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 毎月GBRが取材した大会の中で、最優秀選手を決める月間MVP。2011年8月のMVPは、8月19日(金)東京・SHIBUYA-AXで行われた「シュートボクシング・ガールズトーナメント Girls S-cup2011日本予選」で優勝した神村エリカに決定!(2011年9月5日UP)

選考理由
1、「シュートボクシングルール初挑戦でGirls S-cupトーナメント優勝」
2、「1回戦と準決勝でKO勝ち。トーナメントでKO勝ちしたのは神村のみ」
3、「今年に入って6戦全勝5KO、さらなる連勝記録が期待される」

「シュートボクシング・ガールズトーナメント Girls S-cup2011日本予選」の試合レポート

PROFILE
神村エリカ(かみむら・えりか)
1992年12月30日、東京都出身
身長158cm 試合体重48kg
2007年2月4日、14歳でセミプロデビュー
同年11月4日、女子中学生最強決定トーナメントで陣内まどかに敗れ準優勝
2008年2月11日、15歳でプロデビュー
2009年7月26日、田嶋はるを破り16歳で無敗のままJ-GIRLSミニフライ級王座に就く
同年9月13日、パヤックイン(タイ)を破りWPMF世界女子ミニフライ級王座を奪取
同年12月20日、J-GIRLS World Queen Tournament 2009準決勝で安倍基江に敗れプロ初黒星
2009年度J-GIRLS年間表彰式でMVPを獲得
同年7月25日、安倍と再戦して判定勝ちでJ-GIRLS王座の初防衛に成功
同年9月12日、ノングネーンに判定勝ちでWPMF世界王座の初防衛に成功
同年11月14日、ナムワン・シッヂャンチャイに1RKO勝ちし、WMC世界女子ミニフライ級王座を獲得
2011年4月23日、SBで行われたRENAとのエキシビションマッチでダウンを奪い話題を呼ぶ
同年6月4日、J-Girls World Queen Tournament2008、2009王者シルビア・ラノッテに3RでTKO勝ち
同年8月19日、Girls S-cup2011日本予選で優勝
戦績:22勝(11KO)1敗
TARGET所属

■今だから語れる「Girls S-cup2011」の裏話

 女子立ち技最強格闘家決定トーナメント「Girls S-cup2011日本予選」でシュートボクシング(以下SB)に初挑戦。戦前に「このメンバーの中では自分が一番だと思うので優勝して当たり前だと思います」と宣言した通り、見事、3試合を勝ち抜いて最強の座に就いた。

 1回戦、準決勝はともにKO勝ちと圧倒的な力を見せ付けたが、実は不安との戦いだったという。

「ワンデートーナメントに挑戦したのは2回目ですが、自分の中でフルに集中していたので決勝戦が終わった後は控え室で力が抜けて、しばらく立ち上がれなかったです。ルールが違うので、いつどういう場面で逆転されるか分からない状況の中で試合をやっていたから、常に気が抜けなかったですね」

 しかも、3日前からオーバーワークもあって体調を崩し、コンディションは決してよくなかったことも今だから告白する。「調子も動きも悪かったんですが、その状態で3試合を戦って優勝できたことは自信になります。凄く疲れましたけれど、いい経験になりました。これから自分がどんな状況になっても、練習でやるべきことをやっていればチャンピオンになれることが確認できたので、今回やってよかったと思っています」

 調子が悪いようには見えなかったと言うと、神村はニコリと笑って「プロなんだから、調子が悪いことを周囲に気付かれてはダメじゃないですか。どういう状況であろうと試合でそこを見せないのがプロの試合だと思います」とキッパリ答えた。

 決勝のハム・ソヒ戦では、相手のバックを奪って投げを見舞おうとしたり、スタンド状態での肩固めでキャッチ(レフェリーが関節技が極まったと判断した状態で1ポイントになる)を奪ったりするなどSBルールに対応した技を見せたが、投げや立ち関節技の練習は全くしていなかったというから驚きだ。

「首相撲を多くやったくらいですね。普段ならマススパーリングやスパーリングに使っていた時間にも首相撲をやっていました。バックを奪ったのは投げようとしたのではなく、ハム・ソヒがフロントチョークスリーパーを狙ってくるのは分かっていたので、それを防ぐためなんです。後ろに回ってヒザを打つ動きはムエタイにもあり、それをずっと練習していました。サバ折りの状態で前にいると首を取られてしまうので、組んだら後ろに回ってヒザを打つ作戦だったんです。

