▲PRIDE、UFCなどで活躍してきた中村(右)が“Mr.DEEP”桜井(左)を破った
DEEP事務局
イーストアンドウエストpresents
「DEEP 60 IMPACT」
2012年10月19日(金)東京・後楽園ホール
開場17:30 開始18:00
▲攻守が激しく入れ替わる熱闘となった。勝者・中村(左)の腫れあがった顔が激闘を物語る
▼メインイベント(第12試合) ミドル級(83.9kg以下) 5分3R
○中村和裕(吉田道場)
判定2‐0
●桜井隆多(R-BLOOD/元DEEPミドル級王者)
これまでPRIDE、UFC、戦極で世界の強豪と戦ってきた中村がDEEPに初参戦。迎え撃つのはDEEPを主戦場に戦ってきた元DEEPミドル級王者の桜井だ。
1R、右ローと前蹴りを蹴る桜井。中村は飛び込むようなジャブ、右ボディを打つ。桜井もジャブと右アッパーを打つが、中村はそれをしっかりとブロック。桜井が右ストレートを放つと、中村のインローがローブローとなる。再開後、右ローを蹴る桜井。中村のインローが2度目のローブローとなり、試合が中断される。
試合が再開されると、細かいパンチで前に出て行く桜井。中村が首相撲からヒザ蹴りを突き上げ、桜井を豪快に投げる。立ち上がろうとする桜井の後ろについてパンチを入れる中村。桜井が立ち上がると、バックについた中村は自ら引き込むようにして足関節。これを凌がれると、中村は片足タックルから立ち上がる。
中村がジャブと右ボディストレート。桜井も左の前蹴りで距離を取ろうとするが、中村は距離を詰めて右ストレートを当てる。
桜井のタックルを切った中村。右ストレートで前に出ると、桜井は右アッパーを打つ。
2R、中村がジャブ、右ストレート。桜井が組み付くと投げを狙い、頭を落としてヒザ蹴りを入れる。テイクダウンを奪った中村はコーナーを背にする桜井のボディにヒザ蹴り。さらにサッカーボールキックを放つ。
立ち上がった桜井も右アッパーと右フックで前進。そのままタックルでテイクダウンを狙うが、逆に中村が桜井に組み付いてテイクダウンを仕掛ける。
ここは桜井の体がロープの外に出てブレイク。再開後、中村が左フック、ボディストレート。桜井も左ミドルを蹴って右アッパーで前に出る。コーナーに押し込む桜井。中村は下がりながらアッパーとヒザ蹴り、テイクダウンを奪う。
中村がスタンド、桜井が寝ている状態からパンチを振り下ろす中村。桜井もそれに合わせて体を起こし、中村の立ち際を狙ってサッカーボールキックを蹴る。
3R、テイクダウンを奪った中村がアキレス腱固め! 桜井も足関節を狙うが、中村はそれを潰してパンチを落とす。
そのままバックについた中村だが、桜井もすぐに体を正対して逆に上のポジションを取り返す。ハーフガードの中村はブリッジを効かせて脱出。立ち上がると右フックで前に出る。しかし桜井がテイクダウンを奪って一気にマウントポジションへ。そしてバックからスリーパーを狙う。中村もすぐに反転し、コーナーに体を預けて立ち上がろうとする。桜井はそこにパンチを連打。残り30秒、中村が桜井をテイクダウンし、サッカーボールキック。最後はスタンドで打ち合い、試合終了となった。
攻守が激しく入れ替わった熱闘は、判定2‐0で中村の勝利。「ミスターDEEP桜井隆多選手、ありがとうございました。僕がDEEPを背負わせてもらってもいいですか? 緊張して100%の動きが出来ませんでしたけど、次は約束通り、タイトルマッチお願いします」と空位となっているDEEPミドル級のタイトル戦に名乗りをあげた。
