新日本キックボクシング協会
「BRAVE HEARTS 1」
2006年1月29日(日)東京・後楽園ホール
開場16:45 開始17:00
▼第15試合 メインイベント 日本ヘビー級選手権試合3分5R
○内田ノボル(王者/ビクトリー)
反則勝ち 5R2分19秒
●リュウ(同級1位/市原)
※内田が防衛に成功
1Rから攻めたのはリュウ。パワフルなワンツー、前蹴りで内田のバランスを崩していく。ロープに詰めた内田にワンツーから縦ヒジで飛び込んでいくリュウ。内田もローを蹴り返すが、リュウの右ローで内田が転倒する場面が目立つ。
2R、ワンツーで攻め立てるリュウ。内田が右ストレートで反撃しようとすると、前蹴りで突き放す。内田のローキックには右ストレートを合わせ、先手先手を取っていく。内田がロープに詰まれば体ごと飛び込んでいくような縦ヒジを繰り出し、場内を熱狂させる。内田も右ストレートを返していくが、命中率が低い。
しかし3R、ついに内田の右ストレートがリュウを捕らえ始める。回り込んで右ストレート、回り込んで右ストレートと攻めに転じる内田。右ストレートがヒットしたら、すぐに左ハイキックへと繋げていく。前蹴りのタイミングも読めてきたようで、かわしながら前へ出て右ストレート、ローキックを当ててここまでの劣勢を挽回していく。
4R、ローキックと右ストレートで攻めていく内田だが、リュウは戦法を変えてテンカオ、そして組みヒザ蹴り。これが功を奏し、内田の体をくの字に曲げる。内田は組まれないように回り込んでパンチを狙っていくが、リュウのパワーを封じ込める事が出来ず、捕まってヒザ蹴りをもらってしまう。動きが止まり始める内田。
5R、敗色が濃厚となってきた内田にセコンドから「攻めろ!」と檄が飛ぶ。リュウは雄叫びを挙げてコーナーを飛び出した。ワンツー、ハイキック、ローとパワフルな攻撃を続けるリュウ。内田も右ストレートを打ち返していくが、パワーと手数でリュウが優っている印象。
ところが、ここで信じられない事態が勃発した。試合を優勢に進めていたリュウが内田のバックについた時、観客席から飛んだ「バックドロップ!」という声に反応し、本当にバックドロップで内田を投げてしまったのだ。
後頭部を打ち付け、内田はそのままダウン。痙攣し、完全にノビてしまったのだ。ドクターがチェックに入り、試合続行不可能の診断。残り41秒、リュウは判定になっていればほぼ間違いなく手中にしていたベルトを、自ら放棄してしまった形となった。内田は担架で医務室へ。
会場からは罵声が飛んだが、伊原代表がリングに上がり「早い内に必ず再戦させます」とファンに約束した。
●ドクターの診断
「内田選手は去年のTITANSでも相手の反則で首の頚椎を怪我したんですが、今回はその怪我が再発したのと脳震盪で記憶が飛んでいる状態です。古傷を痛めたのでインターバルで回復するのは難しかったでしょう。今は本人しっかりしていますので、神経や脳の異常は出ていないようです。投げられた時に後頭部を打ったためと、TITANSの時と同じ箇所の首の頚椎を痛めたのが原因です。同じ場所を傷めたので、体が起き上がりませんでした。病院で精密検査をしてみないと分かりませんが、1ヵ月は安静でしょうね」
菊地が多彩かつ豪快な攻めで圧倒勝利!
