パンクラス「PANCRASE 2005 SPIRAL TOUR」
2005年10月2日(日)神奈川・横浜文化体育館
開場16:00 開始17:00
<試合結果>
▼メインイベント ライトヘビー級 5分3R
○近藤有己(パンクラスism)
判定 3-0 ※30-29、30-28、30-28
●金原弘光(U.K.R)
1R、パンチで組み付いた金原は前転しながら足関節。いきなりU系ムーブを見せて、会場を沸かせる。その後、近藤が金原をロープに押し込み、細かい膝蹴り。金原は離れ際にワンツー、左フックを放つ。前蹴りで距離を取る近藤。金原は右のミドルを中心に右のロー、右ハイを積極的に飛ばしていく。なかな距離を詰められなかった近藤だが、金原のジャブをくぐって前に出るとショートの連打。金原は組み付いてブレイクを待つ。再開後、ワンツーを当てた金原は近藤をがぶって膝蹴り、そのままフロントチョークで引き込んだところでラウンド終了。
2R、組んでショートアッパーを打つ金原。距離が出来ると右ミドル、右ローを飛ばす。ここで近藤はオーソドックスからサウスポーにスイッチ。金原の右アッパーに右フックを合わせると、組んで膝蹴り。コーナーに押し込んで片足タックルに入った近藤を金原がアームロックで切り替えしたところでブレイク。再開後、金原の右ストレートに近藤が右フック。左フックを叩き込む金原に対し、近藤は左ストレート。そして金原の右ミドルに近藤は左ストレートを合わせる。金原も積極的にパンチを当てていくものの、ヒット数は近藤の方が上。終盤、左ストレート、右アッパーそして膝蹴りと打撃で押し込んでいく。
3R、ワンツー、左フックで前に出る金原。近藤はそれを凌いでコーナーに押し込むと、足をかけてテイクダウン。近藤はインサイドからのど輪で嫌がらせをしてパウンド。けり離そうとする金原からパスし、サイド・マウントとポジションを奪ってく。これに対し金原も必死にエビで足を入れてハーフ。反転してタックルでスタンドに戻す。しかし近藤はそのまま組みついてすぐにテイクダウン。金原に打撃のチャンスを与えない。再びハーフからマウントを奪った近藤だったが、金原もサイドからタックルに切り返し、試合はスタンドへ。何発も右ハイキックを蹴る金原。近藤はそれをガードして右フックを返す。そして右ストレートから必殺の飛び膝!しかしこれは不発に終わり試合は判定に。
僅差ではあったものの近藤が判定をものにし、金原との日本人対決を制した。試合後、今回膝のケガで近藤とのタイトルマッチが流れた菊田がリングイン。改めてタイトルマッチをアピールすると、近藤も「自分は誰の挑戦でも受けます。どんな相手でも蹴散らします!」と力強く応えた。
▼セミファイナル スーパーヘビー級 5分3R
○マイク・カイル(チーム・クロコップ)
判定 3-0 ※29-27、29-28、29-28
●高阪剛(チーム・アライアンス)
<試合展開>
1R、高阪のタックルを切ったカイルは、間髪入れずに膝蹴り。尻餅をついた高阪だったがすぐにイノキ・アリ状態を取る。スタンドに戻ると、パンチに合わせて組んで高阪。そこから内股→足関節。カイルは離れてスタンドを要求する。高阪はカイルのローをキャッチしてテイクダウン。ハーフからアームロックを狙う高阪だったが、カイルは膝で腕のクラッチを切り立ち上がる。しかし高阪もすぐにタックルでテイクダウンを奪う。高阪がサイドからフロントチョークを狙ったところで、カイルが立ち上がり左ハイ。高阪がイノキ・アリ状態でディフェンスする。
2R、高阪は右のローを当てて、カイルがバランスを崩す。打撃でもペースを掴みかけた高阪だったが、高阪のタックルにカイルの膝蹴りがクリーンヒット!これで高阪が右目付近をカットし、ドクターチェックが入る。再開後、ガードの高阪は下からアームロック、腕十字、三角絞めと次々と関節技を仕掛けていくが、カイルもすぐに反応しディフェンス。逆に高阪のアームロックを潰して上四方で押さえ込む。しかしここは高阪がTKシザーズで脱出する。その後もカイルは高阪のタックルを切って、膝蹴り&サッカーボールキックを飛ばす。
3R、有効だった右ローを飛ばす高阪。しかしここでカイルのジャブが高阪の目に入り試合が中断。ドクターからは右目角膜の損傷の可能性があり、これ以上試合を続けると視力障害の可能性があるため、ドクターストップ。カイルはイエローカードが提示され、3R1分17秒までの判定ということになった。
試合後、尾崎社長は「責任を持って再戦を実現させたいと思います」とマイクアピールした。
▼ウェルター級 5分3R
○北岡悟(パンクラスism)
一本 1R3分57秒 ※ヒールホールド
●カーロス・コンディット(ファイターズ・イン・トレーニング)
<試合展開>
1R、北岡はジャブを打ちながらタックル。一度は切られるものの、二度目のタックルできっちりテイクダウンを奪う。下からアームロックを狙うコンディットに対し、北岡は腕を抜いてアキレス腱固めへ。しかしリーチで優るコンディットは足を取られながらも、北岡の顔面にパンチを当て、足を引き抜いて脱出する。
