7月18日(月・祝)東京・ディファ有明で行われる『REBELS.8 & IT’S SHOWTIME JAPAN countdown-1』にて、スーパーフライ級三冠王の闘魔(とうま/新宿レフティー)を迎え撃つ藤原。長期にわたって日本軽量級最強の座に君臨している藤原が、最近ムチャをしている理由、そして日本人キックボクサーへのメッセージを語る。(2011年7月13日UP)
PROFILE
藤原あらし(ふじはら・あらし)
1978年12月22日、和歌山県出身
身長164cm、体重53kg
高校時代は陸上中距離の選手として近畿大会に出場するなどして活躍
明治大学キックボクシング部でキックを始め、学生バンタム級王座を獲得
その後、SVGに入門
2002年1月4日、全日本キックボクシング連盟でプロデビュー
2003年11月19日、全日本バンタム級王座を獲得
2005年7月31日、55kg級最強決定トーナメントMACH55優勝
2006年11月23日には真王杯55kgトーナメントで準優勝
2007年にはラジャダムナンスタジアムで勝利、一階級上の山本真弘、前田尚紀と引き分けるなどして年間最優秀選手賞を受賞
2009年9月13日、ワンロップを破りWPMF世界スーパーバンタム級王座を獲得
2010年7月19日、日本軽量級最強決定戦と謳われたTOMONORI戦で3RKO勝ち
同年9月26日、山本ノボルにTKO勝ちでWBCムエタイルール日本統一バンタム級王座に就く
戦績:52戦34勝(22KO)9敗9分
バンゲリングベイ・スピリット所属
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■1週間で2試合のムチャをしたのは、固定概念を崩したかったから
ーー6・12『M-1』で、元ルンピニー&ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級1位カンティポン・トーピタゴンラカンに残り1秒で劇的にKO勝ちしたにも関わらず、試合後のマイクパフォーマンスを酷評されたそうですね。(Krushで活躍中の後輩、松倉信太郎と中島弘貴に追いつけ追い越せで頑張ります、というような内容だったが、何を言っているのか観客には伝わらなかった)
「いつものことです(笑)。マイクパフォーマンスをする時に、事前に何を言うかなんて考えられないのでマイクを持った瞬間がスタートなんですよ。とにかくみんなに勝ったことを報告しないといけないというのがあって、それ以外のことも喋らないといけないと考えたら、訳が分からなくなってしまって。
僕はもう2度と喋りません! そういう結論に達しました。昔から母ちゃんにも“お前は喋らない方がいい”とずっと言われ続けていたんです。試合がよければいいんです!」
ーーその試合の方は振り返ってみてどうでしたか?
「元とはいえルンピニーとラジャダムナンのチャンピオンなので、簡単には勝たせてくれないだろうなと思っていました。どういう選手かという情報も全然なくて。でもここ最近、タイ人とやる時は情報がないことが多かったので、その延長戦だと思ってやりました。ヒジが強いという情報だけあったので、ヒジの練習だけはちゃんとして。あとはいつも通りでしたね。プラスアルファの自分が少し出せたと思います」
ーープラスアルファとは?
「組んだ時に組み負けなかったことです」
ーーカンティポンの1Rのスピードとトリッキーな動きにはヒヤヒヤしました。
「自分もいろんなタイ人とやってますからね。逆に1Rから来てくれたら“ああ、そういうことね”というのがあるので。向こうはスタミナがないから、早く決着をつけたかったのでしょう」
ーー試合前に「自分のムエタイを早く完成させたい」と言われていましたね。
「こうすればもっと強くなれるんじゃないかな、というのがまだいっぱいあるんです」
ーー出場予定だった一戸総太選手が欠場となり、藤原選手が名乗りを上げての緊急参戦だったわけですが、なぜそんなリスクのあることをしたのですか?
「今はキャリアが必要な時だと思っているからです。その中でひとつひとつ目標を掲げて、いつも通りのレベルをキープしながら、その目標に一歩前進したものを毎回毎回作っていきたいんです。普通の練習と試合に向けての練習って密度が違うじゃないですか。試合に向けての練習と試合をやらないと、強くなれないんじゃないかって思うんです。だから試合をどんどんやりたいんです」
ーーしかし、藤原選手の年齢(32歳)で年7〜8試合もやるのはきつくないですか? 去年12月には1カ月で2試合、今年4月には1週間で2試合とメチャクチャなペースで試合をやりました。
「きついですけれど、それは誰もやっていなかったことをやっているからきついと思うのであって、みんなが普通にやっていたらきついとは思わないはずですよ。そういう固定概念のようなものを崩したかったんです。
やってみて分かることってあるじゃないですか。やらなかったらそれで終わりだけれど、やってみて初めて気付くことってあるんです。もちろんしんどいし、疲れるけれども、そこで気付くことがいっぱいあります。やってみなければそこに何があるのか分からない。自分はそれを知りたかったんです」
ーー年齢を重ねたら、試合数や練習量を減らすというのがこれまでの固定概念ですよね?
「そういう固定概念を全部否定したかったんです。32歳になってもこれだけ出来るんだよってことを証明したかった。実際にやって見せた方が説得力があるじゃないですか」
ーーやってみて、どんな答えを導き出しましたか?
「……………
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