UFCで日本人選手の苦戦が続く中、7勝1敗という結果を残している岡見。昨年12月以降、怪我により試合から遠ざかっていたが、10月24日「UFC104」チェール・ソネン戦で復帰戦が決定。アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラVSランディ・クートゥアが行われた「UFC102」のWOWOWテレビ放送にて、ゲスト解説を務めた岡見を収録後にキャッチ。この大会の感想と次戦に向けての意気込みを聞いた。
岡見勇信(おかみ・ゆうしん) 1981年7月21日、神奈川県出身 身長188cm、試合体重84kg 格闘技のバックボーンは柔道、高校卒業後に慧舟會に入門 第4回PRE-PRIDEで優勝し、2002年にプロデビューを果たす DEMOLIITONやパンクラスを中心に活躍し、2005年からD.O.Gを主戦場とする 2006年に行われたROTRウェルター級トーナメントではアンデウソン・シウバ、 ジェイク・シールズといった世界の強豪とも対戦 2006年8月26日、UFCデビュー戦でアラン・ベルチャーに判定勝利 カリブ・スターンズ、ローリー・シンガー、マイク・スウィックを破り4連勝を飾る 2007年6月16日、元UFCミドル級王者リッチ・フランクリンと対戦するも惜敗 しかしその後は3連勝で、ここまで7勝1敗の成績を残している 2009年10月24日、「UFC104」でチェール・ソネンとの対戦が決定 通算戦績:23勝4敗 和術慧舟會東京本部
所属 | ■ノゲイラ選手はPRIDE時代の動きが戻ってきたと思う ーーメインイベントのアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラVSランディ・クートゥアの試合を見て、率直にどんな感想を持ちましたか? 「クートゥア選手もノゲイラ選手もすごく動きが良かったんじゃないかなと思いました。クートゥア選手は46歳なんですけど、その年齢であの体は純粋に凄いなと思うし、今日の試合は気持ちも入っていて刺激を受けました。ノゲイラ選手も、僕は前回のフランク・ミア戦を生で見ていたのですが、その時はちょっと体が重そうな感じがしたんですよ。でも今日はグッドシェイプになって体つきも変わっていました。動きにスピードがあってPRIDE時代の動きが戻ってきたんじゃないですかね。またノゲイラ選手の全盛期の動きを見ることが出来て個人的にはうれしいです」 ーーノゲイラ選手がスタンドのパンチでダウンを奪い、そのまま有利に試合を進めるという展開になりました。岡見選手はどんな試合を予想していましたか? 「打撃戦になるのかなと思っていました。ただ予想以上に殴り合っている場面が多かったと思います。そこは2人のプロ意識が素晴らしいなと感じました。技術的にはノゲイラ選手の方がリーチもあって体も大きいので、常にノゲイラ選手の距離で試合が進んでいたと思います」 ーーノゲイラ選手はUFCで苦戦が続いていましたが、今日の試合はUFCでのベストバウトと言ってもいいような試合だったと思います。 「僕も今日のノゲイラ選手はすごく良かったと思いますよ。動きにスピードもあって、これまでのUFCでのノゲイラ選手とは全く違っていたと感じました」 ーー試合後にノゲイラ選手はタイトル挑戦をアピールしていました。岡見選手の目から見て、今日のノゲイラ選手であれば王者ブロック・レスナーが相手でも勝機はありますか? 「僕は面白い試合になると思いますね。個人的にノゲイラ選手はレスナー選手と相性がいいと思うんですよ。もしノゲイラ選手がテイクダウンをされて下になっても、レスナー選手の圧力を逃がしながら上を取ることも出来ると思いますし。打撃でも今日のノゲイラ選手を見る限り、レスナー選手が相手でも大丈夫だと思います」 ーー今日は岡見選手と同階級ではネイサン・マーコートVSデミアン・マイアの一戦が行われました。ここまでUFC無敗のマイア選手が秒殺KO負けという結果に終わりましたが、岡見選手はこの試合をどうご覧になりましたか? 「僕は試合前もっと長引く展開になるだろうなと思っていたんですよ。でもそこでマーコート選手の狙い済ました右ストレートが当たりましたね。マイア選手が良くなかったというよりも、マーコート選手が凄かったという印象です」 ーー以前から岡見選手はマーコート選手のことを高く評価されていましたよね。 「そうですね。ずっと凄い選手だなと思って見ていたんですが、最近はスピードもパワーもあって、より穴がない選手になってきたなと思います」 ■この10カ月で溜めに溜めた力を次の試合で出したい ーー岡見選手も10月24日「UFC104」で怪我からの復帰戦が決まっていますが今はどういった心境ですか? 「怪我も治って10カ月ぶりの試合になるので、今まで溜めに溜めた力を次の試合で出したいですね。そこで自分というものを確立して試合に出したいと思います」 ーー怪我の治療もあったと思うのですが、実戦的なトレーニングはいつ頃から再開されたんですか? 「7月過ぎからです。ただ怪我で休んでいる間もフィジカルトレーニングを集中してやっていましたし、その成果も出てきているんですよね。だから怪我があったにせよ、それが良い方向に進んでいると思います。怪我で試合をキャンセルした時は辛い気持ちでしたけど、今考えると良かったのかなと感じています」 ーー対戦相手のチェール・ソネン選手に対してはどんな印象を持っていますか? 「打撃が出来てタックルも上手い。パウンドとヒジ打ちを中心に攻めるUFCらしい分かりやすいスタイルの選手だと思いますね。でもそういう選手に完勝して自分の実力を確かめたいです」 ーーソネン対策も含めてどういったことに力を入れて練習しているんですか? 「全局面での練習はしているんですが、ソネン選手はレスリングが強い選手なので、まずはしっかりとレスリングをやっています。その上で打撃がキーになってくると思っているので、そこを磨いています」 ーー岡見選手のいるミドル級もかなり層が厚くなってきたと思います。ソネン選手は強敵ですが、しっかりと勝ってタイトル挑戦をアピールしたいという気持ちはありますか? 「今日の大会でもアンダーカードで強い選手が出て来ているし、ミドル級の選手層はかなり厚くなっていると思います。だから誰が相手でも厳しい試合になると思うんですよ。ソネン選手も強くていい選手ですが、逆にそういう相手に完勝すれば自分をアピール出来るし、そうしたいと思っています」 ーーありがとうございました。 (8月30日、「UFC−究極格闘技−」ゲスト出演後、WOWOW辰巳放送センターにて収録) |