2005年3月19日(土)ソウル・オリンピック体操競技場で行われる『K-1 WORLD GP 2005 IN
SEOUL ASIA GP2005』の一部対戦カードが発表された。見どころが発表された。
谷川プロデューサーは大会の概要について、「今年は去年よりも規模の大きい、約1万五千人を収容できるオリンピック体操競技場にて行います。昨年K-1アジアグランプリ、初の韓国大会だったのですが、予想を遥かに上回る反響をいただきました。韓国では既にK-1ソウル大会のチケットが売り出されていますが、韓国ではお金を払ってチケットを購入する習慣があまりない中、1万人近くの皆様がチケットを買ってまで会場に応援に来てくださいました。大会を放映するケーブルテレビでも、サッカーの日韓戦の3倍の視聴率という数字を取り、K-1の人気が予想以上に早く韓国に浸透したのではないでしょうか。昨年100カ国くらいで海外でK-1の試合が放映され、今年は"世界進出、真の元年"ということで海外を中心にこのワールドグランプリシリーズは行っていきたいと考えています。その皮切りとなる今回の韓国大会は日韓交流の記念の年ということもあり、昨年以上のスケールで行うつもりです」とコメント。
今回はエンターテイメント面にも前回以上に力を入れ「現在は韓流ブームで、韓国のタレントさんでもK-1ファンの方が非常に多い。あのヨン様もテコンドーをやっていたようですね。今回、韓国で人気ナンバーワングループの"神話(SHINHWA)"の皆さんが、韓国国歌斉唱を行うことになりました。これは韓国国内では、画期的なことだといわれているようです。今年1月には大阪と東京でコンサートを行い、両公演共にソールドアウト。日本での人気の高さも改めて示しました。その他ゲストも多数出場予定。期待していて下さい」と語った。その後、今回の対戦カードが発表された。
最大の注目を何と言っても曙×角田の一戦。谷川プロデューサーはこのカード決定について「角田選手の復帰相手については色々考えた末「曙選手とお願いします」と提案しました。本人は悩まれたかと思いますが、最後には「押忍」と引き受けていただきました」と説明した。現役復帰となる角田が今の心境について語った。
「まずはじめに、『これで最後の試合です』と言って引退した2年前の試合に声援を送ってくださった皆様の気持ちを今回裏切る形となってしまいますが、それについてお詫びをしたいと思います。引退試合を非常事態の中、やらなければいけなかったという事情もありますし、負けた悔しさしか残っていません。歯切れの悪い試合であったということが根底にあります。
引退から2年の間、K-1を裏側から支える仕事をしながら、自分に欠けているものは何かということを武道家の原点に戻って考えたところ、"日々チャレンジをすることである"ということを、もう一度自分の中に見出す事が出来ました。44歳という年齢でリングに復帰するという事に関しては、そう簡単なことではないのは承知しているが、私の決意、覚悟というものを腹をくくってリングに戻ってくるつもりで、着々と準備を進めています。K-1ファイターとしての角田信朗は、2年前のラスベガスで引退しました。今後は一空手家に戻って、自分自身の挑戦のためにリングで戦うことにしました。そのテーマは"アンチ・エイジ"。いわゆる年齢の限界を超越したところで心技体を見せようと思います。
今回の第一戦で、素晴らしい対戦相手と激突することになりましたが、私自身勝ち星をプレゼントしようなどという気は毛頭ございません。
たぶん26年空手を続けてきた中で、最もハードで密度の濃いトレーニングを続けている最中です。未だかつてなかったような最高のコンディションで、素晴らしい試合をお見せできるのではないかと思います。皆様どうか懲りずに応援よろしくお願いします」
対する曙は「対戦相手があの角田さんという、素晴らしい方と対戦が出来ることを光栄に思います。ベストの状態で試合に望めるよう、面白い試合が出来るように現在トレーニングを続けています。去年は皆様ご存知のように勝ち星を挙げることは出来なかったので、今年は必ず勝利できるよう、頑張っていきます」と、角田へのリスペクトの意志を表す一方で、初勝利へと意欲を燃やした。
