8月8日(土)東京・ディファ有明で開催されるパンクラス『PANCRASE 2009 CHANGING TOUR』にて佐藤豪則(Laughter7)を相手に防衛戦を迎えるミドル級キング・オブ・パンクラスの竹内。年齢にして10歳、戦績にして24戦も差がある若い佐藤との対戦を前に、竹内はベテランらしい言葉で静かに意気込みを語った。
PROFILE
竹内出(たけうち・いずる)
1974年8月5日、岡山県出身
身長180cm、体重90kg
レスリング、柔道、サンボがバックボーン
1998年7月18日、修斗でプロデビュー、佐々木有生に判定で敗れる
2002年10月29日、パンクラス初参戦でネイサン・マーコートに判定勝利
2003年3月8日、タイトルマッチでマーコートと再戦するもKO負け
その後、マーコート、中西裕一を相手に2度のタイトルマッチを経験するが王座獲得ならず
2007年11月28日、中西にリベンジを果たして、4度目の挑戦でミドル級王者となる
戦績:26勝10敗6分
第7代ミドル級キング・オブ・パンクラシスト
SKアブソリュート所属
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■今回の防衛戦は勝たなきゃいけない試合だと思う
ーー試合に向けてのコンディションはいかがですか?
「いつも通り、やるだけのことをやりました。もう試合直前なので、あとは体重を合わせて調整するくらいです」
ーー最近の選手は直前に体重を落として、一気に体重を戻す方法を取っている選手もいますが、竹内選手はどのように調整しているんですか?
「自分の場合は一気に体重を落としたりはしないですね。試合が決まった6月頃から体重を気にしながら落としているんで、直前に体から水分を抜いたりはしません。この時期に水を抜くと暑くて怖いですしね」
ーー竹内選手は試合が決まるとどのようなスケジュールで試合まで練習するんですか?
「試合の一カ月前から追い込むような練習をして、試合の一週間前まではガンガンやりますね。そこからスパーリングの本数を減らしながら練習するという感じです」
ーー今回の試合に向けてはどういったことを頭に入れて練習してきましたか?
「タイトルマッチで負けられない、パンクラスでの試合が久しぶり、そして若い選手と試合をする。色んなことがあって、そこで自分がどう動けるのかが楽しみです。そして試合を楽しんだ上で勝ちたい。勝たなきゃいけない試合だと思います」
ーー防衛戦のプレッシャーはあまり感じていませんか?
「そうですね。防衛戦だから、という気持ちはないです。どんな試合も勝たないといけないですから」
ーー技術的な部分で特に力を入れてやってきた練習はありますか?
「特にはないです。どの練習も満遍なくやってきました」
■五味のジムで練習すると少ない本数でも疲れる
ーー竹内選手は週1で五味隆典選手のジムでも練習されているそうですが、いつ頃からどういう目的で練習するようになったんですか?
「五味が戦極に出るくらいからですね。1年近くは一緒に練習しています。五味のジムは打撃でもレスリングでも基本の練習が多いんですよ。自分はここ(SKアブソリュート)でも年齢が一番上で、自分から率先して基本練習をやることがなかったんです。でも五味のジムの選手たちは20歳くらいの若い選手ばかりで、思い切って基礎トレーニングをやることが出来ます」
ーー竹内選手は総合格闘家としてのキャリアは豊富ですけど、基礎的な練習は重要だと考えていますか?
「はい。基礎は大事な練習だと思います。五味のジムで練習すると、うちの若いやつの基礎のなさが分かります(苦笑)」
ーー五味選手ともスパーリングはするんですか?
「階級に差があるんで危ない練習はしませんけど(レスリングの)グレコだけ、フリーだけという形でスパーリングはします。五味のことは昔から知っているし、強くて厳しい相手です。五味もそうなんですけど、あそこのジム生とスパーリングすると気が抜けなくて、少ない本数でもかなり疲れますね」
ーー竹内選手は組み技のイメージが強いですが、打撃のトレーニングにも力を入れてやっているんですよね。
「やってますよ。打撃全般、パンチも色々な人に習っています」
ーーちなみにどちらで練習されているんですか?
「武心塾です(※五味も打撃を練習する空手の道場)。もう何年もお世話になってます」
ーー竹内選手はボクシングのスキルが高いように思いますが、ボクシング自体は好きなんですか?
「そうですね。最近はあまり見なくなりましたけどボクシングは好きですよ。好きな選手? たくさんいるんですけど、セレス小林(元WBA世界スーパーフライ級王者)は好きでしたね。総合格闘技なんで穴があったり、それが大きいほど勝てないじゃないですか。何でも出来るにこしたことはないと思うし、自分が目指しているのは全部の技術が出来る選手です。試合になるとグラップラーになっちゃうんですけどね」
■若くて勢いがある選手にきっちり勝てるかどうかを試したい
ーー試合が決まってから対戦相手の佐藤選手の映像は見ましたか?
「はい。映像でも見ましたし、生で何度か試合を見ています」
ーー実際に対戦相手として見た時にどんな印象を持っていますか?
「寝技が強くて、組技がアグレッシブだなと思います。グラップリングで試合を組み立てるタイプですよね」
ーーどういう試合展開になると予想していますか?
「それはちょっと分からないですね。佐藤選手はグラップリングも強いでしょうけど、打撃の練習もちゃんとやっていると思いますし。そこは実際に試合をやってみないと分からないですね」
ーー竹内選手はベテランの域に達していますが、若い世代の選手にはまだまだ負けたくないという気持ちはありますか?
「ありますね。年齢が上で体力が落ちているとは思われたくないし、すごい勢いではないけれど、まだまだ選手としての伸びしろがあると思っているんで」
ーー昨年は戦極のリングにも上がりました。パンクラスでしっかりとベルトを防衛して、もう一度、戦極のリングに上がりたいという気持ちはありますか?
「とりあえずは目の前の相手に勝つことを考えてます。佐藤選手は強敵だと思うし、連勝中で若くて勢いがある選手ですからね。そういう相手にきっちり勝てるかどうか。それを試しながら試合をしたいと思います」
ーーありがとうございました。
(2009年7月31日、公開練習終了後、新宿スポーツ会館にて収録)
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