プロフェッショナル修斗公式戦
「下北沢修斗劇場第14弾〜'06巣立ち〜」
2006年3月3日(金)北沢タウンホール
開場17:30 開始18:30
北沢タウンホールに満員の観衆を集めて行なわれた、今年初のガッツマン・プロモーション主催の「修斗下北沢劇場」。特に注目を集めたのは、ブラジリアン柔術黒帯ながら、昨年、全日本アマ修斗選手権を制し、プロ昇格を決めた塩田歩のデビュー戦だ。
デビュー戦ながらメインイベント登場となった塩田の対戦相手は、すでにプロで6戦も経験している赤木敏倫。体育座りから足関節を狙うなど、相手を幻惑する攻撃を得意とする選手である。だが、そんな赤木は試合でいつもとは違う戦法を見せる。それは同時に、塩田の思惑とはまったく違うものであった。
「塩田さんの寝技が怖かったから、(寝技に誘われても)全部逃げてしまった」。試合後にそう語ったとおり、赤木は塩田との寝技勝負を避け、スタンドでパンチを当てていった。赤木がダウンを奪うシーンも見られた。すべては、塩田の打撃対策不足が招いた結果だと言わざるを得ない。それだけ打撃を無視しても、寝技に誘い込めば…という思いが塩谷はあったのだろう。
だが試合終盤、肝心の寝技になっても、両手で相手の足を刈りテイクダウンを狙うため、顔面がガラ空きとなり、そこにパウンドを何発ももらってしまった。パウンドを受ける度、明らかにキツそうな表情を浮かべる塩田。ここで勝負あった。
判定は、ジャッジ3者とも3ポイント差をつけ、赤木を支持した。塩田が試合後に語った、「作戦負け、経験負け」という言葉が、この試合のすべてを表していたといえるだろう。
大会全体を見れば、スタンドでの打撃全盛の時代にあって、寝技にいこうとする選手、または寝技での進化を見せる選手が多かった。特に、セミファイナルに登場した粕谷さかえは、かつてのスタイルとはうって変わり、下からのもぐりスイープや十字などを見せる。結果こそドローだったものの、練習の成果がおおいに発揮された内容であった。
時代はいつも変わりゆくもの。総合、修斗のスタイルもまた、変化の時期にきているのかもしれない。
<全試合結果>
▼メインイベント バンタム級2回戦
○赤木敏倫(総合格闘技道場コブラ会)
判定3-0 ※20-17、20-17、20-17
●塩田“GOZO”歩(パラエストラ八王子)
▼セミファイナル ライト級2回戦
△粕谷さかえ(K'z FACTORY)
ドロー ※19-19、19-19、19-19
△中村浩士(東京イエローマンズ)
▼第6試合 バンタム級2回戦
○正城ユウキ(クロスワンジム湘南)
判定3-0 ※20-18、20-19、20-18
●神酒龍一(GUTSMAN修斗道場)
▼第5試合 2006年新人王決定トーナメント1回戦 ライト級2回戦
○井上雄史(GUTSMAN修斗道場)
判定3-0 ※20-19、20-19、20-19
●松本大輔(PUREBRED京都)
▼第4試合 2006年新人王決定トーナメント1回戦 ライト級2回戦
○ウィッキー聡生(シューティングジム横浜)
判定2-0 ※19-18、19-18、19-19
●谷口智則(マッハ道場)
▼第3試合 2006年新人王決定トーナメント1回戦 ライト級2回戦
○石澤大介(パラエストラ札幌)
TKO 2R2分01秒
●石渡伸太郎(GUTSMAN修斗道場)
▼第2試合 2006年新人王決定トーナメント1回戦 フライ級2回戦
○山田プリン(PUREBRED大宮)
判定3-0 ※20-17、20-18、20-18
●田原シンペー(総合格闘技STF)
▼第1試合 2006年新人王決定トーナメント1回戦 ミドル級2回戦
○奥野泰舗(GUTSMAN修斗道場)
TKO 2R
●阿仁鬼(パラエストラ札幌)
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