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ワンロップの連勝を止めるなどの大活躍で昨年度の全日本キックMVPを獲得、今年は打倒ムエタイ路線を本格的に突き進むことになったあらしだが、その第2戦となるコムサン戦ではいきなりムエタイの厚く高い壁にぶち当たった。あの敗戦があらしにもたらしたものとは何か? その答えは9月19日(金)東京・後楽園ホールで約2年ぶりに開催される全日本キックボクシング連盟「日本VSムエタイ5対5マッチ」中堅戦で出る。

藤原あらし(ふじはら・あらし)
1978年12月22日、和歌山県出身
身長164cm
2000年の学生キック・バンタム級王者を経て
2002年1月4日、プロデビュー
2004年11月19日、全日本バンタム級を獲得
2005年7月31日、最強メンバーを集めた55kg級トーナメント『MACH 55』優勝
2006年11月23日、55kg級最強決定トーナメント『真王杯』準優勝
全日本キックボクシング連盟2007年度MVP獲得
2007年10月25日、VS日本人11連勝のワンロップを破る
戦績:33戦23勝(15KO)5敗5分
S.V.G.所属

■タイ人にコテンパンにやられたのが僕の原点

――今年3月に全日本キックボクシング連盟から、いよいよ今年は戦いのテーマを『ムエタイ王座取り』に設定し、タイ人選手の対戦を軸にマッチメイクしていくことになったとの発表がありましたね

「それ、僕は別に何も言ったわけじゃないんですけどね(笑)。でも、嬉しいです。やれるのならこっちからお願いしますって感じです。僕には“イエス”という答えしかありません。それだけ僕のことを評価してくれているんだなって思うので、やるだけです」

――9月13日に行われた公開練習では、「軽量級で世界最強はタイ人。それにどこまで食い込めるか。僕がキックボクシングを始めたきっかけは、学生キックをやった後、アルバイトで入ったジムにタイ人がいて、スパーリングをやって全然歯が立たなかったからです。それがきっかけだった。僕はこの世界に、タイ人とやりたいから入ったんです。最初から日本人の頂点じゃなく。日本人には努力すれば勝てるなと思ったけれど、タイ人には努力しないと勝てないと思いました」と、打倒ムエタイへの熱い思いを語りました

「歯が立たなかったどころか、コテンパンにやられました。一発で殺せるのに、なぶり殺しです。タイで賭けにならないくらい強い選手だったパヤックレック(・ユッタキット=元ラジャダムナンスタジアム認定ジュニアウェルター&ウェルター級王者、282戦242勝22敗18分)さんでした。

 僕の蹴りをマトリックスみたいなスウェーでかわして、その状態から僕のお尻を蹴ってくるんです。そんなことされた日には、こいつらスゲェなって思うしかないでしょう。それからずっとタイ人、タイ人で。他にもランバー(ソムデート・M16=元ルンピニースタジアム認定フライ級2位)さんと出会ったりしましたが、タイのランキングにも入れない無名の選手とスパーをしても、全然違うんですよ。そんな中に自分が食い込めたら面白いだろうなって思ったのが、僕がキックボクシングを始める動機になったんです」


■花を咲かすか蕾のままで終わるのか。蕾のままで終わりたくない

――ムエタイ攻略第二戦となった、6・8『M-1』で元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級10位コムサン・ペッポートーンに3R、TKOで敗れた試合は衝撃的だったのですが…試合を振り返ってみてください

「見たくなかったんですが、映像を何回も見ました。自分の粗が思っていたよりもあって、10個くらいありましたね。ハイキック(2Rにダウン)をもらわずに、あのまま上手く自分の試合を進めていけばスタミナ勝ち出来たと思います。向こうはあまり練習をしていなかったし、試合の間隔も開いていたと思うので。

 ミドルキックがドシンッと芯まで当たっていたし、インローも効いていたので遅かれ早かれ向こうはスタミナが切れてくるだろうな、と思った矢先だったので、ちょっと調子に乗った部分がありました。

 実際、相手のミドルキックの伸びがなかったので、大丈夫だと思ってパンチが来た時にスウェーしたんですが、僕の左手が下がってしまい、そこでハイキックが首に当たりました。その後は自分の悪い癖で焦ってしまい、ガードを下げながら“前へ行かなきゃ”となってしまったんです。無意識のままヒザもヒジももらって、“ハッ”と気付いたのはタオルが投げられる直前でした。そこまで無意識だったんです。

 何回もハイキックをもらって自分の悪い癖は分かっているんですけど、最初はいいんですが2R後半くらいになるとどうしても左手が下がってくる。これが自分の一番悪いところで…。そこで見たのが、ラモン・デッカーの試合だったんです。…………」


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藤原あらしインタビュー内容
■タイ人にコテンパンにやられたのが僕の原点

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■花を咲かすか蕾のままで終わるのか。蕾のままで終わりたくない(前半)
■花を咲かすか蕾のままで終わるのか。蕾のままで終わりたくない(後半)
■“あっ!”っと気付かされたのがデッカーの試合だった
■ムエタイのトップ選手と競い合いたい
      
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