4年に一度の空道(くうどう)世界大会、国際空道連盟/大道塾総本部『第三回世界空道選手権大会』が、今年11月14日(土)15日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される。今回は第二回の40カ国をさらに上回る過去最多の58カ国が参加。史上初の2日間にわたる大会開催となった。今や母国日本をはるかに超える競技人口が存在するロシアを始めとして、強力な外国人選手を相手に日本代表メンバーは王座を獲得することが出来るか? 大苦戦が予想される最重量級(270+級)に出陣するキーナンに聞く。
キーナン・マイク
北斗旗全日本無差別2007年特別賞
北斗旗全日本体力別超重量級2008年秋優勝、2009年春準優勝
大道塾成田支部所属 |
■“混戦”がテーマ。あまりリスクを背負いたくない
ーーキーナン選手は日本語がお上手ですね。
「親父がアメリカ人でハーフなんですが、私は日本生まれの日本育ちなんです。むしろ英語が喋れなくて日本語しか喋れません(笑)」
ーー失礼しました。では、まず第三回世界大会の日本代表に選ばれたご感想からお願いします。
「光栄です。せっかくなので出られるなら出たいと思っていたので」
ーー今回が世界大会には初出場ですよね。第二回世界大会はご覧になりましたか?
「はい、観客として見に行きました。ロシア人が強いなという印象を受けましたね。でも、藤松(泰通)さんとか日本人がバリバリ勝っていたので、それも同時に凄いなと思っていました」
ーー外国人勢にはどんな印象をお持ちになりましたか?
「動きが止まらないというか、お見合いがなくガンガン行くイメージがあります。その中でもロシアは、特に重量級に関してはガンガン来ないイメージがあるんですが、ソツなく全部出来るという感じがしました。打撃はもちろんのこと、組んでも寝技をしっかりやっていそうなイメージ。だから隙がなさそうですね。オールラウンダーというか。日本人ですと打撃は凄いけれども転がしたら何とかなりそうという人も多々いますけれども、ロシアはみんなバランスがとれているような印象があります」
ーーキーナン選手もロシアを最も警戒していますか?
「私の階級は一番重い(最重量級の270+級)ので、ロシアではなくヨーロッパの全然知らないような化け物がいるんじゃないかとビビっています。こんなヤツがいるのかって選手が出てきそうなので、ロシアもそうですが全然情報のないヨーロッパ勢も嫌ですね」
ーーそういう相手とどうやって闘っていきたいと思っていますか?
「私はどうしても相手に合わせて闘ってしまい、どんな相手にもいい試合をしてしまうところがあるので、それをやってしまうと外国人が相手では常に実力差がある状態なので、判定でもあっ気なく負けてしまうと思うんですね。ですから今は自分の形をひたすら練習して、距離をとって近付いてきたら思い切り組んで寝技に持っていきたいなと考えています。私も寝技は大したことがないんですが、何とか混戦に持ち込めればな、と」
ーー打撃と寝技ではどちらの方に自信があるんですか?
「どっちかと言えば、私は打撃の印象があるようなんですが、自分的には寝技なんですよね。あまりリスクを背負いたくないので、なるべく打撃でやっているんですけれど、相手が“こいつは寝技が出来ないな”と思って隙を見せてくれた時に潜り込んで寝技でやっつける、というのが私のパターンです。まあ、けっこう姑息な闘い方です(笑)。思い切り組み技を嫌っておいて、組み技で行けば大丈夫だなと相手の気が緩んだところで思い切り巻きついて寝技でやるっていう省エネ作戦で行きます。体力がないもので(笑)。そういう姑息な手でやっていければと思っているので、それで“混戦”がテーマなんです。さすがに真っ向からやったら練習量も実力も、藤田(忠司)先輩ならともかく私では手に負えない相手が多いと思うので」
ーー随分と弱気ですね?
「いえいえ、そんなことはないです。何とか1回戦勝てればと思っています」
ーーそれが弱気です(笑)。寝技はどちらで練習されているんですか?
「成田支部でひたすら、階級もキャリアも違う仲間たちでやっています。私はベースとしてスポーツ会館でサンボを習っていたんですよ。足関節は弱すぎて捨てましたけれど、腕関節だけは少し出来るので、それだけです。何とかその形に持っていけるように寝技をやっているんですが、柔術の上手い選手を見ると齧った程度の寝技だなって自分でも思います(笑)」
ーーサンボはどれくらいやられていたんですか?
「1年ちょっとです」
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