パンチとローを主武器とする選手が増える中、左ミドルを中心に攻撃を組み立てるムエタイスタイルで快進撃を続ける新鋭の日菜太。思い出作りでキックボクシングを始めた元サッカー少年がいかにしてプロのキックボクサーとなったのか。さらに左ミドルへの熱い想いを語った!
■白須選手のローも強いですけど、僕のローも強いですよ
――5月大会ではチャンピオンマッチの第一戦として白須康仁選手との試合が決まりました。どんな心境ですか?
「うれしい気持ちが半分と、やばいなという気持ちが半分です(笑)」
――白須選手に対してはどんな印象を持ってます?
「僕がキックボクシングを始めた頃からMAではチャンピオンでしたし、今年3月にクンタップにKO勝ちしたじゃないですか。あの衝撃的なKOを見てしまったので、これは凄いなと思いましたね」
――いつかは白須選手と戦うんじゃないかという予感はありました?
「70kgでやっている以上、その気持ちはありました。でもこんなにすぐやるとは思ってませんでした(笑)」
――ファイターとしてはどのような選手だと分析していますか?
「ローキックが強いと言われていますけど、僕はパンチを注意しないといけないと思っているんですね。結構、どの選手も白須選手にパンチを効かされているんで」
――白須選手は強面なビジュアルですけれど、実はかなりのテクニシャンですよね
「はい。スイッチしたりもしますし、ローキックだけが強いという認識はないです。年末に城戸(康裕)さんとやった試合も、結果は白須選手がダウンを取られて判定負けでしたけど、僕はあの試合はドローでもいいと思ってますし」
――K-1MAXの日本トーナメントに出ても十分に通用するレベルの選手だと思います?
「そうですね。全然、MAXでも勝てる選手だと思いますよ」
――トータル的にレベルの高い白須選手に勝つためには何が必要だと思いますか
「白須選手のビデオを見て対策も立てていますけど、やっぱり自分を貫くことじゃないですかね」
――ということは白須選手のローVS日菜太選手のミドルという図式ですか?
「そうなると思っています」
――ちなみに日菜太選手はローは得意な方ですか?
「はい。実は僕、ローも強いんですよ(笑)」
――年末のDoAでは拳士選手をローで破壊しましたよね。
「去年、夏休みを利用してタイに行って来たんですよ。チューワタナジムで練習して、ラジャで試合をしたんですけど、やっぱりタイ人相手にミドルを蹴っていても、勝てないんですよね。そこでどうするかと言ったらやっぱりローを強くするしかない。
実際にタイの試合でも、最初はミドルを蹴り合おうと思ったんですけど、右ミドルをバンバン蹴られて、なかなかミドルを返せなかったんです。それで僕は奥足と前足をローで狙って、これが上手く行ってKOにつながりました」
――ラジャで試合をしていたんですか?
「はい。メチャクチャ緊張しましたね。日本から行ったのは僕一人で、現地にも日本語が話せる人が一人しかいなったんです。ムエタイのスタジアムって独特の雰囲気もあるじゃないですか。だから本当にいい経験をさせてもらいましたよ。あれを一度経験しておけば、並大抵のことがあっても、もう動じないです(笑)」
――チューワタナジムではどのくらい練習されたんですか?
「2週間くらいですね」
――ジョムトーン(=ラジャダムナンスタジアム王者、15歳でチャンピオンとなったムエタイの天才児)とは練習しました?
「ちょうど僕が練習していた時期が、ジョムトーンの試合直後だったみたいで、ほとんど一緒には練習してないですね。ただ向こうの10代の若い子たちはメチャクチャ練習するし、メチャクチャ強いんですよ。フェザー級くらいの選手にも普通に首相撲でこかされましたし(苦笑)」
――それだけ練習でやられていると、自信を失くしたりはしなかったですか?
「今回がタイで練習するのは二回目だったんですが、最初にタイに行った時は『こんなところ、二度と来るもんか』と思っていたんですよ(笑)。でも二回目の時には楽しいなと思えたし、今はまた行ってみたいですね」
――主にタイではどんな技術を学びました?
「まず首相撲は全然レベルが違いますよね。あとはやっぱりミドル。日本で僕はミドルが強い方だと言われていますけど、タイの選手に比べたらまだまだだなと感じました。
練習した期間が2週間くらいだったので、何か新しい技術を習得するというところまではいかなかったですけど、試合を含めていい経験をさせてもらったと思います」
日菜太インタビュー 内容
■白須選手のローも強いですけど、僕のローも強いですよ
※以下GBR会員の方のみご覧になれます。
■僕の全てを総動員させないと白須選手には勝てないと思います。
■エクササイズ感覚でキックを始めて、いきなりアマチュア大会で優勝
■デビュー戦に負けて我龍選手に言われた一言、「悔しかったらもっと練習して強くなればいい」
■サムゴーの左ミドルを見て衝撃を受けた。 僕も左ミドルで相手の腕を潰したい。
■パンチが主体になる中で、一人くらい左ミドルの選手がいてもいいと思います。
■目標はK-1 MAXに出ること。でもただ出るだけじゃなくて、MAXで活躍する選手になりたい。 |
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