9月24日(金)東京・新宿にあるブックファースト新宿店にて、「ヒクソン・グレイシー無敗の法則」刊行記念記者会見&サイン会が行われた。
400戦無敗と謳われるブラジルの柔術家ヒクソンの初の著書であるこの本には、現在の格闘技界に対して苦言を呈し、また、彼自身が人生を通して体得した教訓、問題の解決方法などが語られている。
出版にあたり、緊急来日したヒクソンは「現役を続けることで、何も証明する必要がなくなった」「いいオファーがいいタイミングで来なかった」「厳しい練習、歳のせいで肉体的にベストな状態をキープすることが難しくなった」という3つの理由をあげ、現役を引退していたことを表明。「もうプロとしてリングに上がることはない」という。
「引退後、次の目標を考え始めていたときに、自分自身がやってきた柔術を一人でも多くの人に正しい護身術を広めたいと思った。また、格闘技に縁のない人たちに、私が学んだ哲学を表現しようと思った」ことで今回の執筆に至ったという。
現在の格闘技界の現状については「残念ながら競技だけのイメージだけが注目され、格闘技のいいところが抜けていると思う」と語り、「日本の格闘家には、技術、才能、力のある選手が大勢いると思う。でも残念ながら今の試合ではラウンド数や時間が短く、階級も細かく分かれてしまい、腕力、フィジカルがモノを言う時代になりテクニックは見てもらえない。日本人選手は今のルールでは不利。技術、テクニックが同じ力を持つ者同士の戦いの中で、片方が相手のミスするのを持っていると、時間制限のある試合ではその戦略を持てなくなる」と持論を展開する。
ヒクソンを尊敬している石井慧についても言及し、「私は運というものは信じないし、頼りにしていない。彼が努力して良い戦略を練って明日の試合に備え、よい結果になることを望んでいる」とし、明日のDREAMでのミノワマン戦を控えた石井に向けてエール。
現在、50歳のヒクソン。「人生は一区切りついた。物凄くエキサイティングな人生を送っているし、もう50年は生きるつもりなので注目して欲しい」とした。
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