▼第14試合
メインイベント 日本フェザー級3分3R
○菊地剛介(伊原/日本フェザー級王者)
KO 2R1分30秒 ※左ローキック
●大刀国秀(日本フェザー級3位/藤)
昨年のタイトルマッチの再戦は、菊地が圧倒的な力量の差で完封した。1Rから菊地の強烈なローキックが冴え渡る。右ローを軽く蹴ると、すぐに強い左ロー。続いて右ストレート、左ミドル、そしてローキックとコンビネーションが続いていく。
大刀はパンチを返していくも、菊地はしっかりガードして強いパンチを返し、ローキック。時には変則の左ハイキックも大刀の首筋に振りかざす。
2Rも同じような攻撃が続き、上・中・下に振り分け、しかも緩急&強弱のついた攻撃に大刀はついていけない。最後は右ローからの強烈な鉈で刈るような左ローキックを受け、大刀はバッタリと倒れた。菊地は勝利の記念撮影もそこそこに、表情一つ変えずリングから降りていった。
石井はタイ人に煮え切らない判定勝ち
▼第13試合 メインイベント 日・泰ライト級国際戦3分3R
○石井宏樹(日本ライト級王者/藤本)
判定2−0 ※30−30、30―29、30―29
●ガンスワン・レッドムーン(タイ/元ラジャダムナンスタジアムスーパーライト級)
左ミドルを主軸に左ストレートを狙ってくるガンスワンに対し、石井はローキックからミドル、左右のパンチを振り分ける目黒式コンビネーションで応戦。ストレート→アッパー→フックの左右のコンビネーションパンチは当たらないが、ローは確実に当てていく石井。
2Rになるとガンスワンの組みが多くなる。ヒジも繰り出すが、圧倒的に組みが多い。左ミドル、左ストレートを出しては組み付き、石井に攻撃の隙を与えない。3Rも同様の展開が続き、石井のコンビネーションを見る事が出来ないままゴング。判定2−0で石井が勝利を収めた。
しぶといノッパチャイに蘇我が苦戦
▼第12試合 セミファイナル 日・泰バンタム級国際戦3分3R
○蘇我英樹(日本バンタム級王者/市原)
判定2−0 ※30−29、30―29、29―29
●ノッパチャイ・ラッタナヲン(タイ)
1Rからヒジを振るっていくノッパチャイは、離れて左ストレート、蘇我がパンチでインファイトを仕掛けてくるとヒジを繰り出す。2Rになると蘇我は左右のローで崩しに掛かり、パンチの連打を仕掛けていくもノッパチャイの前蹴り、左ミドルに阻まれる。
3Rもほぼ同様の展開。蘇我は何度か飛びヒザ蹴りを仕掛け、一気に接近戦からのパンチで仕掛けるもノッパチャイに引き離されて決定打を放つことが出来ない。判定2−0で蘇我が勝利を収めたが、いまひとつの出来だった。
井場は不甲斐ないタイ人にKO勝利
▼第11試合 セミファイナル 日・泰ウェルター級国際戦3分3R
○井場洋貴(日本ウェルター級王者/治政館)
TKO 2R0分36秒 ※タオル投入
●ソンマイ・ケオセン(タイ)
1Rから井場がローを蹴りまくり、ソンマイもローを返すが威力が感じられない。ソンマイは単発の左ミドルを蹴るのみで、井場にパンチをまとめられローを蹴られる。2Rにもローを蹴られ、コーナーに詰まったソンマイに井場が右ローを蹴ると、ソンマイは力なく倒れセコンドからタオルが投入された。
深津が豪快KOで次期バンタム級挑戦者に
▼第10試合 日本バンタム級次期挑戦者決定戦3分3R
○深津飛成(日本バンタム級2位/伊原)
KO 2R0分23秒 ※右フック
●小鳥(日本バンタム級3位/ホワイトタイガー)
王者・蘇我への挑戦権を賭けた一戦。パワフルな左右フックとハイキックで攻める深津に対し、小鳥もパンチとローで応戦。1Rからスピーディーな攻防が繰り広げられたが、2Rになると深津が勝負を賭けた。左右フックで前へ出て、小鳥を圧力で押していく。小鳥もローを返し、右ミドルを蹴った次の瞬間、このミドルをキャッチした深津が右フック一閃! 一発で小鳥をKOした。
深津はマイクを握ると、「あけましたおめでとうございます。そろそろベルトが欲しいよね」と、王座獲得宣言。そして、「今日は俺のコーチの誕生日だし、俺の大切なみどりっていう女も来てるんだけど、みどり、結婚おめでとう!」と友人へメッセージを送った。
▼第9試合 日・泰ウェルター級国際戦3分3R
○荻野兼嗣(日本ウェルター級1位/ビクトリー)
KO 3R2分13秒 ※左ローキック
●ロッタン・ウォー・タウィーギャット(タイ/ラジャダムナンスタジアム・スーパーウェルター級4位)
▼第8試合 ウェルター級 3分3R
○高 修満(伊原/同級7位)
KO 2R0分27秒 ※右ハイキック
●関ナオト(宇都宮尾田/同級5位)
▼第7試合 ミドル級 3分3R
○松崎勇気(治政館/同級5位)
判定3−0 ※30−29、29−28、30−29
●青木克眞(トーエル/同級3位)
▼第6試合 フェザー級 3分3R
○小原祥寛(藤本/同級6位)
KO 2R1分08秒 ※右ハイキック
●今村 歩(トーエル)
▼第5試合 フェザー級 3分2R
△下田舞汝武(尚武会)
ドロー 判定1−0 ※19−19、19−19、20−19
△栗本直基(野本塾)
▼第4試合 バンタム級 3分2R
○王子(横須賀太賀)
判定2−0 ※20−19、20−20、20−19
●拳士浪(治政館)
▼第3試合 ライト級 3分2R
○ジョニー・オリベイラ(ブラジル/トーエル)
判定2−0 ※20−20、20−19、20−19
●藤 康蔵(藤)
▼第2試合 55kg契約 3分2R
○丸山武士(藤)
判定2−0 ※19−18、18−18、19−18
●飯島一成(治政館)
▼第1試合 ウェルター級 3分2R
○林 元樹(藤本)
KO 2R2分45秒 ※パンチ連打)
●小浜悠葵(尚武会)
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