10月24日（金）東京・水道橋のフィットネスショップFSファイティングアカデミーで記者会見が行われ、11月16日（日）東京・新宿FACEにて新しい女子の総合格闘技団体『JEWELS（ジュエルス）』が旗揚げ戦を行うことが発表された。

　会見の冒頭、主催である株式会社マーヴェラスジャパンの尾薗勇一代表取締役は、旗揚げまでの経緯をまず説明。

「元々、私が格闘技が大好きで、いろんな会場へ足を運んでいたんですが、特に好きだったのがスマックガールでした。ある日、専門誌を読んでいたらそのスマックが消滅という記事を見まして、居てもたってもいられなくなり、友人でありビジネスパートナーの中井がスマックと関係があったことから篠代表と話しをしました。

　篠代表に聞いたところ、スマックの継続は不可能と聞きまして、それなら私にスマックガール、女子総合格闘技を譲っていただけないでしょうかという話をしました。それでお互いの想いが合致して、スマックの運営権を譲渡していただきました。

　当初はスマックガールの名で運営していけたらと考えていたんですが、未払いや大会の度重なる延期などの悪いイメージがあり、新体制で運営するにあたり心機一転、名称を変更して再出発することがさらなる飛躍に繋がると思いました。

　女子格闘技で夢と感動を提供し続け、選手・スタッフ一丸となって素晴らしい大会に築き上げていきたいと思います」

　そして、ジュエルスの旗揚げにあたり「強力な方に協力していただけることになりました」と、DEEPの佐伯繁代表を紹介、佐伯代表が登壇して挨拶した。

「DEEPの後楽園ホール大会、地方大会で女子の試合を組んでいまして、12月くらいにスマックさんといい関係でやっていきましょうと話をして、協力させていただきますとリング上でも発表したんですが、こういう結果になって寂しい思いをしました。

　正直、スマックガールの悪い情報ばかり入ってきて、大会は出来ないと聞いて、このままなくなるんじゃないかという話になり、その中で闘う場所がなくなるのが一番厳しいと。本当にウチで女子の大会を立ち上げようかと悩んでいたんですが、女子格闘技も厳しい状況なので、簡単にやるとは言えなくて悩んでいました。その時にこの話をいただき、協力しあって一緒に頑張って行きましょうというのが経緯です。

　バル…バルバロ？　バル何とかが（ヴァルキリーのこと）旗揚げしたみたいですから、あっちはあっちで太ったヤツがやるので、あれがやるなら俺がやると対抗意識もあります。いい意味での活性化というか、同じ月に旗揚げ大会が二つあるんですが、日程をズラして逃げるのではなく真っ向から勝負しようと日程を決めました。

　11月に2つの新しい女子格闘技が出来ることで、女子格闘技が盛り上がる、いい意味でのライバル心が生まれると思います。バルさん（ヴァルキリーさんの略）とは進む道は違うかもしれないけど、何かあれば潰しに行きたいと思いますし、ジュエルスを継続していくのが一番大切なことだと思います。

　運営側もしっかりとギャラの未払いとかなくやっていくことが大切じゃないかと。スマックガールで悪い話もありましたが、真面目に取り組む姿勢が大事だと思います。打倒バルさんで！」と、なぜかヴァルキリーに対して好戦的な佐伯代表だった。

　尾薗代表は次のようにこのジュエルスのコンセプトを説明する。

「スマックガールの篠さんがやってきた体制よりも、継続することを優先します。正直、規模を縮小します。会場は新宿FACEを中心に、下北タウンホールなどで地道に継続してやっていこうと思います。継続が第一なので身の丈にあった興行を継続してうっていきたい。ただ、夢を持っていずれは大きくやっていきたいと思っています」

　これを受けて佐伯代表は「後楽園ホールでやってたスマックを見て、せっかくいい試合をしているのに会場に追いついていないと感じました。試合を壊している感じを受けました。瀧本選手としなしの一昨年にFACEでやった試合は、お客さんがいっぱいいる中で盛り上がったので、そういう空間を大切にしたいということです」と補足説明。

　さらに佐伯代表はジュエルスのコンセプトも明確にする。

「石岡と長野はスマックガール最後の時期を、ある意味で引っ張ってきた二人。彼女らが闘うのは将来を考えると今のタイミングがベスト。2〜3年して二人が成長した時に、また闘えば、というのがある。この二人がジュエルスのエース、柱になるでしょう。

　女子格闘技を一般の人に見てもらう仕掛けとして、綺麗、可愛いが必要な部分はある。それをきっかけに見に来ていただいて、こういう選手もいるんだ、こんな強い選手もいるんだと思ってもらえればいい」と、ジュエルスは選手のビジュアルも重視する意向であることを明らかにした。

　そして、「ウチとの連動もあるので、しなしさとこ、MIKUも来年以降に参戦します」と大物の二人も投入することを発表し、「素晴らしい試合になれば、DEEPの後楽園ホール大会でワンマッチを組むという連携をしたい」とした。

