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「HERO'S 2006」
2006年3月15日(水)東京・日本武道館
開場16:00 開始17:30
▼メインイベント HERO'Sルール 72kg契約 5分2R延長1R
○所 英男(日本/リバーサル)
一本 1R0分49秒 ※三角絞め
●池田祥規(日本/極真会館)
1R、所の左フックに池田が右ロー、すぐに所が片足タックルへ行き、持ち上げてテイクダウン。腕十字を仕掛けに行き、起き上がろうとする池田を三角絞めに捕らえる。池田の頭を引き付け、ガッチリと両足を絡める所。池田は意地でタップしなかったが、所が「落ちてる」とアピールし、レフェリーが試合をストップした。僅か49秒の速攻劇!
所はリングサイドの前田日明スーパーバイザーの元へ挨拶に行き、リングに戻る時はロープを掴んでカッコよく前方一回転! ……のはずだったが、着地に失敗してリング上で腹ばい状態になってしまった。
マイクを握った所は「池田選手は凄く強い選手だと思うので、勝てて嬉しいです。自分は今年が勝負の年だと思っていますので、KID選手と須藤選手に勝てるように挑戦していきたいです」と、HERO'Sでの“天下獲り宣言”だ。さらに、「4月のK-1
MAXでレミギウスが魔裟斗選手に挑戦するので、応援よろしく」と、ZSTの盟友レミギウスにもエールを送った。
●所のコメント
「メインのプレッシャーは前田さんには“そんな事を考えるな”と言われたけど、自分で勝手に凄い事にしてしまって、試合に臨むまでが凄く大変でした。試合はこんなに早くチャンスが来ると思っていなかったので、自分でもビックリ。倒してポジションをとってと考えていたので、自分のやりたい事が出来たという感じでしたね。
池田選手のローは足が持っていかれるくらい強い蹴りだったので、ビックリしました。目が覚めたというか、“やらなきゃ”と思いました。最後の三角絞めは、池田選手からもう力が抜けてクタッとなっていたので、これ以上絞めたらアレなので落ちたというのをレフェリーにアピールしていました。
前田さんにはリング下で手をパチッとやっていただいたので、ちょっと嬉しかったです(笑)。ZSTで今年一発目の試合に負けて、浮かれ気分ももう吹っ飛んだので、一から挑戦者になってやっていくつもり。どんな相手にでも向かっていくつもりです。
目標は高いところに置いているので、KID選手とのタイトルマッチは年内の目標。もし5月に組んでいただけるのなら、世界一の人と出来るので光栄ですね」
▼セミファイナル HERO'S特別ルール 72kg契約 5分2R延長1R
○須藤元気(日本/ビバリーヒルズ柔術クラブ)
延長判定3−0 ※2R判定ドロー 19−19、20−20、19−19
●オーレ・ローセン(デンマーク/Untamed)
長い髭を生やした老人(達人?)のお面を被った須藤はひょうたんを持って酔拳の舞い、その後ろからはキョンシーが登場する。カンフー衣に身を包んだ須藤は仮面を投げ捨て、キョンシー軍団と共に試合前だというのに激しいダンスを披露。一気に場内を須藤ワールドに染め上げた。
須藤はカンフー衣を着たまま試合をスタート、横蹴り、後ろ蹴りとカンフーのようなトリッキーな蹴り技を繰り出し、パンチで攻めるオーレの足関節を獲りに行く。ヒールホールドの体勢になったが、オーレは回転して脱出。しかし、すかさず須藤は立ったオーレの背中に飛びつきスリーパー狙い。その体勢から足を取りに行き、グラウンドへ。バックをキープする須藤は足関節を奪いに行き、オーレはディフェンスのため回転。両者がクルクルと回る動きに場内から大歓声が沸き起こる。
トップポジションをキープしたのは須藤。上からパウンドを叩き込む。ガードをとったオーレは須藤を蹴り飛ばして立ち上がるが、すぐに須藤が組み付く。テイクダウンされまいと必死のオーレはヒザ蹴り、須藤は投げのタイミングを計っている様だが、その間にもオーレのヒザ蹴りが腿に突き刺さる。すると、オーレがテイクダウン。須藤はガードポジションになるも余裕の表情。そのまま1R終了のゴングを聞いた。
2R、須藤は上着を脱いだ。ジャブからのタックルでテイクダウン、オーレはクロスガード。しかし、アッサリと須藤がマウントを奪取、そのまま腕十字の体勢に入るが、暴れるオーレをまずは抑え込みにかかる。オーレもハーフに戻すが、須藤はフロントチョーク。それでもオーレは立ち上がってスタンドに戻す。ここでオーレのヒザ蹴りがローブローになってしまい、試合は一時中断。
口頭注意が与えられて試合再開。前に出るオーレを須藤は軽々とテイクダウンし、フロントチョークの体勢になりながら立ち上がるオーレにしっかりとついていく。オーレの前蹴りに須藤が転倒、するとオーレはジャンピング・フットスタンプからパウンドの連打、離れてもう一度ジャンピングフットスタンプとパウンド! 窮地に追い込まれた須藤だったが、ガードに戻すとオーレは無理をせずに須藤を抑え込む。判定狙いか?
