▲藤原(下)が試合を優勢に進めてはいたが、不完全燃焼の結末に
ZST事務局
「 〜FIGHTING NETWORK ZST〜 BATTLE HAZARD 06」
2012年7月16日(月・祝)東京・ディファ有明
開場14:00 本戦開始17:00
▼メインイベント RINGSルール 61.2kg以下契約 5分3R
○藤原敬典(スピニングガレージ/初代ZSTバンタム級王者)
TKO 2R終了時 ※セコンドからのタオル投入
●伊藤健一(フリー)
現ZSTバンタム級王者・藤原は2009年5月に初代バンタム級王者となり、3月のタイトルマッチでは房野哲也を相手に3度目の防衛に成功。対する“六本木のIT社長”伊藤は、4月にフランク・エドガー(UFC世界ライト級王座を3度防衛している無敵の王者)のジムなどを周る“アメリカ武者修行”を行い、5月のSWAT!では3月のリングスに続いて一本勝ち。「このリングスルールなら藤原君を攻略するのは簡単」と自信たっぷりに語った。
1R、いきなりタックルに行く伊藤だが、藤原に防がれて下になる。藤原は亀の状態になった伊藤のボディへヒザ蹴りを突き刺し、顔面へパンチを連打する。伊藤も下から関節技を仕掛けようとするが、藤原は殴り続ける。
立ち上がった伊藤に藤原が組んでいき、伊藤は引き込んで寝技へ持ち込むが、やはり容赦ない藤原のパンチが襲う。
2R、パンチで前に出る藤原をまたも伊藤が引き込んで寝技に持ち込もうとするが、藤原は寝技に付き合わず上からパンチを落とす。立ち上がった伊藤のバックに付く藤原。伊藤は再度タックルに行ったが、藤原に潰されてしまう。バックからパンチを打ち、スリーパーを仕掛ける藤原。ここまで完全に藤原ペースだ。
しかし、伊藤が立ち上がって組んだところで、藤原のヒザ蹴りがローブローとなってしまい、試合は長い時間中断となってしまった。伊藤の回復を待ち、藤原に減点1が与えられて試合が再開されると、藤原は伊藤のタックルを潰してのパンチ。伊藤もスタンドで振りかぶるような右フックを放つが、空を切った。
そして3Rが始まる前のインターバル中に、伊藤のセコンドから試合続行不可能としてタオルが投入され、藤原のTKO勝ちとなった。なんとも締まらない結末に、藤原は「すいません。煮え切らない試合で申し訳ないです」と観客に侘び、「でも自分は前回より強くなっていると思うし、次の試合につながるような練習をしているので、次の試合も見に来てください。絶対に進化しているので」と訴えた。
▲“柔術大好きコイケさん”ことクレベル・コイケが一本勝ち
▼セミファイナル RINGSルール 70.3kg以下契約 5分3R
○クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)
一本 3R3分7秒 ※腕ひしぎ十字固め
●上田厚志(骨法烏合会矢野卓見道場)
トリッキー&独特な関節技のスタイルの“進化する東洋の神秘”上田が、正統派のブラジリアン柔術家である“柔術大好きコイケさん”ことコイケを迎え撃つ。
1R、上田はリング上をロープギリギリまで使って大きく回り込み、追って来るコイケをパンチで詰めて行く。するとコイケが抱きついて寝技へ引き込み、上田はすぐに立ち上がる。パンチで攻める上田をまたも寝技に持ち込んだコイケは、三角絞めから腕十字、また三角絞めとまるで独壇場。コイケが技を仕掛けるたびに、場内からは悲鳴にも似た叫びが起こる。
2R、前蹴りとパンチで攻める上田だが、コイケに捕まって再び寝技へ引き込まれる。コイケが何度も腕十字を仕掛け、極まらないとマウントに戻ってパンチ、また腕十字と一方的に攻める。
上田はそれを防御しながら、腕十字に対して首を両足で絞めるセンタクバサミを仕掛けたが、極めることが出来なかった。コイケも腕十字と三角絞めに行くが、上田を極めることは出来ない。
3R、コイケは上田の背中に飛び乗り、立ったままスリーパーホールドを仕掛ける。しばらく耐えていた上田だが、そのまま倒れ込み、コイケは絞め続ける。これが極まらないと判断したコイケはマウントを奪ってパンチから腕十字! 暴れて脱出しようとした上田だが、無念のタップ。コイケが一本勝ちを収めた。
コイケはマイクを持つと「僕は柔術に人生の全てを懸けていましたが、ムンジアル(柔術の世界大会)の準決勝で優勝した選手に負けてしまい、3位でした。でも、ZSTに今回試合をするチャンスをもらって嬉しく思いました。日本の皆さんが応援してくれて嬉しいです。僕はブラジル人と日本人のハーフなので、半分は日本人です。だから日本の代表として頑張っています」と挨拶。場内からは拍手が沸き起こった。
▲禁断の兄弟対決は兄・俊一(下)が腕十字で勝利
▼第5試合 ZSTルール 無差別級契約 5分2R
○清水俊一(総合格闘技宇留野道場/初代BUSHIDO FCフェザー級王者)
