全日本キックボクシング連盟
ALL JAPAN KICKBOXING 2005
「MOVING」
2005年2月6日(日)東京・後楽園ホール
開場17:00 本戦開始18:30
▼メインイベント 70s契約 3分5R
WKA世界ウェルター級&WPKC世界Sウェルター級王者
○佐藤嘉洋(名古屋J・Kファクトリー)
判定 3−0 ※50−39、50‐39、50‐39
●山本優弥(BOOCH BEAT)
1R、山本は右ローにバックキックを合わせる、振りかぶっての右フックと変則的な動きを見せるが、佐藤は余裕でそれらをかわして左ロー。山本の奥足にローを集中させて、山本が右ストレートで遠距離から入ってくるところへカウンターの左テンカオをグサリ。これでダウンを奪うと、佐藤はテンカオから組みヒザ蹴りの連打、山本が崩れるところで顔面へ膝を入れて2度目のダウンを奪う。圧倒的な力の差を見せられ、山本はゴングに救われた。
2R、佐藤は怒涛のヒザ蹴り地獄で2度のダウンを追加。山本は渾身の右アッパーで逆転を図るが、すぐにヒザ地獄に引きずりこまれる。佐藤はヒジ、ヒザと上下に揺さぶりをかけてヒザを突き刺していく。まるで一方的な展開となった。
しかし3R、佐藤の手が止まったところで、ロープを背負った山本が大反撃を開始する。窮鼠猫を噛む渾身の左フック、右ストレートで佐藤の頭が大きく揺れる。佐藤は捕まえてヒザでトドメを刺しに行くが、山本はなりふり構わないガードで凌ぐ。
4R、再び前に出る佐藤は前蹴りの連打からのヒザで、この試合5度目のダウンをカウント。右ストレートで仕留めに行ったが、ここで山本が驚異的なタフネスぶりを発揮してパンチで猛攻。コンビネーションで前に出て、度々、右ストレートと左フックを打ち返す。佐藤もコーナーへ前蹴りで詰めるが倒しきれず、逆襲のパンチを浴びる。
5R、右ローキック、右ハイキック、ヒジ、ボディから顔面へのヒザと攻める佐藤だが、山本がガンガンとパンチで前へ出てくるため攻めきれない。山本の大奮闘に判官びいきの観客から大歓声が挙がり、山本の攻撃を後押しする。佐藤のセコンドの小森会長から「なぜ待つ!」「まぜ自分から行かない!」と怒声が飛んでも、攻めきれない佐藤。山本は胴廻し回転蹴りまで繰り出す。試合終了のゴングが鳴ると、小森会長はタオルを叩きつけ、怒りを露にしてさっさと控え室へ帰ってしまった。50-39というワンサイドの内容にも、佐藤は格下の相手をKO出来なかった悔しさから笑顔はなし。リング上での勝利者インタビューもなくすぐにリングを降り、インタビュースペースにも姿を現さなかった。
▼第7試合 全日本ヘビー級選手権試合 3分5R
挑戦者 同級2位
○郷野聡寛(パンクラスGRABAKA)
KO 4R1分33秒 ※右ストレート 郷野が新王者に
王者
●西田和嗣(SVG)
国家吹奏時、ロープを揺らしたりストレッチをしたりと落ち着きのない西田に対し、微動だにせず仁王立ちしていた郷野。試合前の両者の佇まいは、そのまま両者の精神状態を現しているかのようだった。
1R、西田が強い右ローキックで先制。ミドルキックも放ち、プレッシャーをかけて前へ出るが、郷野がジャブを出したりフェイントをかけると西田はガードを固めて下がってしまう。またはクリンチ。手数は少な目の郷野だったが、後半には潜り込むようなアッパーからのパンチのコンビネーションを披露した。
2R、パンチを打ってこない西田に郷野のボディワークは不発。それならばと、ジャブで自分から打ったりフェイントを使って誘うが、西田はすぐにガードを固めて下がる。業を煮やしたか、郷野はディフェンシブなスタイルを捨てて、パンチのフェイントで西田のガードを上げさせて左ミドル。これが面白いように入る。西田は自分からローキックで出る時は強いが、郷野にプレッシャーをかけられるとアッパーからのコンビネーションをもらってしまう。
3R、パンチを出す仕草をすると怖がって丸まってしまう西田に、郷野はガードの上からパンチを叩いて右ロー、さらにミドル。ガードの下からアッパーを潜り込ませる。ラウンド終了間際には、西田の左フックをスウェーでかわし、直後に右フックをクリーンヒットさせる妙技を披露した。
4R、ローから崩してパンチに繋げていく郷野。完全に西田は守りに入ってしまった。郷野は全ラウンドを通じて有効打となっているノーモーションの右ストレート、急角度のアッパーを入れていき、アッパーで西田のアゴを勝ち上げると強い右ストレートを打ち抜いた! ロープ外のエプロンまで頭が吹っ飛んだ西田は目を見開いたまま微動だにせず、レフェリーはカウントを途中で止めて郷野のKO勝利を宣した。
「全日本キック・ヘビー級チャンピオンの郷野です」と、さっそく挨拶する郷野。腰にはプロ生活初となるベルトが巻かれている。今日はキックしか見ていなくて知らない人も多いと思うけど、今日の華麗なファイトとは裏腹に苦労の道を歩んできました。やっと形になったんで、次はパンクラスのライトヘビー級を持っている近藤と闘いたい」と、改めて打倒・近藤を宣言。「短い間でしたが、全日本キックのファンの皆さん、ありがとうございました」と目的を達成した郷野は別れを告げた。
