全日本キックボクシング連盟
「Spear of Destiny（運命の槍）」
2006年7月23日（日）東京・後楽園ホール＝観衆1,650人（満員）
開場17：00 開始18：30
※17：45よりオープニングファイト
▼ダブルメインイベント第2試合 全日本スーパー・フェザー級タイトルマッチ 3分5R
○石川直生（青春塾/王者）
KO 1R2分24秒 ※3ノックダウン
●正 巳（勇心館/挑戦者・全日本フェザー級5位）
※石川が初防衛に成功。
 試合前、負傷のためこのタイトルマッチを欠場することになった前田尚紀が左足をギプスで固め、松葉杖を着いてリング上に。
「本当に申し訳ありませんでした。関係者、対戦相手のジムの関係者、先生、皆様に大変ご迷惑をおかけした事をお詫びします。一日でも早く復帰して、いい試合をしたいと思います」と挨拶した。
1R、石川は前蹴りから首ヒザ。正巳は左ミドルとパンチ。組み付く正巳に石川はヒザを入れるが、正巳はヒジで応戦する。正巳のバックブロー、石川は前蹴り、左のテンカオから組み付いてヒザ蹴りを連発する。そのまま首相撲に捕らえた石川はヒザ蹴りをボディへ連打し、頭を下げた正巳の頭部へ右ヒザを直撃！
 正巳がダウン。石川は飛びヒザ蹴りから組み付いて左のヒザを連打。一度放すと、今度は右のヒザ二連発で辰巳がダウン。石川がテンカオからヒザ蹴りを連打すると、正巳は後方へバッタリと倒れた。
KO勝ちが告げられても険しい表情のままだった石川だが、ベルトを巻くと笑顔を見せる。
「今の僕の夢は軽量級のキックボクシングをもっとハッキリと世に出す事です。僕は今の軽量級のキックボクシングの実力に自信を持ってます。
でも、僕一人の力では無理なので前田選手、真弘選手、ファンも俺も待ってるから早く戻って来て下さい。僕の野望と軽量級の野望、楽しみにしていて下さい」と石川はマイクでアピール。ベルトを肩にして、誇らしげに記念撮影に収まった。
▼ダブルメインイベント第1試合 全日本ライト級タイトルマッチ 3分5R
○増田博正（スクランブル渋谷/挑戦者・同級2位）
TKO 3R2分13秒 ※ドクターストップ
●サトルヴァシコバ（勇心館/王者）
※増田が第17代全日本ライト級王座に就く。ヴァシコバは初防衛に失敗。
 ヴァシコバはファーの付いた豹柄のド派手なガウンで入場、トランクスもファー付きの豹柄、アンクルサポーターにも豹柄があしらってある。ガウンの背中には大好きな蒙古たんめん中本の文字が。
1R、サウスポー同士である二人は右のジャブを飛ばし合う。組み付いた増田は首相撲でヴァシコバを倒す。軽くローを蹴り合う両雄、動きは少ない。
増田の前進に合わせてヴァシコバが左ミドルを放つと、増田が蹴り足をキャッチしてそのまま突進、同体で倒れ込む。するとヴァシコバの左目内側付近から鮮血が…。倒れ際に増田がヒザを入れたのだ。
再開後、傷口を狙って左のヒジを狙う増田。組み付いて投げる。ヴァシコバは左ストレートを放つが、増田はすぐに組み付く。ヴァシコバの左ストレート二連発、増田は組み付く。増田は組み付くと左のパンチで傷口を狙う。顔を鮮血に染めるヴァシコバ。左ストレートで倒しにがかるが、増田はバックステップで当てさせない。
2R、ヴァシコバはジャブを出してロー、いきなりの左ストレートでダウンを奪う！ 組みに行く増田はヒザ蹴り、ヴァシコバはコーナーへ押し込んでブレイクを誘う。ヴァシコバは首相撲に全く対処できず、押し込んでのブレイク狙いだけだ。ヴァシコバが右フックから左ストレート、増田は組み付くがヴァシコバはコーナーへ押し込む。増田の左ストレートにヴァシコバは左のフック。増田のハイキックは空振りで転倒。ヴァシコバの左ヒジ、増田はローキック。増田が首相撲からのヒザ蹴りを連発！ 大応援団からヒザ蹴りに合わせて「オーイ！」の掛け声が飛ぶ。
 3R、増田の左ローにヴァシコバは左ストレートを合わせようとするが不発。増田はまたも組み付いてヒザ蹴り。ヴァシコバの左ストレートをブロックして左ローを蹴る増田。しかし、ヴァシコバは左ストレートでハイキックを出した増田を吹っ飛ばしてスリップ気味ながらもダウンを奪う！