一本 2R1分30秒 ※腕ひしぎ十字固め
●清水俊裕(総合格闘技宇留野道場)
タッグマッチで出場を予定していた清水俊一と清水俊裕兄弟の対戦チームが調整出来ず、主催者が両選手にGT-F(グラップリング)ルールによる直接対戦を提案したところ、両者が対戦を承諾。清水俊一vs清水俊裕の禁断の兄弟対決が実現した。
しかも、両選手が入場する直前に、両選手より打撃ありのZSTルールで対戦したいとの希望があり、ZST事務局がこれを認めたため、打撃ありの“リアル兄弟喧嘩”として行われることに。
1R、兄・俊一が圧力をかけて前に出ると、弟・俊裕はリング内を大きく使ってグルグルと回り込む。やはりやりにくいのか、ジャブ程度の軽いパンチを顔面に放ってけん制する俊一に、俊裕は再三タックルを仕掛けるが、全て俊一に潰されてしまう。
俊一は俊裕のタックルを受け止めるとアームロックから寝技に持ち込む場面も。スタンドに戻ると俊裕にボディへのパンチを見舞い、顔面にもけん制。終盤、ようやくタックルでテイクダウンを奪った俊裕だが、俊一はアームロックで切り返すと腕十字狙い。自ら立ち上がると、俊裕の顔面を踏み潰すような威嚇を仕掛ける。
2Rも同じように圧力をかけて俊裕を下がらせる俊一。今度は強めのパンチを放ち、俊裕のミドルキックをキャッチすると後方へバックドロップ気味に投げる。バックを奪った俊一に俊裕はタックルで切り返すが、再びバックを奪った俊一がスリーパー狙いから腕十字! 脱出しようともがいた俊裕だったが、立ち上がったところで完全に極められてタップ。リアル兄弟喧嘩は兄の勝利に終わった。
試合後、俊一は「ZSTルールでやろうと弟の方から言い出した。決まったのは2日前です」と明かし、「兄弟といえども倒せる一面を見せられたので、ひとつ上のステージにいけたと思う」と、兄弟対決をやってよかったと感想を述べた。敗れた俊裕は「チャンピオンは本当に強かった」と兄を称えた。
▲矢野(右)がヒールホールドでロープエスケープを奪い、判定勝ちした
▼第2試合 旧RINGSルール 無差別級契約 10分
○矢野卓見(骨法烏合会矢野卓見道場)
ポイント判定 ※矢島にロープエスケープ1あり
●矢島雄一郎(禅道会新宿道場)
矢野は“東洋の神秘”のニックネームを持ち、変則的なスタイル&関節技が特徴的。対する矢島は“ZST軽量級のパイオニア”として、5月のバトルジェネシスで一本勝ち、現在連勝中だ。今回、矢島の強い希望により矢野との対戦が実現し、契約体重は無差別で行われる。
旧RINGSルールとは、レガース(スネにつける防具)着用、掌底(拳ではなく手の平)の打撃攻撃、ロープエスケープ(攻められている側がロープをつかむことでブレイクとなる)かダウンは1回まで認められる(試合が続行される)。
矢野は構えたまま回り込み、矢島は距離を取って慎重にローを蹴り続ける。時折、顔面への前蹴りを繰り出す矢島だが、両者ともそれ以上はほとんどアクションを起こさず、時間が過ぎていく。
しかし、矢島の蹴り足をキャッチした矢野が足を掛けてテイクダウンを奪い、ヒールホールドで矢野がロープエスケープ。このポイント差が決め手となり、42歳の矢野が勝利を収めた。
▼第9試合 RINGSルール 77.1kg以下契約 5分2R
○濱岸正幸(U−FILE CAMP登戸)
一本 1R1分8秒 ※チョークスリーパー
●真野桐郎(和術慧舟會高田馬場道場)
▼第8試合 RINGSルール 「初代ライト級王者決定トーナメント」査定試合 70.3kg以下契約 5分2R
△佐々木誠(心温塾)
ドロー
△平 信一(綱島柔術)
▼第7試合 RINGSルール 77.1kg以下契約 5分2R
○NAKADAI(リバーサルジム横浜グランドスラム)
TKO 1R1分58秒 ※レフェリーストップ
●秋田智哉(総合格闘技move)
▼第6試合 RINGSルール 65.8kg以下契約 5分2R
○島村 裕(総合格闘技宇留野道場)
一本 1R3分23秒 ※チョークスリーパー
●安田けん(SONIC SQUAD)
▼第4試合 ZSTルール 55.0kg以下契約 5分2R
△上原佑介(マルワジム横浜/team roial)
時間切れドロー
△榊原 徹(U−FILE CAMP 登戸)
▼第3試合 GT-F(グラップリング)タッグマッチルール 65.0kg以下契約 10分3本勝負
△牧野仁史(リバーサルジム東京スタンドアウト)&檜山勇斗(パラエストラ川崎)
時間切れドロー
△村田卓実(和術慧舟會RJW)&徹肌イ郎(和術慧舟會ネイキッドマン柔術)
▼第1試合 SBXルール 57kg以下契約 3分3R
○島田洸也(シーザー力道場)
KO 3R1分44秒 ※パンチ連打
●渡辺竜也(RINGS/MAX GYM)
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