2001年1月に旗揚げしたDEEPが10年目に突入、来年には10周年を迎える。ファン目線でのマッチメイクをモットーに、あらゆるものを犠牲にして格闘技に人生を費やしてきた佐伯代表にインタビュー。2010年のDEEPの方向性、期待している選手、実現させたいマッチメイクなどを聞いた。(2010年2月25日UP)
佐伯繁(さえき・しげる)
1969年6月24日生まれ
富山県出身
雑誌カメラマンを経て、出版社を創業
プロレスのプロモーターなどをやりつつ、
2001年1月にDEEPを名古屋で旗揚げした
DEEP事務局代表
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■安易によく統一ルールとか言う人がいるけれど、統一されたら困る
ーー2010年のDEEPのテーマはどんなものですか?
「基本的には例年と変わらず、メジャーの舞台で通用する選手をどんどん出したいですね。大みそかの『Dynamite!!』も、何人DEEPに出ていた選手なのか、数えたらみんな笑うと思うんですよ。
ただ、どうしてもルールの問題があって。横田選手が川尻選手に負けた試合を見た時も思ったんですが、DEEPの試合はブレイクが早いので、上になってそれをキープされると厳しいですね。DEEPの選手はその部分の経験がないから、ルールを変えない限り、このルールで勝つっていうのは難しいですよね。
DEEPには抑え込みの強い選手って上がってないでしょう? 三島☆ド根性ノ助くらいかな。試合の勝ち負けだけで言ったら、そういう選手が強い。それで勝てる選手を育てようと思うなら、そういうこともやっていかないといけないのかなって思うんですけれど、実際は会場の大きさとかスクリーンに映ったりすることで試合の見え方は違ってくるんです。
安易によく統一ルールとか言う人がいるけれど、統一ルールになったら困ってしまうんですよ。見せ方が違うんだから。さいたまみたいな大きい会場にカメラが何台もあって綺麗なスクリーンにいろんなシーンが見えるのと、スクリーンがなくて肉眼で見るのとは違う。肉眼で見えるからみんな燃えるんですよ。その会場に合った動きを見せていかないと。カメラが動きを追ってくれるわけじゃないから、大会場とDEEPのような中規模会場の試合が一緒じゃおかしいんです」
ーー昨年は大塚隆史選手、菊野克紀選手らをDREAMに送り込みましたが、育てても核となる選手が上のステージにどんどん上がっていってしまうので、また作らないといけないのは大変じゃないですか?
「でも、それで毎年やっていますからね。それで上手く流れているとも思うし、逆にそれがないとこっちも人数がパンクしちゃいます。だから中途半端に帰ってこられるのが一番面倒くさい(笑)。いつ帰って来るか分からないしね。
僕はその中で、よくこのマッチメイクでやっていられると思いますよ。それが象徴されたのが昨年12月の大会で、年内最後というとみんな集まってきて、二部制にして16試合でしたからね。
本当はもっと若い子を入れながらバランスのいい大会をやりたいんです。ウチのウェルター級なんて凄いですよ。石川の英ちゃんが戻ってきたし、北崎は海外でもいい試合をしたし、長谷川秀彦、岩瀬茂俊、久保輝彦、高木健太……いい選手がいっぱいいますからね。池本誠知、白井祐矢もいるし。門馬(秀貴)君、も今後絡むかもしれないし。それに全階級の選手が揃っているのはウチだけですから」
佐伯代表が2010年に期待している若手とは……
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