4年に一度の空道(くうどう)世界大会、国際空道連盟/大道塾総本部『第三回世界空道選手権大会』が、今年11月14日(土)15日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される。今回は第二回の40カ国をさらに上回る過去最多の58カ国が参加。史上初の2日間にわたる大会開催となった。今や母国日本をはるかに超える競技人口が存在するロシアを始めとして、強力な外国人選手を相手に日本代表メンバーは王座を獲得することが出来るか? 第二回世界大会では3位に入賞している笹沢に聞く。
笹沢一有(ささざわ・かずあり)
1984年8月2日、東京都出身
身長175cm、体重81kg
第二回世界空道選手権軽重量級3位
北斗旗体力別軽重量級2005年優勝、2008年春4位、2009年春準優勝
北斗旗無差別2006年3位
大道塾中部本部所属 |
■格闘技のことを考えている時間さえ割けないくらい
ーー笹沢選手は早稲田大学(以前は早稲田準支部所属)を卒業して就職し、中部本部の方に移られて練習環境などもだいぶ変わったんでしょうね。
「学生時代と比べたら練習時間がガクッと減りましたね。その分、考えて練習しないといけないと思っています」
ーーこのインタビューも夜11時近くにやらせていただいているわけですが、仕事の方がかなり忙しいようですね。
「そうですね……確かに(笑)」
ーー東京海上にお勤めのエリートサラリーマンですからね。どんな仕事をされているんですか?
「損害保険なんですが、代理店の管理や営業をやっています」
ーーそれで1日どれくらいの練習時間がとれているんですか?
「1日ですか? その前に、まず練習出来る日が何日あるのかって話なんですけれど(苦笑)。練習が出来る時は2〜3時間ですかねぇ。それを週1か週2で」
ーー週1か週2で!? 一般の生徒さんより少ないんじゃないですか! それでよく2008年春の体力別で4位、今年春の体力別で準優勝という好成績を残せましたね。
「いやぁ、もうそんなもんなんです」
ーーその練習時間の少なさをどうやって補っているんですか?
「試合前は週3くらいやれるかなって感じなんですが、考えてやるしかないですね」
ーーどんな工夫をされているんですか?
「普通の選手よりもいろいろと考えていると思います。メニューは自分たちで考えたりしますし。あと自主練はしています。道場での練習がない日に近隣の道場から若者を集めて、一緒にやったりしています」
ーー仕事が忙しくて練習時間がとれない選手は、i-podに映像を入れて移動中に見て研究したりするそうですよ。
「ああ、イメージトレーニングですね。でも実はi-podを見る時間もあるかないかくらいなんです……。強いて言うなら移動時間に練習メニューを考えるくらいですかね。本当に時間的には、格闘技のことを考えている時間さえ割けないくらいなんです」
ーーう〜ん、想像以上ですね。そんな状態で世界大会を迎えるのは不安ではないですか?
「そうなんですよ。確かに仰るとおりです。でも去年、北京オリンピックの特別種目で散打の大会があり、そこに出させてもらったんです。その時も全然練習時間がとれないままに臨んで、ノイローゼになりそうなくらいだったんですけれど、そういう経験があるので今回はあまり過敏になりすぎず、焦る自分の気持ちをコントロールすることが出来ています。それでも本当にヤバイ……
|