スタンドに戻るとコンディットは右のハイキック。北岡はロープに押し込まれながらも得意のギロチン。しかしコンディットは頭を抜いてサイドポジションを奪う。ここでコンディットは何と自らアンクルホールドへ。これで足関節の取り合いになり、逆に北岡がヒールホールドの態勢になる。コンディットもパンチと顔面蹴りで何とかディフェンスしようとしたものの、最後は北岡にヒールを極められタップ。
▼第4試合 ヘビー級 5分2R
○李世学(和術慧舟會RJW)
一本 2R3分33秒 ※肩固め
●桜木裕司(掣圏会館)
<試合展開>
1R、低い構えの桜木はタックルのフェイント。サウスポーの李にインローを飛ばす。ラウンド中盤、李が一気に距離を詰めてコーナーに押し込むと、足をかけてテイクダウン。そのままサイドポジションを奪う。李は押さえ込みながら、コツコツとパンチ。バックへポジションを移し、パンチと膝蹴りをい打つ。
2R、桜木は右ミドル。李の突進を突き放し、左フックから右ストレート。さらに李が前に出て来る所に、左右のフックを合わせる。しかし李はパンチをもらいながらも、ロープに押し込んでテイクダウン。桜木は亀になって一度は立ち上がるものの、李のタックルを切る事が出来ず。最後は李の肩固めがガッチリ極まり、桜木はタップせざるをえなかった。
▼第3試合 無差別級 5分2R
○ポアイ菅沼(TWIST)
判定 3-0 ※20-18、20-19、20-19
●佐藤光留(パンクラスism)
<試合展開>
1R、パンチで前に出る佐藤は右ストレートを当てて、ポアイに尻餅を付かせる。さらにコーナーで差し合いになると飛びつくようにギロチンへ。しかしこれはポアイが佐藤の体を前に落とし逃げる。ポアイはインサイドからパンチ、足を振ってパスガードするとバックを奪う。しかし佐藤はすぐに反転してインサイドからパウンドを落とす。しかしポアイに下からガッチリと固められてブレイク。再開後、ポアイは佐藤をロープに詰めて、右アッパー&右ストレート。佐藤の前転足関節を潰してパウンド、バックマウントへ。佐藤はインサイドに戻す。
2R、ポアイが佐藤をロープに詰めてパンチの連打。佐藤もこれに応え、激しくパンチで打ち合う。ポアイにバックを取られた佐藤だったが、すぐに前転してアンクルホールドへ。ポアイは足を抜いて佐藤のタックルを切ると再びバックを奪う。しかし佐藤はポアイの足を抱えてインサイドへ戻す。その後、ポアイが足関節を狙った佐藤からバックを奪い、佐藤がインサイドに戻すという展開になり試合終了。スタンドのパンチでダメージを与えたポアイが判定をモノにした。
試合終了後、佐藤に対戦要求している竹内がリングイン。マイクを握り直接対戦を迫ったが、佐藤は「無差別で誰かを倒して、手土産を持って来い」と対戦を拒否。対する竹内はこれについての明言は避け、「11月か12月のどちらかで待ってます」と答えた。
▼第2試合 無差別級 5分2R
○アスラン・デゼボエフ(マルプロジム)
KO 1R4分12秒 ※右フック
●河野真幸(フリー)
<試合展開>
1R、アスランのローに合わせて、河野が両足タックルでテイクダウン。蹴り離そうとするアスランの足を越えて、河野がパスガードに成功する。サイドから鉄槌を落とし、アスランの反転する動きに合わせて、バックを取った河野だったが、体が前に乗りすぎてしまい、アスランにポジションを返されてしまう。
アスランはインサイドからゴツゴツと強烈なパンチを落とし、イノキ・アリから飛び込んで右ストレート。タックルでテイクダウンしようとする河野だったが、アスランはそれを切って膝蹴り!何とか立ち上がった河野だったが、アスランの右フックを受けて、そのままマットに大の字に。序盤のピンチを凌いだアスランが見事KO勝利を収めた。
▼第1試合 ヘビー級 5分3R
○高橋義生(パンクラス)
判定 2-0 ※29-27、29-29、30-28
●ケステウシャス・アルボーシャス(ラトビア士道館)
<試合展開>
1R、ジャブを突きながら左ストレートで飛び込む高橋に対し、アルボーシャスはインロー、ミドルを飛ばす。しかしアルボーシャスのインローが2度ローブローに入り、アルボーシャスにイエローカードが提示される。
2R、1Rとは変わって高橋はタックルですぐにテイクダウン。インサイドからのど輪で嫌がらせをしながら、コツコツとパンチを落とす。しかしアルボーシャスのディフェンス崩せずにブレイクとなる。ブレイク後、高橋はパンチだけでなくタックル、細かいパンチのフェイントを見せる。
3R、高橋は左のオーバーフックをフェイントに片足タックルでテイクダウン。しかしここでもアルボーシャスのガードワークに苦しみ、有効なパンチを落とす事が出来ない。ネックロック、ボディへのパンチで状況を打破しようとするも、動きが止まってしまいブレイク。再開後、高橋は片足タックルでテイクダウンを奪うも、インサイドガードから有効なパンチやパスガードが出来ず、そのまま試合終了。
イエローカードの減点もあり、判定は高橋に凱歌が上がったものの、高橋にとっては消化不良の一戦となった。
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