スタンドになるとバックブローを放つ須藤にオーレが左右フック、すぐにタックルへ行く須藤だったが、オーレに組み付かれてしまい極めに行く事が出来ず試合終了のゴングを聞いた。判定は三者ドロー! 延長戦へ突入する事に。
オーレの右ハイ、続く左ミドルをキャッチした須藤はテイクダウン。立ち上がると今度は逆にジャンピングフットスタンプだ。須藤は上四方固めで抑え込み、サイドポジションへ移行。横三角絞めを狙うもすっぽ抜ける。ならばと須藤はマウントを奪い、パウンドを連打。オーレもブリッジで対抗し、なんと引っ繰り返した。すかさず須藤は下から三角絞め。これが決まらぬと見るやラバーガードからのオモプラッタだが、オーレは脱出。
スタンドに戻ると、須藤はすぐにタックルでテイクダウンへ。立ち上がり、寝ているオーレへ踵落とし。ジャンプしてのパスガードでサイドポジションへつき、横三角絞め! しかし、これも決まらず須藤は頭を挟み込んだままボディへパンチを入れ、延長戦終了のゴングを聞いた。コーナーへ戻る須藤は、足を引きずっていた。判定は3−0で須藤、苦しい試合を乗り切った。
▼第7試合 HERO'Sルール 5分2R延長1R
○キム・ミンス(韓国/フリー)
一本 2R1分32秒 ※スリーパーホールド
●山本宜久(日本/フリー)
キムは会見で「着る」と言っていた道衣を脱いで登場。山本のセコンドにはリングス時代からの盟友・成瀬が付き、リングサイドでは師匠・前田日明が見守る。
1R、パンチで突っ込む山本だが、逆にキムのフックをもらう。ワンツーで突っ込む山本だが当たらない。ノーガードでキムのパンチをかわしていくも押し込まれ、バックを奪われてテイクダウンされた。山本は足関節を狙うが失敗。再びキムにバックを奪われた山本はアームロック狙い。離れると山本はアッパーを放つも空振り。
ノーガードで歩み寄る山本はバックブローから、左フック→右フック。これでキムの体が泳ぎ、膝を着く。すかさず上から膝で抑え込んでパウンドを連打する山本。さらにボディへのヒジ、鉄槌を落とすとキムが山本の足を掬ってスタンドへ。殴り合う両者。キムの鼻から血が噴き出す。試合再開後、山本はローキックからパンチで突っ込む。キムも激しく打ち返し、両者ノーガードでパンチの応酬。
2Rも殴り合いは続く。山本はノーガードでローキック、左ストレート。ローを狙う山本にフックを合わせようとするキムがテイクダウンする。バックに回り、パンチを出しながら山本の両足に自分の足を絡めて山本をエビ反りにしてのスリーパー。山本はすぐにタップし、キムが一本勝ちした。
▼第6試合 HERO'Sルール 88kg契約 5分2R延長1R
○秋山成勲(日本/フリー)
一本 2R1分32秒 ※袖車絞め
●石澤常光(日本/TEAM JAPAN)
1R、両者ともオーソドックスの構え。秋山のジャブに合わせて石澤が片足タックルに行くも、秋山が切ってコーナーへ押し込んでいく。離れて右フック、前蹴りを放った秋山に石澤が再びタックル。これも切った秋山がコーナーでパンチを連打する。一方的に打たれた石澤だったが、タックルに行って逃れた。
秋山はジャブ、石澤もジャブを放つ。。石澤が低い両足タックル、秋山はロープを背にしてテイクダウンを逃れてブレイクに。石澤のパンチにカウンターを合わせようとする秋山。秋山のワンツーに石澤がタックル、組み付く石澤に秋山がアッパーを連打。それでも石澤は道衣を放さずコーナーへ押し込んでいく。
石澤が腿への膝、秋山は離れて左フックを強振するが、これは石澤にかわされてタックルに入られる。それでも秋山は倒れず、腕を抱え込んだ体勢でブレイク。見合いになったところで1Rが終了した。
2R、石澤がジャブを伸ばし、突っ込んでの片足タックル。しかし、1R同様ことごとく秋山に切られてしまう。上からガブって石澤をコーナーへ押し込んだ秋山は、離れ際にパンチを入れる。秋山の右ストレートにタックルを合わせて組み付いた石澤だったが、秋山は抜群のタイミングの大外刈りでテイクダウン。そのまま道衣を使って袖車絞めを極めると、石澤は為す術なくタップした。
▼第5試合 HERO'Sルール 5分2R延長1R
○ヒース・ヒーリング(USA/ゴールデン・グローリー)
KO 2R1分55秒
●ゲーリー・グッドリッジ(トリニダード・トバコ/フリー)
