9月4日(金)東京・後楽園ホールで開催されるシュートボクシング協会『武志道-bushido-其の四』で鈴木博昭と因縁の再戦を行うSB日本スーパーフェザー級王者・及川知浩(及川道場)。6月のチャンピオンカーニバルでタイトルマッチとして組まれていたが、鈴木が前日の公開計量で規定の体重をオーバーし、試合は急遽ノンタイトル戦へと変更された。鈴木にはタイトル挑戦権剥奪とファイトマネーの全没収。そして試合開始時レッドカード提示(減点1)のペナルティーが与えられたが、試合は鈴木が3Rに及川をKOするという結果に終わった。「このままでは自分自身が前にも後にも進めない。鈴木をタイトル挑戦者に指名させて欲しい」と及川本人が直訴したことで早くも再戦が実現。及川が静かにリベンジの時を待つ。
及川知浩(おいかわ・ともひろ)
1975年12月4日、大阪府出身
身長164cm、体重60.0kg
2000年4月7日、シュートボクシングでプロデビュー。白井真をKOした。
2002年9月22日、シュートボクシングで前田辰也をKOし、SB日本スーパーフェザー級王者に。
2003年7月4日、シュートボクシングで松浦知希にKO負けし初防衛に失敗
2004年6月4日、「シュートボクシング ∞-S〜infinity-S〜Vol.3」で松浦知希からリベンジ成功すると共に、SB日本スーパーフェザー級タイトルを獲得。
2005年9月19日、「IKUSA GP<−U60 SUPERSTAR☆Z TOURNAMENT>」の準決勝で全日本のエース・山本真弘に敗れる。
2008年4月4日、「シュートボクシング 火魂〜Road to S-cup〜其の弐」で石川剛司から判定勝利し、B日本スーパーフェザー級タイトルマッチで初防衛に成功
2008年12月23日「KING OF KINGS TOUITSU in KOBE」のトーナメント準決勝で新日本キックキック王者・石井宏樹に判定負け
通算戦績:36戦25勝(13KO)11敗
所属:及川道場 |
■「次こそは勝って、あの時は違う自分だったことを証明する」
――まずは、前回6月1日の鈴木博昭戦からから振り返って下さい。
「試合前から色々あったし、トドメは鈴木選手のウェイトオーバーということもあって、緊張の糸が途切れてしまいました。でもそこでしっかり対応するのがプロだと思うんですけど、その辺は自分の力不足だったと思います」
――すぐにでも鈴木選手と再戦したいというのは、及川選手の方から要求されたんですか?
「そうですね。僕はあんなもんじゃないし。カッとなると、すぐに我を忘れてしまうことがあるんです。しっかりした精神状態の中で闘えば、絶対に負けないと思っています。今後、彼にペナルティーが科せられ、何年間試合停止とかになれば、正直そんなに待てないので、『今すぐにやらせてくれ』と(シュートボクシング)協会に頼みました」
――実際に闘った鈴木選手の印象はどうでしたか?
「パワーもスピードがありました。何よりも勢いがあるとは感じました。将来的にSBを背負う選手なんだろうなと闘いながら冷静に考えてましたね」
――試合前には激しい舌戦がありましたが、鈴木選手のことを甘く見ていたというのはありませんか?
「それはないですね。試合においてそういうふうに思ったことはありません。ただ自分が負けない、勝つという思いはやる前もやった後も何も変わってないです。ただ自分はプロなので出た答えをしっかり受け止めて、負けは負けとして受け止めます。次こそはしっかりと勝って、あの時は違う自分だったということを証明したいです」
――今度こそ勝てる自信というのはありますか?
「そうですね。試合前に色々とあったので自分の精神状態が普通じゃなかったんです。どんな不利や過酷な状況であっても、そういうのを飲み込んで受け入れた上で普通の精神状態で今回はやりたいです」
■「二階級上の選手とバチバチのスパーリングをこなしてきた」
――前回の試合から強化した部分はありますか?
「思ったよりもパワーがあると感じたので二階級ぐらい上の選手と練習しました。あと、自分は歳を取ったので今まではスパーリングを控えめにしてきたんです。今回は練習からバチバチやってきているので、そういうのが活きてくると思います。若い頃はガンガン打ち合っていたんですけど、今は怪我しないようにという前提がありました」
――具体的に何ラウンドぐらいやっているんですか?
「普通に1回のスパーリングで10ラウンドはやっていますよ」
――今キックの60kgが凄く盛り上がっていますけど、他団体の動きは気になりますか?
「前回負けているので、あまりそういうことは言えない立場です。今は鈴木選手しか見えていないのが正直な気持ちです」
――Krushトーナメントが開催されていますけど、全く関係ないと?
「前回の負けがホンマに悔しくて眠れなくて、生きてる感覚がしなかったんです。早くどうにかしたいという感じでした。やられたことをしっかり返さないと、前に進めないし、後ろにも下がるにも下がれません。勝とうが負けようが、次に出た答えが全てだと思います。それが今の及川の現状だと思います。負けに行くつもりはさらさらないし、ここでやらないと僕が僕ではいられませんね」
――ここまで悔しかったことは今までの試合でありましたか?
「ありますね。石川(剛司)選手とのタイトルマッチ(2006年5月26日)の1日前に相手が急にタイ人(ラジャサクレック・ソーワラピン)に変わったんです。カッカカッカしていたところ、開始50秒で相手のヒジで頭割られて負けました。
怒るというのはよくないなと思いましたね。闘いの中ではいかに冷静でいるかが重要だと思います。あの時と同じ思いです」
――“絶対”とはいいきれませんが、もし今回もまた鈴木選手が減量オーバーだったらどうしますか?
「かっこ悪いのは鈴木君本人ですけど、次やるとシュートボクシングが興行として団体として疑われると思うんです。『そんな無理な減量をさせて、そこの階級にいさせたいの?』と思いますね。鈴木君は通常でも70〜80kgくらいあるらしく、20kgぐらいの減量をこの夏で落とせないのであれば、それは無理ですからね。まあ、オーバーしてきてもいいので僕は冷静にいくだけです」
(2009年8月22日、「シュートボクシングGirls
S-cup前日会見」終了後にて収録)
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