■お客さんを惹き付けられる選手になりたい
――去年を振り返ってどうでしたか?
「山あり谷ありでしたね。なかなか上手くいかないなって感じです。でも逆に、あのタイミングであの二人(ギルバート・メレンデス、ルイス・ブスカペ)と闘えて良かったと思うんですよね。やっぱり経験してみないと絶対に分からないこともあると思うので。
世界の強さを知る試練とかではなく、PRIDEの舞台に出ること自体が大変じゃないですか。PRIDEまで行き着いて、そこでああいう強豪選手たちと闘うのは試合の感覚も違うでしょうし、全部が新しい。
結果には満足してないですけど、凄く良かったと思います。ただ自分の中では満足していない部分があって、決着はついてないっていうのはありますね。メレンデスとはいずれ再戦出来ればいいですけど。今度、後楽園に戻って試合するのは楽しみですね」
――その後楽園では、DEEPライト級タイトルの防衛戦となります。
「ベルトにはこだわってないんですけど、当然勝ちます。一時期のルミナさんのように、ベルトを持っていなくても“ルミナが出るから会場にいく”みたいな、お客さんを惹き付けられる選手になりたいですね。チャンピオンでしたけどマッハさんもそうだったじゃないですか。ああいう選手になりたいんです。
ルミナさんが秒殺を狙いにいって、例えやられてもお客さんは責めないでしょう? “ルミナらしいじゃん”っていう感じで。そうなりたいと言ってなれるもんじゃないですけど、理想系ですよね。それの結果まで出てるのが五味さんだと思っています。
PRIDE武士道で2回負けてしまいましたけど、小さくまとまるんじゃなく大きく試合したいですね。馬鹿じゃないんで、今度の試合で同じミスはしないようにします。それが大事だと思うので、楽しみですね」
■メレンデス戦のダメージは正直言ってあった
――去年、PRIDE武士道で2試合こなして足りなかったと思う部分は?
「練習したことが出ない。“あんなに出ねぇものか”っていうぐらい、PRIDEのリングでは出なかったんですよね。DEEPでの王座決定戦で雷暗暴(2006.4.11『DEEP24』)とやった時は、いきなりローキックが出たじゃないですか?
それがないんですよ。やってたことも出せないっていう感じで。PRIDEへの思い入れが強すぎたんでしょうね。五味さんがPRIDEのリングに上がるまでずっと間近で見てきてて、自分も自分なりにDEEPで頑張って上がったじゃないですか。そういうのもあると思います」
――実際のところ、メレンデス戦でのダメージはどうでしたか?
「あれは…結構ありましたね(苦笑)。ダメージとかって奇跡的に今までなかったんですよ。だから“ダメージって何だろう?”って思ってたんです。メレンデス戦が初めてでしたね。
そのダメージがあったから11月のPRIDE武士道はやらなくてもよかったし、その方向でまとまってたんですけど、やっぱりビシッと勝って終わらせたかったので自分から“やらせてください”って言いました」
PROFILE
帯谷信弘(おびや・のぶひろ)
1981年1月15日、千葉県出身
身長170cm、体重72.9kg
2002年11月15日、修斗でプロデビュー
2002第9回全日本アマ修斗選手権ウェルター級3位
2003プロ修斗ウェルター級新人王
2004DEEPフューチャーキングトーナメント76kg級優勝
第2代DEEPライト級王者
プロ戦績7勝2敗
総合格闘技木口道場チームラスカル所属
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