組み付く増田、押し込んで来たヴァシコバを増田が巴投げ。なおも組み付く増田をタックル気味に押し込むヴァシコバ。コーナーを背にした増田。ここですがりつく格好になったヴァシコバが両膝を着く直前に、増田が顔面ヒザを入れるとヴァシコバの傷口からさらに激しく鮮血が噴き出す！
組み付く増田はヴァシコバをヘッドロックして傷口へパンチ連打。ヴァシコバはヒジ、しかし増田が首相撲からの投げをうつ。ドクターチェック。するとドクターが指で×印を作る！ ガックリとロープにうなだれるヴァシコバ。両手を突き上げて歓喜する増田！
ヴァシコバ有利の予想を覆し、大ベテランの増田が3本目（全日本フェザー級、J-NETWORKフェザー級に続いて二階級制覇）のベルトを腰に巻いた。
「今日は本当にありがとうございました。スクランブル渋谷ジムに移って、結果を出してなかったので正直、山口会長や内田会長に申し訳ないと思ってたので、タイ人呼んでもらって練習環境よくしてもらってやっと結果が出たので本当に嬉しいです。この歴史あるフェザーとライトのタイトルを獲ったので本当に嬉しいです！ やっとライト級になって名前が出来ました。これからも全日本ライト級チャンピオン増田博正をよろしくお願いします」と増田は笑顔でアピールした。
▼セミファイナル 全日本キック対J-NETWORK王者対決 67kg契約 3分5R
○大 輝（JMC横浜/全日本ウェルター級王者）
判定3−0 ※50−47、50−47、50−46
●喜入 衆（ソーチタラダ渋谷/J-NETWORKスーパーライト級王者）
 1R、ステップを踏んで右ストレートを放つ喜入。大輝はローから強烈な左右フックで襲い掛かる。打点の高いミドルキックで下がる喜入を追って行き、喜入がパンチで前に出て来るとフックで迎え撃つ。
そのままパンチで押し込んでいき、叩きつけるようなミドルキック。喜入は右ロー、大輝のテンカオ。大輝のパワフルな攻めに後退を余儀なくされる喜入。大輝の右ミドルが入り、喜入は右ストレートを出して前に出るも首相撲に捕まる。その後もパンチで押されていく。
2R、圧力をかけて行く大輝に、ステップを使う喜入。組むと喜入が右のヒジ、大輝はヒザ蹴りだ。大輝の強烈な左ミドル、喜入も打ち合っていくが、大輝のパワフルかつスピードのある連打に押されていく。
連打からの右ローをもらう喜入、パンチで前に出ようとするが大輝の左ミドルやパンチをもらい、圧力で下がらされる。大輝の右ロー、右アッパー、そしてもう一度右ロー。首相撲に捕らえてヒザ蹴りを叩き込んで行く。ゴングが鳴ると、ロープにもたれかかりグッタリとなる喜入。
3R、喜入が右フックから突っ込んでいくも、首相撲に捕まえる大輝。喜入は右のヒジを入れていくが、大輝が離れ際に左のヒジ！ 下がる喜入。両者レバーを叩き合い、喜入はジャブから右ロー、大輝はレバーから右ロー。左ミドルで吹っ飛ぶ喜入にパンチを連打する大輝。喜入はたまらず組み付く。大輝の右ボディストレートから左ミドル、そして右フック。下がらされる喜入。右ストレートに喜入が吹っ飛ぶ！ それでも踏みとどまった喜入は右ローの連打で必死の反撃！
 4R、大輝が右アッパー、左フック、右ミドル。喜入がパンチを打ってきたら右アッパーから左フック。喜入も左フックで反撃するが、レバーを叩かれて右ローをもらう。右のアッパーと左レバーブローを使い分ける大輝。打ち終わりにはハイキックかミドルをフォローする。
大輝の左のパンチで喜入が左目上をカットし、ドクターチェック。再開後、捕まえて右のヒジを放つ大輝。喜入が打ち合いを挑んでくると、右のアッパー連打。
喜入はテンカオで反撃するも、大輝のアッパーから始まる連打に圧倒される。左ミドルで吹っ飛び、右ボディストレートももらう。右ローを返すと大輝は左ミドルのお返しだ。
5R、パンチで打って出る喜入。大輝もパンチのコンビネーションから左ハイキック、左ローと左ミドル。喜入が一発返すと、三発のコンビネーションパンチを返す大輝。喜入の右ボディからの左フックがヒット。しかし、大輝は下がらずに前へ出て左ミドル。レバーから右ロー。
必死の形相でパンチを打っていく喜入に、大輝がパンチのコンビネーションと左ミドルで押し返す。大輝の右アッパーで喜入がグラつき、大輝のハイキック！ それでも喜入は気持ちの強さを見せてパンチで前に出て行くが、大輝の圧勝だった。
