UFC2年目となった昨年は1勝1敗の戦績を残した長南。12月のブラックバーン戦では敗れはしたものの、左ミドルで相手の右腕を破壊し、縦ヒジで顔面を切り裂くという長南らしさを存分に発揮した。あとは長南に必要とされるものは結果だけ。ここ数年はアメリカに活動の拠点を置き、アメリカのMMAに触れてきた長南が競技的に見たUFC、そしてUFCで勝つためのスタイルを語った。
長南亮(ちょうなん・りょう)
1976年10月8日、山形県出身
第3代DEEPミドル級王者。空手をベースにU-FILE CAMPで総合格闘家としてのキャリアをスタート。
DEEPやPRIDE武士道で活躍し、現UFCミドル級王者のアンデウソン・シウバにも一本勝ちを収めている。
05年秋からアメリカのチーム・クエストでの練習を開始し、昨年11月のカロ・パリシャン戦でUFCデビューを果たす。ここ数年はアメリカを中心に活動してきたが、今年は再び日本に拠点を移す。
身長175cm、通常体重83kg
Team M.A.D./Team Quest Japan所属 |
■ジュカオン戦は分かる人には分かる試合だったと思う
――まず2008年の話から振り返ってもらいたいと思います。第1戦は6月にイギリスで決まっていたジュカオン戦だったんですが、残念ながら長南選手の負傷でこの試合はキャンセルになりましたね。
「はい。6月くらいに怪我をしてしまって。今までのように勢いで試合をしてもよかったんですけど、自分の実力を出せずに負けるのは嫌だし、それじゃあ納得できないじゃないですか。そこでキャンセルという道があるんであれば、無理をせずにキャンセルという選択をするのも、応援してくれる人の期待に応えられるんじゃないかと思いました。ただ焦りはありましたよ。格闘技的にもそうだし、経済的にも」
――結果的に約1年のブランクがあいて、9月にジュカオンとの再戦を迎えたわけですが、あの試合は絶対に負けが許されない試合だったと思います。
「もちろんそれはありましたけど、俺の中では1年近く試合が空いたことのプレッシャーの方がありました。試合感覚が鈍ることへの不安ですよね。実際にあの試合も序盤は固かったと思うし」
――でもそんな中でもDEEPで対戦した時にはタックルを取られ続けていたのが、この時は全部切ってました。
「はい。動きは固かったんですけど、その中でもタックルは全て切れていて、俺も成長しているんだなと感じることが出来たんです。それが後の試合展開につながった部分はあります」
――日本人選手が海外で試合をする時、判定が拮抗したクロスゲームを落とすことが多いじゃないですか。でも長南選手はスプリットでも勝ちをもぎ取りましたよね。
「伝わりにくい試合だったのかもしれないけど、分かる人間は(自分とジュカオンの差が)分かる試合だったんでしょう」
――逆にジュカオンのような全く違うタイプの相手だったからこそ、長南選手の苦手分野の成長が見れた試合だったとも感じました。
「だから欲を言えば、俺が自分からテイクダウンを取りに行っても良かったのかなとも思います。打撃で倒そうとしたからああいう展開になりましたけど、レスリングもずっと練習してきているし、そういう技術を俺も出来るんだぞというところを見せてもよかったかもしれない」
――試合に勝った瞬間は喜びよりもホッとした気持ちの方が大きかったですか?
「そうですね。俺にとっては完全にアウェーだったし、あの試合展開では負けた可能性もあるなと思ったんで、ホッとしましたね」
長南亮インタビュー内容
■ジュカオン戦は分かる人には分かる試合だったと思う
※以下GBR会員の方のみご覧になれます。
■ブラックバーン戦で感じたラウンドマストシステムの難しさ
■ようやくMMAでキックボクシングの技術を出せるようになった
■自分がアメリカで学んだことを日本に広げていきたい
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