尋(国士・関西選抜)が今年も参戦。中野滉太(POD)と対戦するも、中野の首相撲に苦しむ井本は、流れを引き寄せることができず、惜しくも判定負けとなった。
地域対抗戦の結果、関東選抜と名古屋選抜が共に5勝3敗と同率となった。このうち、名古屋選抜が1試合KO勝利があったことから、名古屋選抜が優勝となった。今大会のMVPには、ヒザ連打で秒殺KO勝利を収めた、松岡翔大(OISHI GYM)が選ばれた。
試合後、WINDY・佐藤孝也代表は「昨年は名古屋が惨敗を喫したけど、今回は昨年のリベンジを果たすことができました。今回の地域対抗戦の勝利はOISHI GYMさんの頑張りが大きかったです。始まるまではどうなることかと思っていましたが、蓋を開けてみれば、予想を超えるいい試合ばかりなので、あっという間に時間が経ちました」と大会を総括した。
<地域対抗戦の結果>
1位 名古屋選抜 5勝3敗(1KO)
2位 関東選抜 5勝3敗
3位 関西選抜 3勝5敗
3位 九州・沖縄・WINDY選抜連合軍 3勝5敗
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