大会後、佐伯繁DEEP代表は来年2月大会で、中村と9月29日の大阪大会で坂下裕介を破ったRYO(ランズエンド・ZERO-ONE MAX)による、DEEPミドル級王座決定戦を行う予定であることを発表した。
▲元キックボクサーの悠羽輝(右)を相手に、打撃で攻める中西良行(左)
▼セミファイナル(第11試合) DEEPライトヘビー級タイトルマッチ 5分3R
○中西良行(TRIBE TOKYO M.M.A/王者)
判定5−0
●悠羽輝(ゆうき/フリー/挑戦者)
※中西が2度目の防衛に成功。
2010年4月に王座決定トーナメントを制して初代王者となった中西。今回が2度目の防衛戦となる。挑戦者の悠羽輝はK-1参戦経験もある元キックボクサーで、DEEPでは3連続KO・一本勝ちを収めている。
1R、サウスポーの中西がジャブを突いて前に出る。悠羽輝もジャブを返し、距離を取ろうとするが、中西は悠羽輝をロープに押し込む。一旦、距離を取った悠羽輝が右ストレート。中西も左ストレートから飛び込んで右フックを返す。
悠羽輝が右ミドル、右ストレート。中西は左から距離を詰めて左右のフックを打つ。左ストレートで前に出る中西にジャブを返す悠羽輝。中西はタックルでテイクダウンを狙う。これは凌がれた中西だがスタンドでは強烈な左ミドル。悠羽輝も右ストレートを返す。
右フックから前に出る中西に悠羽輝は右ストレート、右ミドル。中西は片足タックルから組み付いて、悠羽輝のバックに回り込む。
悠羽輝がそのままコーナーに体を預けてテイクダウンをディフェンス。中西は離れ際に左右のフック、タックルで組み付く。
2R、悠羽輝がジャブを顔とボディに振って右ストレート、自らタックルでテイクダウンを狙う。中西は左ミドルを蹴ってパンチで前に出るが、そこに悠羽輝のショートフックも当たる。組み付いた中西は悠羽輝の体を振ってテイクダウンするが、悠羽輝は背中を見せて立ち上がる。
コーナーを使ってテイクダウンを阻止する悠羽輝に中西は離れ際にパンチを狙う。悠羽輝は右ミドルと右ストレート、中西はタックルで組み付いてバックへ。
悠羽輝はコーナーに体を預けてテイクダウンをディフェンス。中西は後ろから悠羽輝の顔面を殴る。
試合がスタンドに戻ると悠羽輝が右ミドル、左アッパー、右ストレート。悠羽輝が組み付いてテイクダウンを奪うが、中西は両足を担ぎ上げるようにして立ち上がる。
両足タックルから組み付く中西。テイクダウンを耐えた悠羽輝は右ボディと右ストレート。中西も左ストレートを返して残り10秒でテイクダウン、悠羽輝の立ち際にサッカーボールキック、パンチを振り回す。
3R、すぐに組み付いて中西が悠羽輝をテイクダウン。バックからパンチを落とし、立ち際にサッカーボールキックを蹴る。悠羽輝も右ストレートから前進。中西は片足タックルから悠羽輝をロープに押し込んでテイクダウンを狙う。
しかし悠羽輝がロープを掴んでテイクダウンを阻止し、レフェリーからはイエローカードが提示された。
再開後、悠羽輝のジャブに合わせて中西が両足タックル。悠羽輝の後ろについてコーナーまで押し込む。リング中央でテイクダウンした中西だが、悠羽輝は立ち上がる。中西はパンチとタックル。悠羽輝はそれをディフェンスして打撃戦に持ち込む。
悠羽輝の右に右フックを返す中西。何度も両足タックルに入って悠羽輝をロープやコーナーに押し込む。そして自陣コーナーでテイクダウンを奪い、パンチをコツコツと落とす。ここも背中を見せて立ち上がる悠羽輝だが、中西にバックコントロールされる。最後は中西がリング中央で悠羽輝をテイクダウンしたところで試合終了となった。判定はジャッジ5名とも中西を支持。中西が2度目の防衛に成功した。
▲岸本泰昭(左)と菊野克紀(右)の一戦はドローに