大輝は倒しきるほどの強引さはないが（喜入のガッツもあった）、単発で終わらずコンビネーションが手から足まで繋がっていき、なおかつパワフル。後半のラウンドになってもハイキックを連打できるスタミナもあり、豊富な練習量を物語る。倒しきる強引さを身につければ、不動のチャンピオンにもなれそうだ。
 ▼第4試合 57.5kg契約 サドンデスマッチ3分3R延長1R
○岩切博史（月心会/全日本フェザー級7位）
KO 2R2分59秒 ※3ノックダウン
●栗原 豊（光/全日本ライト級9位）
1R、栗原が右ストレートで先制、踏み込んで右ロー、右のボディストレートと攻めて行く。岩切はロープに詰めての連打に行こうとするが、栗原はクリンチ。栗原が右のボディストレート、岩切が前に出て右のフックを当てるが、栗原はすぐにクリンチ。
栗原は踏み込みの深い右ローを蹴り、右ストレートを狙っていく。岩切は圧力をかけてロープを背負わせた栗原に左のフックから左右の連打、左フックでダウンを奪う。左右のフックで一気にラッシュをかける岩切、栗原もパンチで応戦して打ち合う。
2R、前蹴りを多用する岩切。迫ってくる栗原を突き放して距離をとり、自分のパンチを入れていく。パンチで押し込んでいく岩切。栗原も右ローと右ストレート。岩切の左フックがヒット、一気にパンチで前へ出ていく。が、栗原の右ストレートもヒット。
岩切は左右の連打からヒザ、そして左右の連打を入れてもう一度ヒザ！ 栗原の動きが止まったところでさらなる連打を加えてスタンディングダウンを奪う。再開後、岩切はヒザを入れてパンチを叩き込み、コーナーへ詰めてアッパーを交えてのパンチの連打で2度目のスタンディングダウンを追加、岩切が左右のパンチで一気にラッシュをかけて行くと、栗原は防戦一方となって下がり、レフェリーが試合を止めた。
 ▼第3試合 ヘビー級 サドンデスマッチ3分3R延長1R ※ヒジ禁止ルール
○山宮恵一郎（GRABAKA/全日本ヘビー級6位）
判定3−0 ※30−28、30−28、30−29
●ジミー明成（パンクラスチーム玉海力）
1R、サウスポーの山宮は右のジャブを伸ばし、ジミーは左へ回っていく。山宮の左ロングフックで大きな衝撃音が鳴り、場内がどよめくがこれはグローブの上に当たったもの。
左のロングフックを放つ山宮だが当たりが浅く、ジミーにロープまで詰められる。山宮が右フックからの左ストレート、左ボディを叩いてからの左フック。ジミーも左右のフックを打ち返す。
2R、ジャブを出しながらフックを狙う山宮に、ジミーは巨体で押しながらコーナーへ詰めてヒザ蹴り。山宮の右フックからの左フックがまともにヒットし、飛びヒザ蹴りから左右のフックでラッシュをかける。クリンチして逃れるジミー。山宮が右フックを空振りしての左ストレート、ジミーは組み付いてのヒザ蹴りだ。しかし、ローブローとなり注意が与えられた。ジミーがジャブから距離を詰めるも、山宮はすぐに逃げる。
3R、山宮が右フックからの左ストレートをヒットさせ、右フックで前に出る。左のボディストレートから右フック、ジミーが打ち返してくると左ストレートを当ててサッと逃げる。ジミーのジャブに右フックを被せ、左フックを返す山宮。ジミーも左右フックを打ち返すが、パワーがない。ジミーが左右を出して前に出ると、ダッキングで避けて右フックを返す山宮。盛り上がりに欠けたままゴングとなった。
▼第2試合 ライト級 3分3R
○畑尾龍宏（REX JAPAN）
判定3−0 ※三者とも29−26
●長谷川誠（青春塾）
▼第1試合 スーパーウェルター級 3分3R
○大蔵“PHOENIX”1号（PHOENIX）
KO 3R2分0秒
●横澤浩史（SVG）
▼オープニングファイト第2試合 フェザー級 3分3R
△尾田兼次（SVG）
ドロー 判定0−1 ※30−30、28−30、30−30
△土師幸廣（朝久道場）
▼オープニングファイト第1試合 スーパーウェルター級 3分3R
○小笠原克樹（青春塾）
判定3−0 ※三者とも29−26
●星野大介（総合格闘技津田沼道場）
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