　ジュエルスにもヴァルキリーにも名を連ねていない藤井惠については、「タイミングが合えば出てもらいたいし、お話はさせてもらっています。今後参戦がある選手だと思っていてください。今回ヴァルキリーに出る選手に関しても、全員参戦する可能性はありますが、ある程度タイミングをとるという形です」（勝井）、「ぶっちゃけ、フジメグ選手の相手として十分な選手を用意するのは難しい。相手にふさわしい選手がいない。ある程度育ってこないとオファーするのが難しい状態です」（佐伯）と説明。

　しかし、佐伯代表は「スマックにしてもトップの選手がずっと同じだった。女子格闘技がメジャーになるには、若い選手をどんどん育てていくしかない。2年以内にトップと入れ替わらないと、進んでいくためにはどうにもならない」と、早くフジメグらを倒す若手を育てることが大事だと主張した。

　11月8日に旗揚げする女子金網総合格闘技の『ヴァルキリー』については、「ぶっちゃけ、バルさんも選手は主要メンバーを考えているだろうし、こちらサイドでもこの選手でやっていこうと考えています。出ちゃいけないではなく、お互いに流れが出てきた中で、何でもかんでも一緒だと色がなくなるでしょう？　レギュラーではない選手はお互いに出てもいいだろうし、どっかのタイミングで乗り越えたら対抗戦が出来ないかという考えもあります。

　ただ、1年くらいはベースとなるレギュラーメンバーを固めていきたい。もしかしたら2回目くらいから選手を送り込む関係が出来るかもしれませんが、それはまだ分かりません。あっちのデブとは考え方が違う部分もあるし、金網とリングの違いも面白くなるんじゃないですか」と、将来的には協力することもあるかもしれないが、まずはお互いの地固めをしてから、と佐伯代表。

　なお、スマックガールの篠代表は完全に身を引き、「個人的にアドバイスを頂いたりすることはあるかもしれませんが、運営面や経営には口を出さない」（尾薗代表）という。会見終了後には、以下の篠代表からのリリースが配られている。

関係者各位

この度、女子総合格闘技SMACKGIRL代表の座を辞任させて頂くことになりました。私は『女子総合格闘技』というジャンルを育成するべく、八年間に渡って歩んできました。波乱万丈の八年間、辞めるか否か激しい気持ちの揺れはありましたが、流れを変える動きが必要だと考え、また指揮をとってきた結果責任も含め、代表の座を辞任するという道を選ぶこととなりました。もちろん、協議する中で後継して頂く方々に期待する部分も大きくあり、『女子総合格闘技SMACKGIRL』を幸せに育ててくださると確信できたので、全てを託して辞任することを選択させて頂きました。
『女子総合格闘技SMACKGIRL』は無限の可能性を秘めていると考えます。新体制になっても必ずや最高のステージを提供して、夢や感動を届け続けていくかと思いますので、引き続き応援の程、何卒宜しくお願い申し上げます。
なお、私個人、これからは客席より娘の成長を見守り続けたいと考える次第です。
復唱することになりますが、この八年間は波乱に満ちた最高の人生を歩ませて頂きました。
選手、関係者の皆様、そして応援してくださった多くの方々には言葉では伝えきれない程、本当に感謝の気持ちで一杯です。本当にありがとうございました」

マーヴェラスジャパン
「女子総合格闘技ジュエルス旗揚げ戦」
2008年11月16日（日）東京・新宿FACE
開場18：00　開始18：30
オープニングファイト開始18：10

＜決定対戦カード＞

▼総合ルール　−52kg契約　5分2R
石岡沙織（空手道禅道会）
VS
長野美香（S-KEEP）

▼総合ルール　−49kg契約　5分2R
瀧本美咲（空手道禅道会）
VS
吉田正子（アゲ♂アゲ☆）

▼総合ルール　−48kg契約　5分2R
Sachi（空手道禅道会）
VS
金子和美（パンクラスP’sLAB東京）

▼総合ルール　−60kg契約　5分2R
HARUMI（アゲ♂アゲ☆）
VS
杉山しずか（空手道禅道会）

※全8試合前後を予定。

＜チケット料金＞
VIP（最前列）席10,000円　S（カウンター/2列目）席7,000円
RS席5,000円　自由席3,000円※満席の場合は立ち見
※入場時にドリンク代として別途500円が必要。当日券は各席500円増し。

＜チケット販売所＞
チケットぴあ＝TEL：0570−02−9999（Pコード：813−108）※10月25日より発売
書泉ブックマート＝TEL：03−3294−0011※10月27日より発売
フィットネスショップ水道橋店＝TEL：03−3265−4646※10月27日より発売
後楽園ホール＝TEL：03−5800−9999※10月31日より発売

＜お問い合わせ＞
マーヴェラスジャパン＝TEL：03−5458−2536