↑(後列右から)マグナム酒井、加藤督朗、吉本光志、藤原あらし(前列右から)KICK☆、小林聡、ヌンサヤーム会長、会津康成氏
7月23日(金)東京・大久保のヌンサヤームジムにて、『天使がくれた戦う心』文庫本発売記念イベントが行われた。
同書は作家・会津康成氏が、ヌンサヤームジムのヌンサヤーム会長の来日当初を取材したノンフィクション作品で、ひ弱な日本の少年とムエタイ元王者の感動の物語。2003年に情報センター出版局から刊行された作品で、スポーツ総合雑誌『Number』のスポーツノンフィクション新人賞を受賞した。
今回は文庫版が祥伝社より発売となり、その記念イベントとしてヌンサヤームジムに当時弟子だった加藤督朗(元MA日本キックボクシング連盟ライト級、WMTA南太平洋スーパーライト級、初代WPMF世界ウェルター級王者、現PHOENIXジム会長)、現在指導を受けている藤原あらし(バンゲリングベイ・スピリット)、吉本光志(ヌンサヤーム)、一緒に練習していたという小林聡とマグナム酒井(士魂村上塾)らが集った。※イベント終了後に大月晴明も到着
会津氏の挨拶から始まり、出席者たちからヌンサヤーム会長との思い出が語られた。
マグナム酒井
「ヌンサヤームさんと初めてあったのはタイです。ジムがある路地の名前だけ書かれたメモを渡されて迷いながら行ったんですが、ヌンサヤームさんが住むところとかを準備してくれていて、いろいろよくしてくれました。教わった技術の中で、ひとつだけこれは誰にも負けないというものを授かったので感謝しています。トシなんであと何戦できるか分からないけれど頑張ります」
加藤督朗
「ヌンサヤームさんとは山木ジムで5年くらいペアを組んでやらせてもらいました。それまでムエタイスタイルではなくて、成績がよくなかったんですが、教わってムエタイスタイルに変えてからはチャンピオンになれました。ヌンサヤームさんは気持ちで教えてくれるので、気持ちがつながっていい結果を出せたと思います。タイでチャンピオンになった時、ヌンサヤームさんが喜んでくれて凄く良かったです。ヌンサヤームさんから教わった、気持ちで教えるということを自分もジムでやって、先日REBELSでチャンピオンが生まれました。ヌンサヤームさんから伝えられたことを教えて結果が出たので、これからも頑張ります」
小林聡
「ヌンサヤームさんとは会津さんの紹介で、引退する1年前からスパーリングをやらせてもらったり、技術を教えてもらいました。自分は藤原敏男という先生に教わりましたが、現役ギリギリでヌンサヤームさんの心と技術を知ることが出来てラッキーでした。皆さんもご存知の通り全日本キックがなくなりまして、現在は会津さんの叱咤激励を受けて、芝居をまた鍛えなおしたり、高校の授業でキックボクシングを青少年に教えています。これからもヌンサヤームさんとは友だちでいたいと思っています」
吉本光志
「ヌンサヤーム会長の元で指導をさせてもらったり、教えてもらっています。ヌンサヤーム会長とは心がひとつになったと思っています。カノンスックとやった時、相手が同じタイ人なのに僕が勝ったことを心から喜んで笑ってくれて、ひとつになれたと思いました。僕の価値を認めてくれたんだなと。ヌンサヤーム会長に教われて本当に良かったと思います。ヌンサヤーム会長は技術だけでなく、自分はまだ途中で学んでいるところですが、ヌンサヤーム会長のチャイスー(戦う心)をしっかり練習して仲良くしていきたいと思います。ヌンサヤームジムのトップ選手として頑張っていきたいと思います」
藤原あらし
「僕はヌンサヤームジム所属ではないんですが、ずっとヌン先生から指導を受けて今もこうやってヌン先生のチャイスーを少し練習の中でいただいて、試合で使わせていただいています。出会いは全日本キックのタイ遠征が決まった時に、前のジムの会長に練習に行ってきなさいと言われて、そこから指導をしてもらっています。ヌン先生は今までやったタイ人よりいまだに一番強いです。一番教えられたのはチャイスー。目の前の相手を獲物だと思ってやれ、という言葉が一番印象的で、そのつもりでやっています。これからもご指導願いたいと願っています」
また、ゲストとしてムエタイをネタにするお笑い芸人KICK☆も参加。「ヌンサヤームさんにはK-1トライアウトの時に2回くらい教わりました。僕もチャイスーで、舞台で万が一ウケなくてスベろうが、退かないでネタをやる心でやっています。僕が売れることがキックボクシングの普及につながると思って頑張ります」と挨拶した。
トークの後にはあらし、加藤、マグナムのミットをヌンサヤーム会長が受け、小林がKICK☆を相手にアトラクション(KICK☆がネタをやり、スベったところで小林がお仕置きで攻撃する)を披露。ジム内は笑いに包まれた。
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