デビュー時は驚異の新人と呼ばれ、その後はパンクラス不動のエースとして活躍してきた近藤有己。しかし、PRIDE参戦で実力が発揮できたとは言い難く、それ以降はインパクトを残せないでいる。昨年はそれまでのハイペースとは違い、僅か3試合しか行わず、しかも日本での試合は1試合のみ。近藤はいま何を思い、どう考えているのだろうか……?
■テレビを見てリラックスしていて楽しい大晦日だった
――昨年の大晦日は何をされていましたか?
「家で『Dynamite!!』をテレビで見ていました。こたつに入ってミカンを食べながら…という感じで」
――どんな気分でした?
「リラックスして、悪くない気分でした(笑)。面白かったですね」
――近藤選手的ベストバウトは?
「やっぱり三崎選手と秋山選手の試合ですね。お互いに、凄くいい覇気が出ていたのを感じました。三崎さんも一瞬危ない場面があって、そのまま秋山選手が行ってしまうかと思ったら逆転勝ちして。見応えがありましたね」
――去年までは近藤選手も毎年出ていたのに、今年は出られなかった悔しさは?
「なかったですね(笑)。それは自分でも意外でした。自分も大晦日には拘りがあったので、自分が出られずにイベントを家で見ていたらどういう気持ちになるのかなって思っていたんですが、意外にも楽しんでました。凄くリラックスしていたし、楽しい大晦日でしたね(笑)」
――いつオファーがあってもいい準備はしていたんですか?
「軽く……そうですね。でも、今年は無いなってなんとなく思っていました。誰にも“どうですか?”と聞いてないですし、自分の中で今年は無いなって感じていましたね。準備していたかしていなかったと言えばば、していません」
――そういう1年の締め括りだったわけですが、去年は近藤選手にとってどんな年でしたか?
「去年はなかなか思うようにいかない年だったな、と感じています。でも桜木戦が終わった辺りから、なんとなく段々といい方向へ向かいつつあるなってことも感じています。ジョシュ・バーネットと一緒に練習するためにロスへ行ったことも凄く充実していましたし、フィリピンでの試合も凄く楽しかったですね」
――点数で言ったら?
「総合的に言えば30点くらいだと思いますね(笑)」
――随分と低いですね。
「でも後半だけ見たら、段々と上がりつつあるという感じです。今は30点でもどんどん上がっていくようなイメージですね」
――連敗している時に「なぜ自分の調子が悪かったか、その理由は自分で分っている」と言われてましたよね?
「ああ。あれはいま思うと…忘れちゃいました(笑)。なぜ自分がそう言ったのか、もう忘れちゃっているんです。多分、そんな気がしていただけだと思いますね。不調の原因は肩に力が入っていたからだという気がします。でもロスへ行って、向こうで練習していく中でそれに気付き始めたというか。肩の力が抜けているのが自分の良さだと、改めて気付きました。前はけっこう抜けていたのに、いつの間にか肩に力が入ってカチカチになっていたんでしょうね。考えすぎちゃっていたというか」
――なぜ力が入ってしまったんでしょう。倒すことを意識しすぎたとか?
「そういうことだと思います。勝たなければ先が無い、とか。いろいろ考えていたんでしょうね。でも今は、肩の力を抜く感覚を思い出しています」
■正直、PRIDEの後半は楽しさを感じられなかった
――去年はPRIDEが消滅するという事件がありましたが、近藤選手はどんな気持ちでしたか?
「大きい大会でしたし、あの当時の世界のトップが集まっていた場所だったと思うので、凄く意義のある大会だったと思います」
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