 肩固めに関しては、最初に高橋藍戦が決まった時(当初は高橋とのワンマッチが決定していたが、高橋の負傷欠場で神村がトーナメントに参戦することになった)に、総合格闘技の経験があるRISEのスタッフに“身長差が凄くあるから、下からの肩固めが出来るんじゃないか”って教わったことがあったんです。あれは自分が右ストレートを打ったのが外れて、そのまま首を掴んだらたまたま肩固めの形になっただけ(笑)。その時に“あれ? もしかしたらこれは肩固めの形になっているんじゃないか”と思い出し、締めてみたらキャッチが入ったのでラッキーでした」

■絶体絶命のピンチに追い込まれながらも“勘違い”で逆転勝ち

 しかし、1Rに肩固めでキャッチを奪った後、2Rに神村はハム・ソヒに2度も投げられてシュートポイントを奪われ、絶体絶命のピンチに追い込まれた。焦りはなかったのか。

「決勝には絶対にハム・ソヒが上がってくると予想していて、1回戦と準決勝も見ていたんですが、全然組まないし投げなかったので油断していました。後ろに踏ん張って投げられないようにしたんですが、その踏ん張った分、腰より先に頭からマットに落ちてしまったんですよ。試合をやっている時はアドレナリンが出ているので分からなかったんですが、試合後2〜3日は頭が痛かったです。

 正直なところ、かなり焦りました。焦りすぎてポイントが分からなくなってしまったんですよ。前に投げられたら1ポイント取られるんですが、2ポイントだと勘違いし、2回投げられたので4ポイントも奪われたと思っていました(笑)。“これ、もう無理じゃん! KOしないと勝てないよ”って。セコンドの指示は左ミドルを蹴っていけってことだったんですが、残り時間が3Rの2分しかないじゃないですか。だから無視してKOしに行きました」

 その勘違いが奇跡のドラマを生んだ。3R、神村は猛烈な打ち合いを挑み、ハム・ソヒも足を止めて打ち合いに応じたことで、神村がダウンを奪ったのだ。

「あれはフラッシュダウン(ダメージが残らない一瞬のダウンのこと)だと思いますが、あそこでダウンが奪えてよかったです。最後は私と打ち合ってくれたのでいい試合になったと思いますし、ダウンも取れたと思います。もし、逃げてポイントを取るような選手が相手だったら間違いなく負けていたと思いますから」

■注目されるRENAとの一騎打ちとWBCムエタイ王座決定戦について

 ハム・ソヒに判定で逆転勝ちし、勝ち名乗りを受ける神村の前に、SBの女子エースRENAが現れた。RENAはマイクを持つと、「神村選手、おめでとうございます。今日、私も復活しました。11月23日、RISEに私が乗り込もうと思うので、あと2戦くらいやって調整するので絶対に(コンディションを)戻すのでぜひ私とやりましょう。皆さん、見に来て下さい」と神村に宣戦布告した。

「“よっしゃ、来たか”と思いました。私のホームリングはRISEなので、そういう良いカードはやっぱりRISEで見せたいじゃないですか。私はずっとSBのリングに上がってRENA選手とのエキシビションマッチや今回のトーナメントをやってきたので、やっとRISEに来てくれるのかって思いました。注目度も高いだろうし、絶対に面白い試合になると思います。RISEルールだったら負ける気はしません。RENA選手には申し訳ないですが、120%、私がKO勝ちします」

 RENA戦の前に、神村は10月2日(日)東京・後楽園ホールで開催されるWBCムエタイ・ジャパン第2回大会『The Path to the World Champion』に出場し、デニス・メラー(イギリス)とWBCムエタイ女子インターナショナル・ライトフライ級王座決定戦を行う。

「楽しみですね。RENA選手とやる前に、凄くいい試合が出来ると思っています。タイトルマッチというものはいろいろ神経を使うんです。メンタル面でプレッシャーに押し潰されそうになるんですが、その中で練習して自分に勝った方がチャンピオンになるじゃないですか。そういう大事な試合がRENA戦の前にやれば自信になりますし、いいメンタルで臨めると思います」

 女子格闘技界の主役に躍り出た神村。メラーとのタイトルマッチ、そしてRENA戦と話題が尽きることがない。最後に神村は「GBRさんのMVPは毎月私がいただきます」と宣言した。

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