9月4日(金)東京・後楽園ホールで開催されるシュートボクシング(以下、SB)『武志道-bushido-其の四』にて、日本人では初めて“ムエタイの破壊王”ボーウィーと対戦する宍戸。この超強豪を前に、宍戸は「全てを総動員して最後のつもりで試合に臨みたい」と悲壮な決意を打ち明けた。
宍戸大樹(ししど・ひろき)
1977年3月16日、福島県出身
身長174cm、体重69.3kg
少林寺拳法を経てシーザージム入門
1998年6月4日、プロデビュー
2001年9月25日、王座決定戦で坂口立起を破りSB日本ウェルター級王座を獲得
2002年7月28日、WMCインターコンチネンタルスーパーウェルター級王座を獲得
2004年9月19日、S-cup2004でリザーバーながら決勝戦へ進出、
アンディ・サワーに敗れるも準優勝を果たした
2005年3月6日、王座決定戦で菊地浩一を降してSB日本ウェルター級王座を獲得
2006年11月3日、S-cup2006準決勝で同門の先輩・緒形健一に敗れ3位に終わる
2008年11月24日、S-cup2008準決勝でアンディ・サワーに敗れ2度連続3位入賞
2009年6月1日、新設されたSB東洋太平洋ウェルター級初代王者となる
裕樹、オーレ・ローセン、イム・チビン、アンドレ・ジダ、マルフィオ・カノレッティ、イアン・シャファー、ジョーダン・タイ、TATSUJI、ビッグベンらの強豪を圧倒的な手数と自由自在のコンビネーションで高速乱打を決める“SB百裂拳”で破っている
戦績:52戦42勝(16KO)10敗
シーザージム所属 |
■今のスタイルをもっと突き詰めて総力戦のつもりで試合に臨む
ーーボーウィー戦が決まった宍戸選手ですが、VSムエタイの戦績を改めて見直すとそんなに分は悪くないですね。
「今まで4度対戦しましたが、チャンプアック・チョーセパサート(佐藤嘉洋をTKOで破ったWMTA世界スーパーウェルター級王者=2004年11月5日に対戦して4R2分15秒、KO勝ち)、ビッグベン・ケーサージム(緒形健一を1RでKOしたラジャダムナンスタジアム&WMC世界スーパーウェルター級王者=2007年10月28日に対戦して判定勝ち)には勝ちました。意外とムエタイ系のサウスポーは自分にとって苦手な対象ではないんです。
テーワリットノーイ・SKVジム(元ラジャダムナンスタジアム認定ジュニアフェザー級&WMC世界スーパーライト級王者=2003年4月13日に対戦して判定負け)、ブアカーオ・ポー.プラムック(2006年9月4日に対戦して1R15秒でKO負け)には敗れています」
ーー今回対戦するボーウィーにはどんな印象を持っていますか?
「過去に闘ってきた選手とは比較にならないほどのプレッシャーで前に出て来る、本当に突進型のファイターなので、それに対して自分がどう動けるかですね。向こうはボーウィーというスタイルがあるので、それと自分のスタイルがぶつかった時にどれくらい盛り上がるかという勝負になると思います。
こういう相手だから特別にスタイルを変えるというのではなく、今のスタイルをもっともっと突き詰めて総力戦のつもりで試合に臨みたいと思います」
ーー聞くところによると、KO勝ちも多いけれどKO負けも多いそうですね。
「おそらくTKOだと思いますね。ヒジで切られて。でも、ヒジで切られても血を舐めながら前へ前へと進んでくるくらい気持ちが強いらしいです。タイではそういうタイプはバカなヤツと呼ばれるらしいんですが、でも強いヤツということで有名だそうですよ。そういうタイプは日本でもウケるでしょうね」
■どれだけ自分のスタイルを信じて最後まで貫き通せるか
ーーそういう選手に対して、宍戸選手はどう闘うつもりですか?
「僕が今までやってきたムエタイの選手は、蹴りよりもパンチが強いというタイプが多かったので、基本的にはボーウィーも変わりません。結果的に今までは僕が動き回って相手を疲れさせ、後半に勝負をかけるというスタイルで勝つことが出来ました。ムエタイの選手は何でも出来るので、こっちが優っているものは本当に少ないと思うんです。唯一、勝っているのは機動力というかスタミナですね。
キャリアも向こうの方が自分なんかの倍くらいありますから、ムエタイを相手にする時はとにかく動くこと。一貫して動いて疲れさせて、後半に勝負をかけるという自分のスタイルで闘うしかない。自分のスタイルは固まってしまっているので、それをどれだけ貫けるかという勝負だと思います。
本当に強い選手とやる時というのは、ちょっと戦法を変えたところでどうせボロが出てしまうでしょうし、自分が今までやってきたことしか出せないんですから、どれだけ自分のスタイルを信じて最後まで貫き通せるかという勝負だと思います」
ーー言葉から今回の試合に懸ける意気込みが感じられます。どういうテーマをもってボーウィー戦に臨みますか?
「今回の大会のテーマでもありますが、“仇討”(あだうち=リベンジ)。自分としてはVSムエタイで植え付けられた傷(ブアカーオ戦)を払拭する最後のチャンスだと思っています。今まで培ってきたこと、これから積み上げること、今までやってきたこと全てを総動員して最後のつもりで試合に臨みたいと思います」
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