シュートボクシング協会
「NEO ΟΡΘΡΟΖ Series2nd」
2006年3月25日(土)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始17:30
<全対戦カード>
▼メインイベント 70kg契約 エキスパートクラスルール
○宍戸大樹(シーザー/SB日本ウェルター級王者)
判定3−0 ※50−47、50−49、50−47
●マルフィオ・カノレッティ(シッチ・マスター・ロニー/K-1WORLDMAX2002ブラジル優勝)
<試合展開>
06年シリーズの開幕戦となった2月の後楽園大会に続き、メインを任された宍戸。シュートボクシングとは因縁浅からぬ相手、カノレッティを相手にどんな戦いを見せるか?
1R、軽快なステップでインローと前蹴りを放つ宍戸。左右の動きを多用し、カノレッティの右足に左右からローを蹴りこむ。カノレッティはパワー差を生かし、前に出て宍戸との距離を詰めると左フックから右ロー。顔面のガードを固める宍戸に対し、右ボディから顔面へ左フックを返す。
しかし宍戸はしっかりとカノレッティのパンチをブロック。下がりながらもタイミングよく左ミドル、右ローを返し、バックキックを見せる。執拗にボディへの攻撃を続けるカノレッティに対し、宍戸はワンツーから右ミドルを飛ばす。
2R、カノレッティは宍戸のローを受けながらも、左右のフックを打ち返す。そこからさらに前に出てパンチを打とうとするカノレッティだったが、宍戸は細かくジャブを当てて、カノレッティが後退するとすかさず右ロー。カノレッティはなかなか宍戸を攻め込むことが出来ない。
逆に宍戸は距離が離れると左ミドルを当てて、一気に左右の連打。パンチを返すカノレッティに対してはカウンターで左ミドルを合わせ、カノレッティのパンチの打ち終わりに右ストレート。カノレッティのガードの隙間を狙ってアッパーやフックを打っていく。
3R、宍戸は上手く自分の距離を保ち、カノレッティに左右のローを飛ばす。対するカノレッティも宍戸のローの打ち終わりにワンツーを当てていく。しかしカノレッティがあと一歩距離を詰めようとすると、宍戸は上手く足を使ってカノレッティのサイドに回りこみ、死角から左ミドル。パンチをひっかけて左ローを飛ばしていく。徐々にガードを固める時間が長くなったカノレッティに対し、宍戸はフック、アッパーからローとミドルにつなげる。
4Rに入り、宍戸がパンチで前に出ていこうとするが、カノレッティは左フック。これは当たらなかったものの、カノレッティのパンチがまだパワフルなだけに、会場からはどよめきが起こる。ワンツーやジャブを突いてからの右ローで確実にダメージを与えていく宍戸。ガードを固めるカノレッティをパンチとローのコンビネーションで攻め立て、カノレッティの頭が下がると見るやヒザ蹴りを突き立てる。試合が進むに連れて、完全にカノレッティの攻撃の手が止まり始める。
5R、宍戸はいきなり飛びヒザ蹴りの奇襲。パンチの連打から右ロー、右アッパーをねじ込むと、カノレッティの鼻から出血が見られる。さらにカノレッティの体を突き放しての右ハイキック。組み付こうとするカノレッティに肩固めを狙えば、距離が出来ると左ミドルを連打する。
カノレッティも最後の力を振り絞り反撃。ロープ際で宍戸の体を横に振ると、宍戸の顔面にヒザ蹴り! 宍戸がバランスを崩し尻餅をついてしまうが、宍戸にはダメージはない。残り1分、必死の形相でラッシュをかける宍戸に対し、カノレッティもヒザ蹴りを飛ばす。互いに口を開けて疲労の色が見えるものの、最後まで倒しに行こうとする戦い方に観客席は盛り上がりを見せる。
しかし最後はやはり宍戸の手数が勝り、カノレッティに左フックから右ストレート。左右ハイキックを飛ばし、バックキックも披露するなど、カノレッティを攻め込んだところで試合終了。終始、試合のペースを掴んでいた宍戸が、MAXの子連れ狼から勝利を収めた。
▼セミファイナル 70kg契約 エキスパートクラスルール
○土井広之(シーザー/前SB世界ウェルター級王者)
判定 3−0 ※50−47、50−48、49−46
●キム・パン・スー(韓国/ソウルジョンムジム)
<試合展開>
1R、いきなりパンチで前に出るスー。しかし土井は左ミドルを飛ばして、スーの奥足へ左ロー。会場に「バチン!」と衝撃音が響くような左ミドルでスーの出足を止める。そして土井はジャブを突いてスーの奥足へ左ロー。スーとの距離が開くと上中下と左の蹴りを打ち分けて、的確に蹴りを当てていく。
