――今年の日本トーナメント全体を通してどんな印象を持ちましたか?
有名な選手が出ていないので、一般の人には「どうなんだろう?」という部分があったんですが、会場は満員でした。ただしKO決着が少なく、過去4大会と比べると、正直レベルは劣っていたと思います。その中で良かったのは新しい選手を含めアグレッシブに戦う姿勢が見られたことでしょうね。例えば、TATSUJIなんかはダイヤモンドの原石のような存在であり、そういった選手が出てくることは将来的にK-1の発展につながる。選手にとっても試合に勝る経験はないわけですから、こういった選手育成の大会はどんどん開くべきだと思います。特に日本人同士で凌ぎを削らせて、そこで選手を育てるべきですね。
――日本人同士で戦うことに意味があるんですか?
ええ、日本人同士はまだレベルに差がないですから。外国人選手を考えた場合、MAXに出てくるような選手はそれこそキャリアもあり、百戦錬磨の選手たちばかりです。そういう選手とキャリアの浅い日本人選手が戦ってもまず勝てない。実力差は歴然です。まずは日本人同士で戦って全体の底上げをしてから、世界に挑む必要があるでしょう。特に今回のように新しい選手が多く入ってきた時期ですから、彼らには積極的に試合を組んで欲しいと思います。
――なるほど。では優勝した佐藤選手についてはどんな評価をしていますか?
私は佐藤選手の実力を認めているんですけど、やはりもっと強さをアピールして欲しかったですよね。あのメンバーなら新田選手以外には圧勝、つまりKOしてもらわないと。彼にはそれだけの実力がありますし、差を見せて欲しかった。
ただしワンデイトーナメントということや、負けられない部分もあったと思うので、それが影響したのかもしれません。ワンマッチの試合であれば、もっと強い佐藤君を見られるんじゃないですか。
――スタイル的な部分はどうでしょう。もっと倒しにいくべきだという意見が多い佐藤選手ですが、伊藤さんはスタイルを変えるべきだと思いますか?
その必要はないでしょう。むしろ佐藤君には今のスタイルを追及して、”佐藤流”を完成して欲しい。今の佐藤君は一時期の…
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