■純粋にあのリングで闘いたいという気持ちになった
――大月選手は「打倒ムエタイ」というテーマに拘っていないようだったので、タイ遠征記者会見(5月1日)での発言(※)は意外でした。
(※「自分は去年からずっとタイで試合をやりたいと思っていました。自分の中でまだ野生はあるので昔のように熱い、人が感動してくれる試合を敵地でやりたい」
「タイに何回も行って仲間が試合してるのを見て、熱くなれる場所だなって。そういう所で生きてる実感を味わいたい。もし潰されてもいい覚悟で闘う。年齢的にもギリギリだし、今しか出来ないという気持ちもある。負けた悔しさ以上に、自分がどれだけやれるか試したい」などの発言のこと)
「『打倒』出来るほどの力がないので(笑)。でもキックボクシングをやっていて、タイですごい強い選手を見たりしたら……やっぱりね。せっかく長い年月やってきたんだから、1度くらい経験したいって思いますよ。挑戦というよりも勉強させてもらうみたいな感じです。
若い内にしか出来ないことをやっていますからね。もう自分もあまり先はないと思いながらやっているので、いま体が動くうちに……あとモチベーションですね。『やりたい』っていう気持ちがあるうちにタイでやりたいと。
ラジャとかルンピニーのリングって、見ていても特別なんですよね。仲間が出ているのを見てて、『ああ、俺もやりたい』って。勝ちたいとかじゃなく、純粋にあのリングで闘いたいという気持ちになりました。もし倒されたとしても、全力で練習して、自分の全ての力を出せるなら、それでいいかなと」
■昨年からずっと出たいと思っていた
――誰の試合を見たときにそういう気持ちになったんですか?
「みんなですよ。去年も『ファイティングTVサムライ!』のツアーに着いていった時もそうでしたしね。タイにはちょくちょく練習にも行っていて、タイ人のすごいチャンピオンとも仲が良くて一緒に練習してるんですけど、あいつらがラジャやルンピニーでやる時も『ああ、いいな』って思っていました。
ラジャやルンピニーには誰でも出られるもんじゃないでしょう。本当に一生懸命練習して、それで初めて立てるような場所なので、チャンスがあれば出たいなと思っていました。昨年からずっとそういう話はしていたんですよ。この企画も流れて流れて……2月くらいにも本当は行く話があったんですよね。でも大輝がケガしちゃって流れて。
今回、自分が急遽名乗りを挙げたみたいなことになっていますが、それは自分に連絡がつかなかったみたいで。自分はもう出るつもりでいたんですよ。それで宮田さんに『えっ!? 俺も出たいですよ。前から言ってたじゃないですか』って言ったら、そしたら宮田さんが『そうなんだ。じゃあ、行こうか』と。宮田さんには感謝してるんですよ、自分のわがままを聞いてくれるので」
――仲が良いタイのチャンピオンとは誰なんですか?
「サガッペット(・イングラムジム=ルンピニースタジアム認定ライト級チャンピオン)です。よくイングラムジムに行くので。彼の試合前の練習とかは凄いですからね。カッコいいですよ」
|