柔道の北京五輪男子100キロ超級金メダリストの石井慧選手(国士大)が3日、大阪市内のホテルで記者会見し、プロ格闘家への転向を正式に表明した。
会見冒頭で石井は「今日11月3日をもちまして総合格闘技に転向してプロとしてやっていきます。目標である60億分の1を目指していきます」と総合格闘技で頂点を目指すことを宣言。
転向の理由を「自分は一番強くなりたいという思いが凄くあって、自分の価値観は、賛否両論なんですけど、自分の中では総合格闘技が一番強いと思っているので選びました」と説明した。
所属団体や今後の具体的なスケジュールについては、「闘う場所は親や関係者の人たちと相談して決めたい。まだ、全然何も決まっていない状態です」と話すにとどまり、10月31日に全日本柔道連盟に強化指定辞退届を提出しての転向表明については、「中途半端にやって勝てる甘い世界じゃない。
しっかりと下準備をして本当にMMAで勝てる実力をつけて、MMAに失礼のないように闘いたい。柔道で金メダル獲ったことは捨てて、本当に総合格闘技の白帯として一から積み上げていって向こうの世界で勝負したいです」と、真摯な姿勢で新たな競技に臨む覚悟を語った。
また、総合格闘技転向を決めた時期を、「今年に入ってからですが、代表が決まる前からオリンピックで勝とうが負けようが、総合格闘技の世界に飛び込んで行こうと思っていました」と明かしたとおり、総合格闘技への思いは強く、「昔からヒクソン・グレイシーを尊敬してましたし、ハワイのBJ・ペン選手なんかは大好きで、映像もよく見ています」とMMAマニアぶりも披露、UFCなどのケージ大会参戦も視野に入れて練習を積んでいく意向も示した。
すでに都内ジムで総合格闘技や打撃の練習も積んでいる石井は、柔道とは異なる総合格闘技の難しさを、「打撃を一から凄い練習してますし、寝技もやっぱりギ(衣)がないので、つかむのも大変」と吐露しながらも、「柔道家の身体とMMAの身体は違うので絞っている。
自分は100kg超級だったので、太りにくい体質を食べて太らせようとして柔道家のときには筋肉がついてたんで、そういうところを絞ってMMAの身体に変えています」と柔道時代は無敵だった110kgからの減量も含め、肉体改造に取り組んでいることを明かした。
さらなる“強さ”を求め、柔道金メダリストではなく総合格闘家として一からスタートする決意を語った石井。その挑戦は成功するか。格闘技界のみならず、世間も注目している。(ゴング格闘技)
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