キックボクシングだけでなく、総合、散打、ミャンマー・ラウェイとルールにこだわらず闘い続ける“格闘バガボンド”寒川直喜。10月12日(月・祝)東京・新宿FACEで開催されたKrush実行委員会『Krush-EX
〜Innocent Fighter〜』では、自身のブログで対戦要求している“ブログキング”高瀬大樹の教え子を撃破し、リング上で本人を前にして改めてアピールした。因縁の対決はあるのか。
寒川直喜(さむかわ・なおき)
1980年7月12日生
180cm、75kg
2005年9月21日、J-NETWORKミドル級王者山内哲也に挑戦し、判定勝ちで王座を獲得
2007年7月26日、「DEEP GLOVE」で総合デビュー
2009年1月18日、「ムエローク」のM-1ライトヘビー級王座決定戦でロッタン・フェアテックスに3RTKO勝ちを収め、初代ライトヘビー級王座を獲得。
所属:バンゲリングベイ・スピリット
戦績32戦21勝8敗3分
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■高瀬がマッハ戦を要求、「オレが黙っているわけにはいかない」
――鷹文戦が終わったばかりですが、試合から振り返って下さい。
「思いっきり倒しにいくか、自分らしく闘うのかに迷いがあって中途半端な内容になったかなと。もう少し勇気を出していかないと、もうKrushのリングには上がれないなと思いましたね」
――戦前の作戦はどういうものでしたか?
「作戦はないですけど、とりあえずジャブを当ててそこから見えてくる隙を突いていこうと思っていました」
――3R目は少しきつそうな闘い方に見えました。
「いや、全然スタミナは余裕でしたよ。今、竹山晴友(極真・第16回全日本空手道選手権準優勝&初代MA日本キックボクシング連盟ミドル級王者)さんのところに弟子入りしていて、極真魂を注入してもらっています。そこでの練習と試合を比べると練習の方がきついので、スタミナ面では余裕でした。ああいうふうに打たせるスパーリングをしていて、その癖が試合で出てしまいましたね」
――試合後には、以前から対戦をアピールしていた高瀬大樹選手とのマイク合戦もありました。
「(高瀬が)会場に来てるということは向こうも意識しているということなので、それに応えただけです。向こうも試合をしたがってるみたいですよね」
――いつ頃から高瀬選手と試合したいと思うようになったんですか?
「高瀬選手が桜井“マッハ”速人さんに対戦をしつこく迫っている時期がありましたよね。マッハさんと飲む機会が最近あったんです。今でもマッハさんとは師匠と弟子みたいな関係で僕は指導してもらっているので、そういう話になると黙っているわけにはいかないですよ」
――高瀬選手は「なんでキックルールでやらなきゃいけないの?」と総合での対戦を希望している様子でした。寒川選手はタックルを切る練習をしているということですが、キックと総合のどちらのルールでやりたいですか?
「いや、全然どっちでもいいですよ。でもここはKrushのリングなので、ここで試合させてもらっている以上は、ここのリングに(高瀬を)上げたいという思いはあります。キックルールでやってそのままで終わるわけにはいかないので、もちろん総合ルールでもやるのが筋だと思っています。今、ガッツマン修斗道場にお金払ってまた行かせてもらっていて、原点回帰というか自分のきつかった頃を思い出してやり直しているところです。早速、タックルを切る成果が出ていますよ」
――高瀬選手とは体重差の問題がありますが、ご自身ではどのように考えてますか?
「いや、うちはヘビー級の選手が多いんですよ。ニコラス(・ペタス)さんやKOICHIさんとかでかい黒人とかと普段はスパーリングしてるんです。実際この前、自分は中国での90kgトーナメントに出ています。ぶっちゃけ相手が100kgぐらいだったら闘えると思います」
――もし試合するなら何kgで試合に出られるんですか?
「このままの80kgで出ますよ。基本的に体重差を気にしてません。昔、チェ・ホンマン選手とスパーリングをやったぐらいですから」
――高瀬選手に先ほど直撃インタビューしたら「85kgぐらいまで絞ってもいい」と言われてました。
「いや、Krush無差別級を作ってもらった方がいいんじゃないですか? その方が異種格闘技戦っぽくて面白いかなと」
――実際にキックでの対戦が決まったらどういう試合をしたいと思いますか?
「触らせないで勝ちます。思いっきりフットワークを練習して、高瀬選手のストレスのたまる試合をしてやろうと思います」
■「来年はほとんど総合の試合をやっていこうと思う」
――寒川選手はキックボクサーなので、例えば、総合での対戦が実現したらヒジありのケージフォースでやりたいとは思いませんか?
「そうですね。総合でヒジありをやったことがないので、やってみたいです。しっかり練習して高瀬選手を引き込んで勝負できるぐらいになりたいですね」
――総合の試合をやるなら、あとどれぐらい準備期間が欲しいですか?
「来年はほとんど総合で試合していこうと思っています。ガッツマンの桜田直樹先生もこういう因縁のある試合が得意そうなので、勝利に導いてくれると思います」
――想定している舞台はあるんですか?
「まだ全然決まってませんが、総合でもタイトルを狙えるぐらいになりたいですね」
――DREAMや戦極といったビッグプロモーションでの試合も視野にいれていくと?
「そうですね。夢ですけど、ただ総合をやりながらもキックもしっかりやって両方で頑張っていきたいですね」
――ちなみにミャンマー・ラウェイの試合は予定にありますか?
「いつでもオファーがあれば、今からでも行ける覚悟はあります」
(2009年10月12日、「Krush」の大会終了後の取材で収録)
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