1R、突っ込んでいくヒースはいきなり左ハイキック、これを肩口で止めたゲーリーがテイクダウンする。エビ固めのような形でゲーリーが抑え込むが、ゲーリーはスタンドを要求。ブレイクとなる。
スタンドに戻るとヒースがタックル、ガブッたゲーリーの腕を巻き込みながら上を奪おうとするも、ゲーリーがしっかり抑え込んでパンチを放つ。立ち上がる両者、ゲーリーがパンチで襲い掛かるとヒースが今度はテイクダウンに成功した。ガードの中からパウンドを浴びせていくヒース。ゲーリーは防戦一方となったが、ヒースの攻撃の手が徐々に弱まる。声をあげながらパウンドを落とすヒース。ゲーリーはしっかりとヒースの頭を抱え込み、ヒースはボディにパンチを連打する。
長らくその体勢が続き、ブレイクに。スタンドに戻るとゲーリーは小走りに近づいてパンチを放ち、ヒースは自ら倒れこむ。猪木×アリ状態となり、ゲーリーは「カモン!」とスタンドを要求、ヒースはスタミナ切れ気味だ。
2R、ヒースが足元に飛び込むようなタックル。ゲーリーは切って立ち上がり、猪木×アリ状態に。ブレイクになってスタンドに戻り、ヒースのハイキックは空を切る。ならばとタックルに行くが、またしても切られて猪木×アリ状態になってブレイク。明らかにヒースはスタミナ切れを起こしており、勢いのあるゲーリーがKOするのも時間の問題かと思われた。
しかし、ここで異変が! スタンドに戻った直後、ヒースがジャブ二発で距離を測った直後に放った右ストレートが、ゲーリーに直撃! この一発でヒースが見事な逆転KO勝ちを収めた。
▼第4試合 HERO'Sルール 70kg契約 5分2R延長1R
○宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)
判定3−0 ※20−18、20−18、20−17
●リッチ・クレメンテ(USA/チーム・ブードゥー)
計量で300グラムオーバーしたクレメンテには、最初から1ポイントの減点が課せられた。
1R、両者ともサウスポー。宇野がジャブを放ってタックルへ行き、クレメンテがこれを切って宇野をコーナーへ押し込む。クレメンテはクリンチしながらパンチを放ち、両脇を差して逆にテイクダウンを狙うがブレイク。クレメンテのジャブに宇野はインロー、両者ともフットワークを刻んで飛び込むチャンスを狙う。宇野の右フックにクレメンテがタックルを合わせてテイクダウンに成功。宇野はガードポジションでクレメンテの動きを抑え込み、クレメンテは宇野の右腕を取りながらサイドポジション、そしてバックへ回る!
だが、宇野は反転してトップポジションを奪い、クレメンテをガードにさせる。宇野が細かくパウンド。クレメンテも下から打ち返す。両者の間に距離が出来ると、宇野が強い左のパウンド。クレメンテは下から腕十字を狙うも、宇野はパウンドの手を休めない。中腰になってパウンドを連打し、クレメンテが宇野をひきつけてガードしたところでゴング。
2R、インローを飛ばす宇野。ステップで大きく動いてクレメンテのハイキックをかわし、タックルを仕掛ける。しかし、タックルを切るのが上手いクレメンテはこれをディフェンス。逆にテイクダウンを奪いに行き、宇野が引き付けての出足払いで倒そうとしたが、上になったのはクレメンテ。宇野はバックを取らせながらまたも反転して上に。ハーフガードになるクレメンテへ、パウンドを叩き込んだ。
クレメンテの左腕をとって、右のパウンドを連打する宇野。クレメンテが下から揺さぶりをかけるも、宇野のバランスは崩れない。足を取りに行くクレメンテにパウンドを連打する宇野。クレメンテはタックル気味に立ち上がり、離れ際に左フック。スタンドでパンチの打ち合いとなり、クレメンテがヒザ蹴り。
組み付いていく宇野だが、両足タックルで倒したのはクレメンテ。宇野はクレメンテの腕を脇に挟んでディフェンス、その体勢になったところで試合終了のゴングが鳴った。判定は3−0で宇野の勝利となった。
▼第3試合 HERO'Sルール 70kg契約 5分2R延長1R
○宮田和幸(日本/フリー)
一本 1R3分59秒 ※腕ひしぎ十字固め
●エリカス・ぺトライティス(リトアニア/リングスリトアニア)