が、インタビュースペースでの郷野は「ベルトの防衛期限ギリギリまで、キックの試合はしません。防衛期限が切れそうになったら試合をやります。そうやって長期政権を築く作戦です」と笑い飛ばした。リングサイドには掣圏会館の桜木裕司が姿を現しており、次に郷野が全日本キックに上がる時は、桜木を挑戦者に迎えての防衛戦となりそうだ。
▼第6試合 67s契約 3分5R
全日本ウェルター級王者
△山内裕太郎(AJ)
判定 0−0 ※50−50、48‐48、50‐50
元・日本ライト級王者
△我龍真吾(超人クラブ)
我龍にしては珍しく、静かな立ち上がりからスタート。我龍が左フックからの右ローを見せれば、山内も右ローを返す。我龍のパンチをしっかりと受けて、右ローを的確に返していく山内。その右ローで度々、我龍がバランスを崩して効いてる素振りを見せる。
2R、右ストレートからの特攻を見せる我龍。打ち合いの中で山内を右ストレートで吹っ飛ばす場面も見られたが、山内もパンチを捌いて右ローを入れ、ダメージを蓄積させていく。
3R、我龍はローを蹴られても構わず突進、パンチの連打を浴びせる猛攻を見せる。足を止めての連打を何度も繰り出し、見せ場を作る。山内もパンチをかわしてテンカオ、ロー、そして自らも右ストレートをヒットさせていく。
4R、ローキックが効果的に入り、パンチもよく見えている山内。いつ自分から勝負に出るかと思われたが、このRもあくまでも慎重にいく。ローを狙い撃ちして、右へ回り込んでの右ストレート。そして、我龍が連打で前へ出てくるのを待ってのカウンター狙いだ。我龍はそれでも突っ込む事をやめず、連打で討って出たため後半はややバテ気味。
5R、あくまでも打ち合いに行く我龍。パンチを放って、どんどん前へ出る。互いにパンチを当てあうが、我龍は前へ出ての連打、山内はカウンター狙いとその質は違う。山内はハイキックも見せるが、我龍が気持ちの強さを見せて最後まで攻め続け、前へ出続けた。
手数で我龍かとも思われたが、判定はドロー。我龍自身も「ローに合わせてパンチで行ってたつもりなんですけど。ミドルは相手よりも多く出そうと心がけていたし、パンチも当たってたんですけどね。ローで(ポイントを)とられたんですかね? バランス崩したんで。僕はローとボディでは絶対に倒れない自信がある。30戦やってローで倒された事ないので、ローは無視してパンチで倒しにいきました。前回は僕がローで行ったのに全然、ポイントにならないようだったし、今日はローは捨ててた」と、判定に不満はなさそうだったが、疑問はありそうな我龍。しかし、「何であれ判定になったら僕の負け。“倒す”って言って倒せないんですから」と最後に語った。
しかも、ここで緊急公開オファー。コメントを終えた我龍に、J-NETWORK関係者が「3月2日にウェルター級王者SHINと対戦して欲しい」と申し出た。我龍は「2月26日にNKBで試合があるので、それでもいいかNKBに聞いてみます」と返事を保留した。
▼第5試合 全日本ウェルター級ランキング戦 サドンデスマッチ
同級3位
○湟川満正(AJ)
判定 3−0 ※30−28、30‐28,30−29
同級10位
●小松隆也(建武館)
▼第4試合 「MACH 55」出場者決定戦
スーパーバンタム級契約 サドンデスマッチ
全日本バンタム級4位
○寺戸伸近(BOOCH BEAT)
判定 3−0 ※30−28、30‐28、30‐28
全日本フェザー級8位
●浦林 幹(AJ)
※寺戸が3・2J-NETWORKの「MACH 55」トーナメント出場決定。1回戦の相手はNJKFバンタム級王者・藤原国崇
▼第3試合 全日本ライト級ランキング戦 サドンデスマッチ
同級4位
○島野智広(建武館)
延長判定 3−0 ※10−9、10‐9、10‐9
同級7位
●梶村政綱(藤原)
▼第2試合 フェザー級ランキング戦 サドンデスマッチ
同級4位
○竹村健二(名古屋J・Kファクトリー)
TKO 3R32秒
同級6位
●ラスカル・タカ(月心会)
▼第1試合 ミドル級 3分3R
○箱崎雄三(AJKF)
判定 3−0 ※29−28、29‐28、30‐28
●佐藤皓彦(JMC横浜)
▼オープニングファイト第3試合 フェザー級 3分3R
△遠藤智史(AJ)
ドロー 判定1−0 ※30−29、29−29、29−29
△橋本城典(DEION GYM)
▼オープニングファイト第2試合 ミドル級 3分3R
○中園貴宏(S.V.G.)
判定3−0 ※29−28、30−28、29−28
●大和東洋(REX JAPAN)
▼オープニングファイト第1試合 63kg契約 3分3R
○宿波 明(はまっこムエタイジム)
判定3−0 ※30−27、29−27、29−27
●菅原勇介(山木)
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