2R、ここでも左右のフックで前に出るスーだが、やはり土井は落ち着いて左ミドル。スーは両手を挙げて「効いていないよ」とアピールするも、土井の左ミドルやローをもらうと、バランスを崩す場面が目立つ。土井は右フック、右アッパーから左ローを返すなど、攻撃の中に蹴りだけでなくパンチも織り交ぜる。
3R、スーは土井のパンチが目に入ったとアピールし、やや集中力が切れ気味か。攻撃に関しても大振りのパンチを振り回すだけで、クリーンヒットはない。そんなスーに対して、土井は距離を取ってジャブからローのコンビネーションで的確にスーの足にダメージを与え、スーの蹴り足を取ると軸足払いで豪快にスーをマットに転がす。しかしここまで完全に試合の主導権を握っている土井も、緒形と戦ったヨンジョン同様にタフさを発揮するスーから、なかなかダウンを奪うことが出来ない。
4Rに入るとやや手数が減り始めた土井に、スーはパンチのラッシュで攻め込む。真っ直ぐに下がってしまう土井だったが、ロープを背にするとスーに組み付いてそれを凌ぐ。ロープに押し込んでくるスーに対し、土井は上手く体を入れ替えてバックからスリーパー、フロントチョークでキャッチポイントを奪取する。
4R序盤に攻勢に出たスーだったが、5Rに入ると再び動きが止まってしまう。前にこそ出るものの、土井は上手く距離を作って右フック、左のローを合わせていく。何とかKOで仕留めようと、左ハイキックやヒザ蹴りを繰り出す土井。試合終了間際にはバックブローとバックドロップを狙ったものの、結局タフなスーを倒すことが出来なかった。
▼第8試合 70kg契約 エキスパートルール
○緒形健一(シーザー/SB日本スーパーウェルター級王者)
TKO 4R1分35秒 ※セコンドからのタオル投入
●キム・ヨンジョン(チョンアン・チョンムジム)
<試合展開>
1R、左フックからパンチで攻めるヨンジョンに対し、緒形はそれをしっかりとガードして右ローを返す。緒形はヨンジョンのパンチに右ミドルを合わせ、左フック、左ストレートでヨンジョンを攻め込む。そしてヨンジョンがロープを背負うと、緒形は一気にラッシュ! 左右のストレートを叩き込む。
しかしヨンジョンは全くひるまず逆に左フックを返し、緒形のパンチを止める。残り1分、前に出てプレシャーをかける緒形は、再びヨンジョンをロープ際に追い詰め、左右の連打を浴びせかけるも、ヨンジョンは倒れる気配はない。
2Rに入ってもヨンジョンのパンチをしっかりとガードし、緒形が右ローを返すという展開が続く。手数こそ出すもののヨンジョンは緒形にプレッシャー負けし、ずるずると後退する場面が目立つ。緒形は1Rと違い、顔面だけでなく右のボディストレートを放つなど、攻撃の照準を顔とボディの二つに定める。そして強烈な左ミドルの連打でヨンジョンを後退させると、距離を詰めてボディへのヒザ蹴り。ヨンジョンは明らかにボディへの攻撃を嫌がるそぶりを見せ始める。
3R、右ローを飛ばす緒形は左ボディから右ストレート、右ローから左ミドルと、左右・上下に攻撃を打ち分けて、ヨンジョンを圧倒。何とか状況を打破しようとするヨンジョンだが、強振する左右のフックは緒形のガードの上を叩く。
逆に緒形は右ローを軸に、タイミングよく左右のストレートを当てて、1Rに続きヨンジョンをロープに詰めるとパンチの連打。しかしここでもヨンジョンは驚異的なタフさを見せて、ダウンすら許さない。
もはや完全に試合のペースは緒形。4Rが始まると、左ミドルを連続でヨンジョンに叩き込み、さすがのヨンジョンも苦悶の表情を浮かべる。緒形はヨンジョンが左ミドルを警戒すればすぐに右ローを蹴り、左右に攻撃を打ち分けられるヨンジョンは防御が追いつかない。そして緒形がロープ際でヨンジョンをパンチで滅多打ちにすると、亀になってガードを固めるだけになったヨンジョンを見て、セコンドがタオルを投入した。
試合後、マイクを握った緒形は「前回試合がなかった分、2試合分の気持ちをかけて戦ったんですが、相手もとても気持ちが強い選手でした」と、最後までダウンしなかったヨンジョンの健闘を称えると共に、「11月に行われるS-cup、自分はそこに忘れ物しているんで、それまで一戦一戦心を込めて、魂を込めて戦っていきますんで、応援よろしくお願いします」と、改めてS-cup参戦へ向けての想いを語った。