▼第10試合 ライト級(70.3kg以下) 5分3R
○菊野克紀(ALLIANCE/元DEEPウェルター級王者)
判定3−0
●岸本泰昭(総合格闘技道場コブラ会/DEEPフューチャーキングトーナメント2008ウェルター級優勝)
※判定1−0のドローと裁定されたが、後日菊野の判定勝ちに変更
6月の後楽園大会で北岡悟に敗れた菊野と、中村大介に敗れた岸本が激突。ライト級の生き残りをかけたサバイバルマッチとなった。
1R、菊野は以前のサンチンの構えとも、最近の両手を下ろした構えとも違い、腰の辺りで両拳を構える。いきなり岸本がパンチから組み付き、菊野が両脇を差す。岸本も左腕を差し返すが、菊野が足を払ってテイクダウン。
菊野は少しパンチを落として立ち上がる。ノーガードで前に出る菊野。岸本はそこに右のカウンターを狙う。
菊野が組み付いて岸本をテイクダウンする。岸本は下から菊野に掌底を入れて、アームロックを仕掛ける。菊野が上のポジションを取り、少し落ち着いてから立ち上がる。サウスポーに構える菊野。
岸本は右を蹴って、飛びヒザ蹴りからタックルで組み付くが、菊野は倒れない。菊野は左右のフック、岸本も左フックを狙って組み付く。
2R、サウスポーの菊野が左ストレートを打つと岸本も右ストレート。コーナーで組み合うと、菊野がコーナーに詰める。
離れ際に右ハイキックを蹴る岸本。菊野の左が岸本の顔面をとらえ、岸本はタックルに入るが菊野は倒れない。逆に岸本のタックルを切った菊野は岸本のバックに回り込んでポジションをキープ。
岸本も何とかタックルに入り、菊野は立ち上がって距離を取る。組み付いてテイクダウンを狙う岸本だが、菊野はトップポジションをキープ。岸本が膝十字を狙うと、菊野は岸本の後ろについてパンチを入れる。残り10秒、菊野は距離を取ってサッカーボールキックを蹴った。
3R、サウスポーの菊野が左ミドル。岸本はタックルから引き込んで、ラバーガードからオモプラッタ。これを抜かれた岸本はすぐにタックルに入るが、菊野は倒れない。スタンドに戻ると岸本が右ミドル、菊野が左ストレートを返す。菊野の左ミドルに岸本が左フック。岸本の片足タックルは菊野に潰される。
立ち上がった岸本はバックブロー。菊野が左ミドルを蹴ると、岸本が左フック。尻餅をついた菊野に岸本は右のサッカーボールキックを蹴る。
タックルに入った岸本。菊野がそれを潰してバックを取るが、岸本はすぐに正対してグラウンドで上のポジションを取る。
立ち上がろうとする菊野の動きに合わせて、岸本は菊野のバックへ。しかし菊野も立ち上がる。最後はスタンドの攻防で試合終了となった。判定はジャッジ1名が菊野を支持したものの、残り2名は差をつけず。試合はドローに終わった。
大会終了後、佐伯繁DEEP代表はこの試合の判定について糾弾。「ドローはありえない。後日、ジャッジとVTRを見て検証します。判定が覆る可能性もある」と、VTR検証を行うことを発表。さらに、「微妙なドローが多かったので、今後はマスト(必ずどちらかに優劣をつける)にするか、それともフルラウンド戦って決着がつかなかった場合は判定なしでドローにするか検討したい」と、ルールそのものが変わる可能性も示唆した。後日、菊野陣営の抗議により、DEEP主催者はDEEP審判団と協議を行い、菊野の判定勝ちに変更となった。
★第9試合(昇侍vs木キム・ホジュン)、第8試合(DJ.taiki vs 北田俊亮)、第7試合(中村大介vs伊藤崇文)、第6試合(大塚隆史vs直撃我聞)〜第1試合の試合結果はこちら
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