8月26日(金)東京・後楽園ホールで開催される『DEEP 55 IMPACT』にて、廣田瑞人(=ひろた・みずと/CAVE)の挑戦を受け、DEEPライト級タイトル2度目の防衛戦を行う菊野。あの北岡悟を破ってSRCライト級王者となった最強の挑戦者・廣田のボクシングに対し、菊野は空手の正拳突きで勝負すると宣言したが、決戦を目前にして「打てるかどうか分からない……」という。菊野に何が?(2011年8月22日UP)
PROFILE
菊野克紀(きくの・かつのり)
1981年10月30日、鹿児島県出身
高校時代は柔道で鹿児島県大会66kg級優勝、九州大会同級3位。
卒業後は極真空手(松井派)鹿児島支部に入門。
木山仁らの指導を受け、全九州大会・全関西大会で無差別級優勝、全日本大会中量級ベスト16となる。
総合格闘家になるべく23才で上京し、高阪剛のA-スクエアでトレーニングを積む。
DEEP、ZSTなどでキャリアを重ね、2006年12月にDEEP本戦にデビューを果たす。
2009年4月16日、松本晃市郎に1RでKO勝ちしてDEEPライト級王座を獲得。
同年7月20日、DREAMに初参戦でアンドレ・ジダに1RでTKO勝ち
同年10月25日、エディ・アルバレスに敗れプロ初黒星を喫する。
2010年10月24日、帯谷信弘を判定で破りDEEP王座の初防衛に成功。
2011年5月29日、中村大介に判定勝ち。
必殺の“三日月蹴り”を始めとする空手技を駆使する。
身長170cm、試合体重70kg
ALLIANCE所属
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■廣田選手は油断したら一瞬で掻っ切られるような選手だと思う
ーーいよいよ廣田瑞人選手とのタイトルマッチが目前に迫ってきました。今の心境からお聞かせください。
「もう減量と練習の調整に入っているので、自分を高めることに集中しています」
ーー対戦が決まった時はワクワクしていると言っていましたが、今でもワクワク感はありますか?
「間違いなく力と力、気持ちと気持ちがぶつかり合う試合になると思うので楽しみですし、自分がどれだけ強くなったかを試すのも楽しみです」
ーー会見では「去年の10月に帯谷(信弘)選手と防衛戦をやって、怖さや高揚感があったんですが、今もその感覚があります」と言っていましたが、心境的には帯谷戦前と同じですか?
「似ていますが、あの時とは少し違います。帯谷選手との試合は周りが求めてくれたというのもありましたし、DEEPの50回記念大会でDEEP育ちの僕と帯谷選手が戦うという意味のあった試合でした。今回はそうではなく、もっと単純に廣田瑞人という強い選手とやるのが楽しみ、という気持ちが大きいです」
ーー帯谷戦と同じくらいの緊張感や恐怖感はありますか?
「多分、廣田選手も帯谷選手と同じように、油断したら一瞬で掻っ切られるような選手だと思います。一瞬が命取りになる。自分の気持ちがちょっとでも弱くなったりしたら、すぐ噛み付かれると思います」
ーー同じタイプ?
「はい、近いと思います」
ーーでも、帯谷戦の時の菊野選手よりも、今は格段にレベルアップしているんですよね?
「その通りです。全ての技術も、戦い方も、感覚的なものも変わっています。これはもう、言葉で説明するより見てもらうしかないですね」
ーー今回の試合のキャッチフレーズとして「ボクシングのパンチvs空手の正拳突き」というのがありますが、廣田選手のボクシングについてはどう思いますか?
「凄く上手だ、と聞きました。きれいなボクシングが出来る、とその人が言っていました」
ーーん? ご自分では見ていないのですか?
「1〜2試合しか見ていないので、そんなに研究したわけではないです。別に相手がどんなボクシングをやろうと、僕のやることは変わらないので気にしていません」
ーー普通に考えると、空手の正拳突きの方が古い技術で、ボクシングのパンチの方がより近代的です。カウンターやフェイントなど、パンチ単体の技術はボクシングの方が上だと思われますが、どうですか?
「フフフフッ……説明が出来ません。僕にも分からないので(笑)。もう、やってみるしかないんですよ。ボクシングのパンチと突きは打ち方が違うので、単純にスピードや威力で比べられないと言うか……うーん、説明するのが難しいです。
そもそも、今の自分がその正拳突きをちゃんと打てるのかという問題もあるので。今度の試合で実際にどうなるのか、自分でも知りたいです。それを見ていただくしかないですね。僕の“突き”というものが出来ているか出来ていないか、ボクシングのパンチと比べてどうなのか」
ーーゴングが鳴ったあとでなければ、自分でもどうなるか分からない、と?
「そうです。自分でも突きが打てるのかどうかすら分かりません。練習ではやれますけれど、試合という特別な環境で出来るのかどうか、廣田選手という強い相手に対して出来るのかどうか。僕は突きを…………
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