▼第7試合 60kg契約 エキスパートクラスルール
○及川知浩(龍生塾/SB日本スーパーフェザー級王者)
TKO 3R2分49秒 ※レフェリーストップ
●竹村健二(名古屋JKF)
<試合展開>
1R、ジャブとローで攻める竹村。及川は冷静にそれをディフェンスして、竹村が前に出て来るところに左フック、右ストレートを当てる。しつこく右ローを飛ばす竹村だったが、及川はステップを使って連打を許さない。手数こそ少ない及川だが、的確にパンチを当て、逆に右ローで竹村のバランスを崩す。終盤、竹村は及川の奥足に左ローを飛ばしていく。
2R、竹村は及川のパンチをもらいながらもしつこく右ローを返し、とにかく前に出続けて、パンチと右ローを繰り出していく。竹村のねちっこい攻撃に及川はなかなか反撃の糸口をつかめない。ガードの隙を狙ってヒジを繰り出すも、竹村の顔を捉えることは出来ない。
3R、左のヒザ蹴りから右ローとこのラウンドも前に出る竹村だったが、及川が綺麗にカウンターの右ストレートを当てて、先制のダウンを奪う。竹村はダメージを感じさせない動きで及川とパンチの打ち合い、右フックを当て投げも狙う。しかし残り10秒、パンチで竹村を後退させた及川がヒジで竹村の額をカット! 竹村は試合続行を要求したものの、出血がひどくレフェリーが試合を止めた。
結果的には勝利を収めた及川だったが、竹村の粘り強い攻撃に手こずるなど、試合内容には納得がいかなかったのか、リング上で「すいませんでした」と連呼した。
▼第6試合 59kg契約 エキスパートクラス特別ルール
○石川剛司(シーザー)
判定 3−0 ※30−26、30−25、30−24
●梅下湧暉(湘南)
<試合展開>
1R開始直後、石川が右ストレートからの左フックで梅下からダウンを奪うと、一気呵成に攻め立て梅下に反撃のチャンスを与えない。首投げで2度シュートポイントを奪取、スタンドでバックからチョークを仕掛けるなど、完全に石川が試合を支配する。
2Rに入っても石川の攻勢は変わらず。必死に蹴りを返す梅下に、石川はボディからのコンビネーションを当て、首相撲の離れ際に右ヒジを叩き込み、2度目のダウンを奪う。3Rになると組み付く展開が多くなったものの、その都度、石川は梅下の体を突き放し、全くバランスを崩さない。結局、ポイントで大差をつけ、石川が梅下を一蹴した。
▼第5試合 68kg契約 エキスパートクラス特別ルール
○ファティカート・クロスフェニックス(クロスフェニックス)
TKO 1R1分11秒 ※ドクターストップ
●金井健治(ライトニングジム)
<試合展開>
1R、強烈な右ローを放ったファティカート。金井がパンチで距離を詰めてくると、右ヒジを強振する。ファティカートはプレッシャーをかけて金井を後退させると、両手を広げて挑発。しかし説得力十分の左右のフックで金井にロープをを背負わせると、最後は右ヒジで金井の即頭部を切り裂き、貫禄のTKO勝利を収めた。
▼第4試合 56kg契約 フレッシュマンクラスルール
○えなりのりゆき(シーザージム)※今井教行より改名
判定 3−0 ※30−28、30-27、30−28
●江口光治(チームドラゴン)
※江口は計量オーバーによりグローブハンデ
<試合展開>
1R、右ローを中心に蹴りで攻めるえなりに対し、江口は蹴り終わりを狙ってパンチを打つ。しかしえなりはそのパンチをしっかりとガードし、コツコツとローを返していく。2Rに入ると、このローが徐々に江口の出足を止めて、江口の手数が減り始める。ペースを掴んだえなりは豪快な投げでシュートポイントを奪う。さらに3Rには江口の蹴り足を取ってドラゴンスクリュー(!)を決めるなど、改名一発目の試合でえなりが快勝した。
▼第3試合 ヘビー級 スターティングクラスルール
○西脇恵一(チームドラゴン)
TKO 2R2分39秒 ※3ノックダウン
●炭谷直紀(シーザージム)
▼第2試合 58kg契約 スターティングクラスルール
○中西卓也(大阪ジム)
判定 3−0 ※30−29、29−28、30-28
●センカン大和(湘南ジム)
▼第1試合 57kg契約 スターティングクラスルール
○中森保貴(シーザー)
判定 3−0 ※30−27、30-28、30-27
●岩崎晃久(大村ジム)
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