1R、パンチを打っていったペトライティスに宮田が見事なタイミングでタックルを合わせる。さらに宮田はトップポジションを奪い、パウンドを落としながらニーオンザベリー、そしてマウントポジションに。圧倒的優勢に立った宮田はコーナー際でパウンドのラッシュを仕掛け、パンチを嫌がってバックを見せるペトライティスにスリーパーを狙ったが、体勢が不十分だったためもう一度パウンドに。ここでストップ・ドントムーブ。
リング中央に戻されるとペトライティスは下から宮田の左腕を押さえるが、宮田はかまわず右のパウンドを連打。宮田の首を抱え込み、下からの腕十字を狙うペトライティスだったが、これは失敗。激しく抵抗するペトライティスを抑え付ける宮田。
ペトライティスが蹴り放すも、すぐに宮田は飛び込んで強烈な右のパウンドを連打する。再び宮田がサイドポジションを奪い、腕十字へ移行。ペトライティスは上になって防ごうとしたが、宮田が腹ばいになって腕を極めた。
▼第2試合 HERO'Sルール 5分2R延長1R
○ジェロム・レ・バンナ(Le Banner X
tream Team)
KO 1R2分4秒
●ジミー・アンブリッツ(USA/トッド・メディーナ・フリースタイルファイトチーム)
1R、ゴングを今か今かと待ちかねるバンナ。アンブリッツはゴングと同時にダッシュをかけて、左右のメチャクチャなパンチを出しながら組み付きに行ったが、バンナの左ストレートをもらって早くも腰を落とす。
しかし、慌てたアンブリッツが強引にタックルへ行くと、ロープ際でサバ折りによるテイクダウンに成功。足を担ぎ上げてパスガードにいくアンブリッツだが、ハーフガードからオープンガードに戻される。アンブリッツは単発ながらもパウンドを放つが、ブレイク。 バンナが右ロー、アンブリッツはパンチで突っ込んでいくが、バンナの左フックもらい、続いて出した左フックには右のクロスカウンターを合わせられてアンブリッツは前のめりに倒れていった。
▼第1試合 HERO'Sルール 92kg契約 5分2R延長1R
○メルヴィン・マヌーフ(オランダ/ショータイム)
TKO 1R2分51秒 ※ドクターストップ
●大山峻護(日本/フリー)
1R、大山はサウスポー、マヌーフはオーソドックスに構える。大山が先制の右ローを蹴るがこれは浅い。マヌーフはサイドキック。ジャブでプレッシャーをかけローに繋げる大山に、マヌーフが右のフックを合わせる。左右のパンチを強振していくマヌーフ。大山が組み付き、引き込むがマヌーフは上からパウンドの雨を降らせ、すぐに離れる。
大山が立ち上がると同時にマヌーフが右ハイ、右ストレート、ヒザ蹴り、右ストレート、左アッパーと猛攻を加えていくと、大山の左目尻がバックリと傷口を開けて鮮血が流れ落ちた。ドクターチェック。大山は「やらせてください」と訴える。
その願いが届いたか試合再開。大山は右ローで攻めて行くもマヌーフは右のパンチを連打、右フックで大山がガクッと崩れ落ちた。マヌーフは右ハイ、右アッパー、左フックとスピーディーかつ重いパンチでラッシュをかける。恐るべきツメの鋭さ! 右フックに大山がカニバサミを合わせて足関節を狙うが、これは失敗。再び出血した大山にドクターストップが告げられた。
▼オープニングファイト HERO'Sルール 75kg契約 5分2R延長1R
○アントニオ・マッキー(USA/チーム ロード・オブ・ザ・リング)
判定3−0 ※20−18、20−19、20−19
●國奥麒樹真(日本/フリー)
1R、サウスポーに構えてジャブを突くマッキーに、國奥は右ローで対抗。しかし、この蹴りが急所に当たってしまいマッキーは悶絶。試合は一時中断となる。インターバル後、試合が再開されると國奥がロー、ミドル、ハイキックと蹴りを上下に打ち分け、蹴り技中心の攻め。
マッキーは國奥のアッパーに合わせてタックル、これを切られるとフロントチョークに移行する。ガードポジションになった國奥が下から腕十字、三角絞めを狙うが、ここで1R終了となった。
2R、マッキーがタックルからリフトアップして國奥を投げ、國奥は下から足関節を狙うがこれも不発。スタンドに戻ると再びマッキーが持ち上げてテイクダウン、國奥は下からチョークに行くもやはり極まらない。スタンドに戻っても國奥のヒザ蹴りをかわしたマッキーがタックルでテイクダウン、國奥のバックに回ったところで試合終了のゴングが鳴った。
テイクダウンを奪い、上をキープしたマッキーが判定勝ちを収めた。 |