前回のアジアGPディフェンディングチャンピオンで、昨年のK-1WORLDGPで大ブレイクしたガオグライ・ゲーンノラシンもGPにエントリー。谷川プロデューサーによれば、ガオグライは昨年のベスト8ファイターなので、本来トーナメントに出る必要はないのだが、あえて本人は"ヘビー級により慣れるため"、"アジアグランプリのディフェンディングチャンピオンとして"という2点の理由から出場を決意。本人は優勝する気満々だという。
またK-1デビュー戦となるチェ・ホンマン。一回戦の相手がまだ決まっていないものの、「誰と戦っても自信はありますし、最善をつくすだけです。よろしくお願いします。ガンバリマス」と意気込みを語った。
なお、スーパーファイトにはレミー・ボンヤスキーとピーター・アーツが出場。対戦相手は現在交渉中とのこと。以下会見での質疑応答。
―曙選手と角田選手、それぞれお互いの印象は
角田 去年の9月くらいから、トレーニングは始めていました。しかし一回戦の対戦相手が曙選手とは、まったく予想だにしていませんでした。今回挑戦者の気持ちに立ち返るということであれば、敵は己の中にあると思っています。私の復帰戦の初戦の相手としては本当に素晴らしい事だと誇りに思いますし、全力で立ち向かう事が最大の礼儀であると思います。
26年間トレーニングをしてきた中で初めてトレーナーに付いて、まったく新しいトレーニング方法に出会いました。恐らく今までのベストコンディションの5倍は強くなっているんではないでしょうか。残り6週間、このトレーニングを続ける事で、皆様が驚かれるような全く新しい戦いをお見せできるのではないだろうかと思います。
曙 相手が角田さんとは、K-1に転向してからまったく予想していませんでした。聞いた限りでは前より強くなったと言っていますが、私自身、それに負けないように一生懸命努力して、ベストの状態で韓国のリングに上がりたいと思います。
―「白星をプレゼントする気はない」というのは、どのようなスタイルでも勝つということなのか
角田 勝負である以上、勝つのが大事だが、僕は勝負師である前に武道家だと思っているので、潔い戦いをしたいです。これは相手が誰であっても変わらない、僕のスタイル。とにかく勝つのではなく、いかにして勝つかという戦いをしたいと思います。
―「面白い試合」というのはどのような試合運びか
曙 今まで白星がないのですが、韓国大会では角田さんだけではなく、すべての試合に勝利する意気込みで試合に望むということです。努力で白星を取ります。
―一回戦を勝ちあがると、曙選手や角田選手といった注目選手と対戦する事になるが
チェ 誰と戦うかというのは関係なくて、相手が誰であっても最善をつくす、ということです。自分の母国で大会があるということで、頑張るつもり。今はボクシングトレーニングを中心にやっています。どんな技なのか、というのは、試合当日までのお楽しみです。
―一回戦を勝ちあがると、チェ選手との横綱対決の可能性があるが
曙 それよりも、まずは一回戦を勝つことが目標です。もしチェ選手との対戦が実現したら、相撲対決でぜひ勝ちにいきます。自分より大きい人にはほとんどあったことがないし、自信があるからK-1に転向したのでは、というのが彼への印象。
―その曙選手のコメントを受けて
チェ 自分も曙選手が大好きで、尊敬している。お互い相撲のチャンピオンではあるが、今回の舞台はK-1のリング。今までのシルムの舞台を捨てて、新たな気持ちで挑戦したい。
FEG「K-1
WORLD GP2005 IN SOUL」
2005年3月19日(土)韓国・ソウルオリンピック第1体育館
開場13:00 開始15:00
<出場選手>
▼ASIA GP 3分3R
▽一回戦
ガオグライ・ゲーンノラシン(タイ/伊原道場)
VS
張慶軍(中国/北京盛華武術ファイティングクラブ)
イ・ミョンジョ(韓国/フリー)
VS
堀啓(日本/チーム・ドラゴン)
曙(日本/チーム・ヨコヅナ)
VS
角田信朗(日本/正道会館)
チェ・ホンマン(韓国/フリー/韓国相撲横綱)
VS
現在交渉中
▽準決勝
ガオグライ×張の勝者
VS
堀×イの勝者
曙×角田の勝者
VS
チェの試合の勝者
▽決勝
※優勝者が9月に予定される『K-1
WORLD GP2005開幕戦』の出場権を獲得
▼スーパーファイト
ピーター・アーツ(オランダ/チーム・アーツ)
レミー・ボンヤスキー(オランダ/メジロジム)
<お問い合わせ>
FEG=03-3796-5060
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