2カ月弱の短いインターバルでオクタゴン再登場となった岡見勇信(慧舟會東京本部=写真上)、そして初めてのUFC出場となる弘中邦佳(アカデミアAz=写真中)。二人の日本人選手が出場する『UFC64』の公開計量が、10月13日(金・現地時間)翌日の決戦の場と同じマンダレイベイ・イベンツセンターで行われた。
複数の日本人選手が、一つの大会に出場するのは2002年3月の『UFC36』以来のことで、実に4年半ぶりとなる。
第3試合でカナダのカリブ・スターンスと対戦する岡見は、185ポンドとリミット丁度でパス。二度目のUFC出場、会場も同じマンダレイベイということもあり、前回よりも幾分リラックスしているように感じられた。
ことあるごとに前回の試合に関して「勝ったことは勝ったけど、内容には納得していない」という岡見。今後、さらに上を目指すための試金石となる明日の試合だが、「良い試合」への拘りが、勝負をどう左右するのか。自然体でオクタゴンに上がり、無心で闘えるかが鍵となってくるだろう。
一方、4月にハワイの金網大会『ランブル・オン・ザ・ロック』で、ブラジル人の強豪ヘナート・ベヒーシモを破り、5月にはロサンゼルスで行われたグラップリング大会『LA SUB
X』で組み技界の伝説ジャンジャック・マチャドを下している弘中。
これらの勝利で、UFC幹部の目にとまったわけだが、茶帯時代にブラジルで柔術世界大会、リトアニアで修斗公式戦を経験。総合やグラップルのシングルマッチでは負けなし、柔術でも無差別級で大活躍するなど海外での強さは定評がある。
その実、海外遠征のたびに時差ボケとホームシックにかかり体調は万全でないという弘中だが、岡見同様リミットいっぱいでパスするなど、コンディションは上々のよう。
対戦相手「無名の強豪ナンバーワン」といわれるジョン・フィッチは、以前は一階級上で活躍してきたファイター。体の絞りこみは相当なもので、弘中を見つめる視線からも溢れる闘志が伺えた。そのフィッチを見て、「弱そう。勝てるね」とコメントを残す弘中。自らを鼓舞するために、自信に満ちた言動を繰り返すが、これまで通り有言実行となるか? 全ては明日、明らかになる。
なお、ライト級王座決定戦に出場するケニー・フロリアンとショーン・シャーク、UFC世界ミドル級王座防衛戦に挑む王者リッチ・フランクリンと挑戦者アンデウソン・シウバ(写真下)らも、無事計量をパスし、明日のチャンピオンシップにむけ上々の滑り出しを見せていた。
写真撮影&レポート=高島学
Photos&Report=Manabu Takashima
ZUFFA
「Ultimate Fighting Championship 64」
2006年10月14日(土・現地時間)米国ネヴァダ州ラスベガス
マンダレイベイ・イベンツセンター
<全対戦カード>
▼ミドル級選手権試合5分5R
リッチ・フランクリン(アメリカ/王者)
VS
アンデウソン・シウバ(ブラジル/挑戦者)
▼ウェルター級5分3R
ジョン・フィッチ(アメリカ)
VS
弘中邦佳(日本)
▼ライト級王座決定戦5分5R
ケニー・フロリアン(アメリカ)
VS
ショーン・シャーク(アメリカ)
▼ヘビー級5分3R
チーク・カンゴ(フランス)
VS
カルメロ・マレロ(アメリカ)
▼ライト級5分3R
スペンシャー・フィッシャー(アメリカ)
VS
ダン・ローゾン(アメリカ)
▼ライトヘビー級5分3R
キース・ジャーディン(アメリカ)
VS
マイク・ニッケルス(アメリカ)
▼ミドル級5分3R
岡見勇信(日本)
VS
カリブ・スターンス(カナダ)
▼ライト級5分3R
ジェスティン・ジェームス(アメリカ)
VS
クレイ・グゥイダ(アメリカ)
▼ライト級5分3R
カート・ペリグリーノ
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ジュニオル・アスンサォン(アメリカ)
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