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 人気テレビ番組「あいのり」に“ボクサー”の愛称で出演、スマトラ島からラブワゴンに乗って旅をした入沢氏は元プロボクサーでA級トーナメントにも出場し、日本ライト級3位にまで上り詰めて将来を期待される選手だった。病気のため夢を諦めなければならなかったが、現在は俳優業を続けながらクロスポイント吉祥寺でボクシングを教え、若い選手たちの夢を後押ししている。

入沢勝(いりさわ・まさる)
1977年1月6日、群馬県出身
身長180cm
元プロボクシング日本ライト級3位
人気テレビ番組『あいのり』に“ボクサー”の愛称で出演
現在はクロスポイント吉祥寺&スクランブル渋谷で
ボクシングのトレーナーとして後進の指導にあたる
得意技は全てのパンチと三角絞め
好きな選手はヒクソン・グレイシー

■ボクシングを引退してからは荒れ果てた日々を送っていた

ーー元プロボクサーである入沢さんが、クロスポイント吉祥寺でボクシングを教えることになったきっかけは?

「俺、茨城でボクシングをやっていたんですけれど、引退した後に身体を動かすため茨城にあったクロスポイント古河に通っていたんです。そこで山口元気さんと出会って、プロの選手にボクシングを教えてくれってずっと言われていたんですね。その時、俺は芝居で役者をやっていたので、芝居があるからって断っていました。

 それで『あいのり』のオーディションを受けたら受かって、いろいろ仕事が入ってくるようになったので東京へ出て来ることになったんですよ。そうしたら山口さんから『東京へ出て来るんだったらいつでも好きな時に練習に来てよ』と言われて、撮影前とかに練習していたんです。

 その後スクランブル渋谷が出来た時に、そっちで週1回ボクシングを教えないかって話が来たので教えるようになって、そうしたら今度はクロスポイントが大きくなるからそっちでもプロに教えてくれないかって話になり、教えることになったんです」

ーーということはある意味、『あいのり』がきっかけだったんですね。

「まあまあ(笑)。もう6年以上も前の話ですよ」

ーー『あいのり』では最後、どうなったんですか?

「自分はリタイヤです。おじいちゃんが危篤になってしまい、帰って来ました。俺が世界チャンピオンになるって言ってボクシングを始めてから、ずっと応援してくれていたのがおじいちゃんだったんですよ。

 元々、なぜ『あいのり』に出ることになったのか説明すると、プロボクサーになったけれど目も悪かったし、心臓も壊して、会長といざこざがあって……というのが重なって、じゃあボクシングを辞めようということになったんです。そこからはもう荒れた日々だったんですよ。喧嘩ばっかりしていて。その時に付き合っていた彼女が、エネルギーが有り余っているんだろうからクロスポイントに入りなさいと言うので、キックボクシングとか柔術をやって発散したんです。

 でも、それでも収まらなくて(苦笑)。今度は蹴り技と絞め技も覚えたものだから、もう呑みに行ってはバンバン蹴り倒して投げ飛ばしてどうしようもなかったんですよ。誰でも構わずやっちまって。この人はこれではマズイってので、彼女が毎日カウンセリングするんです。どうしたいんだって。本当は世界チャンピオンになりたかったんだけれど、松田優作とかブルース・リーが好きだったとかいう話をしたら、“じゃあ、チャンピオンになれなかったんだから俳優になればいいじゃない”と言われて。

 もう26歳だったから遅いよって言ったんですけれど、彼女が出していたオーディション用紙が事務所の審査を通って、そこへ行きなさいと言うから行ったら面接でも合格して。それで芝居を始めたらこれが面白くて、喧嘩もピタッと止まったんですよ。

 その頃、じいちゃんがガンになってもう1年もたないって聞いていたんですが、芝居なんてすぐに売れる世界じゃないし、どうしようかなって思っていたら『あいのり』の話が来たんです。何でもいいからとりあえずテレビに出ているところを見せたかったので、オーディションに行ったらなんか受かっちゃって。

 本当に面白かったですよ。オーディションに行ったら“歴代のメンバーで誰がいいですか?”と聞かれて『見たことがないから分かりません』と答えて。それで“何でキミはココへ来たの?”と聞かれて『テレビに出たいからです』と。そんなのでオーディションに受かっちゃったから、ラブワゴンに乗ったら乗ったでかなり女の子に反感買っちゃって、つらい旅でしたよ(笑)。その矢先にじいちゃんが危篤になってしまい、1ヵ月半くらいで帰ることにしたんです」

ーー今も役者活動は続けているんですか?

「はい。去年は舞台をやったり。知り合いの舞台にちょいちょい出ているんですけれど、ここでボクシングを教えていたら教え子がかわいくなっちゃって。芝居の仕事があっても、これだけ大事な選手の試合があるのに何週間も空けてしまうのはちょっとなと思って、スケジュールをずらしたり断った仕事もあります。

 上手く両立できたらいいなって思いますね。芝居も面白いけれど、選手は同じ夢を追っている人間じゃないですか。こいつらも見捨てられないじゃないけれど、ずっと見ててあげたい、誰か一人くらいはチャンピオンになって欲しいというのがあるから、出来る限り傍にいてあげたいというのがありますね」


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入沢勝インタビュー内容
■ボクシングを引退してからは荒れ果てた日々を送っていた
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世が世ならアウトサイダーに出ていた!?
■キックボクサーはパンチが伸びない、その理由は……

      
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