
11月23日(日)東京・ディファ有明で行われるZST事務局主催「ZST.18〜旗揚げ6周年記念大会」への出場が決まった所。9月23日のDREAMで山本篤に判定負けを喫してからの復帰戦という形の試合となったが、所の口からは「次の試合は僕が負けてもいいと思う」という意外な言葉が。果たして所のこの言葉の真意とは何か? そこにはZSTを引っ張ってきた所のZSTに対する熱い想いがあった。
所英男(ところ・ひでお)
1977年8月22日、岐阜県出身
身長170cm、体重67kg
高校時代までは野球部に所属、上京後にパワーオブドリームで格闘技を始める。2001年にプロデビュー後、2002年にスタートしたZSTでは旗揚げ戦から中心選手として活躍。2005年、HERO’Sでアレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラに勝利し、大ブレイクを果たす。
大晦日Dynamite!!には3年連続で参戦、2008年からはDREAMに参戦し、2勝1敗の成績を残す。
戦績:36戦21勝(16KO)14敗1分
チームZST所属 |
■沖縄の合宿では内藤大助やHAYATOと共にトレーニング
――所選手、お久しぶりです。今日は久しぶりのインタビューということで、色々と話を聞かせてください。まず10月に沖縄で合宿を行っていたそうですね。
「はい。ボクシングを指導していただいている野木丈司さんに誘っていただいて、参加させてもらいました。前々から誘われてはいたのですが、試合のスケジュールと合わなくて、今回が初めてでした」
――以前にも沖縄の平仲ボクシングジムで練習したこともありましたが、今回はどういった内容の練習だったんですか?
「今回はずっと走り込みだけでしたね。1日2回の時と3回の時があったんですが、こんなに自分が走れない人間なんだなというのを改めて思ったり、一緒に合宿に参加した選手と培ってきたものが違うんだなということを痛感しました(苦笑)」
――所選手以外にはどんな選手が参加していたんですか?
「WBC世界フライ級チャンピオンの内藤大助さん、K-1で活躍しているHAYATOさん、あとはボクサーの方たちがメインで、総合格闘家は僕だけでした」
――合宿中には内藤選手と交流もあったんですか?
「はい。色々と話をさせてもらいました。内藤さんとはボクシングのスパーリングもやらせてもらったこともあるんですが、少し手を合わせただけで、僕の悪いところを修正してくれたり、アドバイスしてくれて。
ちょっと僕らとは戦っている最中に見えているものが違うんだなと感じました。それに内藤選手はもちろん、僕は初日の練習で体が限界で、練習についていくのがやっとだったんですけど、他の人たちは普通にメニューをこなしていて、あれは本当にすごかったです」
――僕も総合格闘技以外の選手を取材することもあるんですが「総合の選手は走らなさすぎる」ということをよく聞くんですね。所選手もそれは感じました?
「例えば走り込みによって、自分がやっている競技にどう活かされるのか、具体的なことは分からないですけど、長い距離を走るだけの心肺機能や体の頑丈さ。人体の強さって言うんですかね、競技どうこうじゃなくてアスリートとしての凄さを勉強させてもらいました。ボクシングは歴史と伝統がある競技で、そのくらいやらないと試合で勝つことは難しいんだなと思います。トレーナーさんを含め、指導方法や練習システムもしっかりしてますしね」
――合宿後に所選手がブログで野木トレーナーのことについて書いていたじゃないですか(http://blog.livedoor.jp/zst_tokoro/archives/2008-10.html)。やはりトレーナーの存在は選手にとって大きなものですか?
「はい。まず選手に対して厳しいことを言ってもらえるのがありがたいですよね。僕はジムがなくなってから、ずっとフリーのような環境で練習を続けてきて、どうしても試合で負けた後くらいにしか、周りに厳しいことやキツいことを言われなかったんですね。でも野木さんと接していると、練習から厳しいことを言ってくれますし、本当にいい練習をさせてもらっています」
――もともと野木トレーナーとはどういった経緯で練習を見てもらうようになったんですか?
「安廣一哉選手と試合する前に、フィジカルトレーナーの和田(良覚)さんに、野木さんを紹介してもらったんですね。それで野木さんのつながりで具志堅ボクシングジムさんで練習させてもらうようになって、その後に野木さんから一緒にやろうよと言ってもらいました。実際に野木さんに練習を見てもらうようになったのは、今年に入ってからです」
――所選手はかなり野木トレーナーのことは信頼しているんですか?
「むちゃくちゃ信頼しています。野木さんの指導を受けていると、こっちも教えてもらったことを納得して練習が出来るし、セコンドについてもらっても心強いんです」
■「次の試合は僕が負けてもいいと思う」この発言の真意は?
――沖縄合宿も終わり、6周年記念大会では今成正和選手とタッグを組んで、矢野卓見&横山大輔組と対戦することになりました。最初に話を聞いた時はどう思いました?
「やっぱり今までのことを考えると、すごく感慨深い部分はありましたけど、(ZSTとDEEPが)上手く交わったんだなと思います。ただこれで終わりにしたくはないので、この後にもつながっていくようにしたいですね」
――所選手は今成選手と矢野選手からどんな影響を受けました?
「今成さんはやっぱりあのスタイルです。タックルやテイクダウンの攻防がなくても関節技を極めてしまうという。当時はあんなファイトスタイルの選手はいなかったし、すごくセンセーショナルでしたよね。矢野さんは相手に攻めさせて、攻めさせて、最後には自分が勝つという戦い方がすごかったですよね」
――矢野選手とはこれまで何度も試合をしてきていますけど、対戦相手として見た時にどんな相手ですか?
「矢野さんとはコンテンダーズ、プレミアムチャレンジ、ZSTで試合をしてきて、今度の4回目なんですけど、矢野さんが相手だと何をやっても敵わないというか、そんな気がします(苦笑)。戦うんだったら、全然、横山くんの方がいいですよ。でも横山くんも凄いという話を周りから聞いているし、実際に矢野さんとグラップリングルールの試合で互角に戦っているじゃないですか。僕はあんな試合はできないですよ」
――今回の試合は所選手にとってはシビアな戦いになると感じてます?
「いや、それはないですね。極端な話、僕は負けてもいいと思っているし、それこそ横山くんが僕を極めるくらいでもいいんじゃないですかね」
――えっ!? そうなんですか?
所英男インタビュー内容
■沖縄の合宿では内藤大助やHAYATOと共にトレーニング
■「次の試合は僕が負けてもいいと思う」この発言の真意は?(前半)
※以下GBR会員の方のみご覧になれます。
■「次の試合は僕が負けてもいいと思う」この発言の真意は?(後半)
■「ZSTの選手たちにはもっと外に出てZSTをアピールして欲しい」
■KID戦が遠のいた今、戦うモチベーションは? |
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