4年に一度の空道(くうどう)世界大会、国際空道連盟/大道塾総本部『第三回世界空道選手権大会』が、今年11月14日(土)15日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される。今回は第二回の40カ国をさらに上回る過去最多の58カ国が参加。史上初の2日間にわたる大会開催となった。今や母国日本をはるかに超える競技人口が存在するロシアを始めとして、強力な外国人選手を相手に日本代表メンバーは王座を獲得することが出来るか? 大苦戦が予想されている重量級(体力指数−260級)の日本代表、山田に聞く。
山田 壮(やまだ・そう)
2008年第一回アジア大会重量級準優勝
北斗旗全日本体力別2008年春、2009年春重量級4位
大道塾関西本部所属 |
■“古い空手家”って言われたりすることがよくあります
ーー世界大会の日本代表になったことについてのお気持ちから聞かせてください。
「他の日本代表選手を見ると、私だけが北斗旗のファイナリストに残ったことがないと思うんですよ。以前、塾長にも総評で言われたことがあるんですが、今の空道の総合的な寝技であるとかが出来るほど器用でもないので、“古い空手家”って言われたりすることがよくあります。その私を代表に選んでいただけたのは、塾長にはリスキーなことというか、チャレンジをしていただいたと思っています。
でも逆に、自分はそういう風に言われることが嬉しいんです。いつも指導していただいているのも酒井修(1995年北斗旗無差別優勝)先輩であるとか、関西本部の辻村元伸師範代であったりと、古い空手家的な方が多いので、時代遅れと言われてもひとつの勲章かなと思ったりしています。ただ、その名に恥じないように選んでいただいたからには、他の選手たちが寝技で勝ったりしていても、自分は打撃で外国人を相手に真っ向から打ち勝ちたいと思っています」
ーー世界大会には初出場ですよね。前回の第二回大会はご覧になりましたか?
「はい。私が入門して2年経っていないくらいの頃だったと思うんですが、今回も出場される服部宏明先輩と、全日本軽量級で2度優勝されている伊賀泰司郎先輩のセコンドに就かせていただきました。これは日本の格闘技全体に言えるんですけれど、基本的にボクシングであれキックボクシングであれ、もちろん空道であっても、大体動き方は似た感じになるんですよね。
空道であれば組み技が得意な人は手をちょっと下げて打撃をサバいて組むという形であったりとか、打撃の得意な人はキックに近い形をとると思うんですけれども、外国の選手は思い切った動きをする人が多い。飛び後ろ廻し蹴りですとか、遠間からフックで飛び込んでくるであったりとか、日本人とは全然違う発想をしてくるのが凄いな、というのを一番感じましたね」
ーー山田選手は外国人選手との対戦経験はありますか?
「去年モンゴルで開催されたアジア大会に出場させていただきました。同じ東洋人でしたが、正直、そんなにズバ抜けたパワーの差は感じませんでした。ただバランス力であるとか、日本人では考えられないような角度からパンチを打ってくるなどといった点の方が気になりましたね」
ーー日本最大の強敵はロシアだと言われていますが、ロシア人選手にはどんな印象を持っていますか?
「他の外国人選手であればパワーやスピードがあってもそのぶん荒いイメージがあるんですけれど、ロシアはパワー、スピードに加えて技、それに気持ちも強いなってことを凄く感じます」
ーー山田選手もマークしているのはロシアですか?
「特にどこの国が、ということは考えていません。1試合1試合、出てきた相手を全力で叩こうと思っているので、どこの国の人間だから気をつけるとかラクだとかは考えていません」
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