8月29日(日)東京・グランドプリンスホテル赤坂で開催された、初のシュートボクシング(以下SB)女子ワールドトーナメント『Girls S-cup2010』で優勝。昨年の日本大会に続き、二連覇を達成したRENA。場内を沸かせるファイトを繰り広げ、名実共にSB女子のエースであることを証明したRENAは、試合後に「私が女子格闘技を引っ張っていきます!」と宣言した。新たなる目標へ向かって走り出した、19歳の若き女王にさっそく話を聞いた。(2010年9月10日up)
PROFILE
RENA(れーな)
1991年6月29日生、大阪府出身
160cm、50kg
2007年7月1日、J-GIRLSでプロデビューするも判定負け
2008年6月1日、club DEEP富山でMIKUとキックルールで対戦し、引き分け
2009年3月20日、K-1 MAX 韓国大会でイム・スジョンと“日韓美女対決”するも、1-2の判定負け
2009年8月23日、シュートボクシング「Girl's S-cup 2009」優勝
2010年8月29日、「World Girl's S-cup 2010」優勝で二連覇を達成
現在、昨年より破竹の10連勝中
戦績:16戦15勝(4KO)3敗1分
及川道場所属 |
■連覇の要因は前蹴りとシャドーボクシング
ーー『Girls S-cup』連覇おめでとうございます。
「ありがとうございます」
ーー大会前から絶対に優勝すると宣言していて有言実行を達成したわけですが、凄い自信でしたよね。あの自信の根源は何だったのでしょう?
「やはり練習量ですかね。本当にこの夏はもう死ぬかと思いました。しんどかった〜。練習休みの日曜日はジュニアの大会があったり取材があったりして、休みという休みが全くなかったですし。しかも今年の夏は暑かったので、毎日の走りこみも水を被りながら頑張りました(笑)」
ーー出稽古もされていたんですか?
「出稽古らしい出稽古はしなかったんですが、正道会館の方がジムまで来てくれたり、グレイシャアさんと練習したりはしました」
ーーJ-GIRLSのグレイシャア亜紀選手と?
「はい。今回は東京合宿がなかったので、個人的に東京へ行って、一緒に練習してもらいました。昔からお世話になってます」
ーーあれだけ「絶対に優勝」を口にしていて、不安やプレッシャーはありませんでしたか?
「正直負けたら恥ずかしいな、というのはあったかな?(笑)やっぱり1回戦の渡辺久江戦が一番不安でした。リスキーな試合でしたから。それで凄く緊張はしましたし、プレッシャーもありましたけど、不思議と負ける気はしなかったんです」
ーー全試合を通じて前蹴りが効果的でしたね。
「私の闘い方は、けっこう前蹴りが助けてくれるんです。小さい頃からずっと練習していて、身体が勝手に反応して出てくれるんですね。そういう教え方をされているので」
ーー及川(知浩=SB日本スーパーバンタム級王者)先生から前蹴りをたっぷりと仕込まれた?
「コンビネーションを打つと、相手はほぼ何かを返してこようとするんですよ。その時に前蹴りを出したら止まるんです。全部、及川先生に教わりました。前蹴りは大事だ、と」
ーー何かコツはありますか?
「前蹴りだけでも何種類かあるんです。けっこう、いろいろ持っているんですよ、ウフフッ。ヒントを言うと、足の裏全体を使って蹴るよりも、中足(足の指を反らして付け根部分で蹴る)を使います。サンドバッグを蹴ると戻ってくるじゃないですか。それをまた前蹴りで蹴るのをずっとやっていたら、何となくコツを覚えた感じです」
ーーRENA選手の中で前蹴りはかなり自信のある技だったんですね。
「そうですね。知らない間に意識しなくても使えるようになっていたので、自分の武器になっていると思います」
ーー今回のトーナメント用に特別な練習はありましたか?
「やらなければいけなかったけれど、なかなか手につかなかった練習を今回やりました。月曜日から土曜日まで毎日違うメニューを組んでもらって、練習していたんです」
ーー差し支えなければ、その一部を教えてください。
「最も重点的にやったのはシャドーです」
ーーシャドーボクシング? それは意外ですね。
「シャドーってミットやスパーリングと比べたら重要視されないじゃないですか。だから、真面目にやっている人ってあまりいないと思うんです。"どんなテーマでやっていますか?"と聞かれた時に、テーマを答えられる人は絶対に少ないと思います。私が及川先生にやれと言われたのは、例えば1Rはスピード、2Rはコンビネーション、相手が小さい場合、背が高い場合、攻めてきた場合とか受けてから返すとか、何通りもそれぞれテーマを決めてやるんですよ。とにかくシャドーは手を抜かずにずっと真面目にやっていました。シャドーは準備運動みたいに見られがちですけど、実は一番シンドイものなんですよ」
ーーシャドーが一番しんどい!? あまり聞かない言葉です。
「シャドーって、手を抜こうと思えば抜けるじゃないですか。その意味では自分との闘いなんですよね。試合では空振りが一番しんどいわけだし。シャドーは徹底的にやりました。何通りもありますから、キチンと理解してシャドーを徹底的にやることができる人は、それだけでもきっと強くなれると思います」
ーーシャドーを集中してやると、本当に目の前に相手が見えてくるとかは?
「ありますよ。さすがに感触まではないですけれど、相手は見えてきます」
ーートーナメントでは3試合やりましたが、一番きつかったのはどの試合ですか?
「どれもきつかったですね。でも、レベルは違いますけれどアマチュア時代でトーナメントには慣れているので、気持ち的には全然途切れることなくいけました」
ーー優勝した時はホッとしましたか?
「嬉しいと思ったのはちょっとで、ホッとした方が大きかったですね。全然実感がなかったです。家に帰っても"これ、RENAの?"とか思いながらベルトをじっと見ていたりとか、ウフフッ」
ーー二連覇を達成して、燃え尽きた感や抜け殻になってしまったりはなかったですか?
「ホッとしてばかりもいられないので、"早くやらな!"と思う部分はあります。とりあえず良かったと思うだけで、燃え尽き症候群にはなっていないですね。大丈夫です」
ーー二連覇したら目標がなくなって、RENA選手が引退してしまうんじゃないと心配する関係者もいたんですよ。
「…………」さらに興味深いRENAの衝撃発言が!
RENAインタビュー内容
■連覇の要因は前蹴りとシャドーボクシング(前編)
※以下GBR会員の方のみご覧になれます。
■連覇の要因は前蹴りとシャドーボクシング(後編)
■「ヒジありでやりたい」衝撃発言の真意は!?
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