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「HERO'S 2006 ミドル級&ライトヘビー級
世界最強王者決定トーナメント準々決勝」
2006年8月5日(土)東京・有明コロシアム
開場14:00 開始16:00
▼メインイベント ライトヘビー級最強王者決定トーナメント 準々決勝
○桜庭和志(日本/フリー)84.6kg
一本 1R6分41秒 ※腕ひしぎ十字固め
●ケスタティス・スミルノヴァス(リトアニア/リングスリトアニア)84.0kg
“ミスター総合格闘技”桜庭がHERO'S初参戦。37歳の新たなる挑戦に11,900人(超満員札止め)の大観衆から歓声が沸き起こる。
桜庭は自分の出たマクセルDVDのCMと同じように、タイガーマスクを被ってCDを胸に構えて登場。スミルノヴァスはフードを目深に被り、あの「トレーニングモンタージュ」で入場。
1R、桜庭はオーソドックスに構えてパンチで襲い掛かる。スミルノヴァスもパンチを返す。打ち合いに行った桜庭が左フックをもらってダウン!
スミルノヴァスはすかさずパウンド連打。桜庭は打たれながらも片足を掴んでテイクダウンに行く。
マウントからパウンド、桜庭はさらにタックルへ行くがスミルノヴァスはスリーパー、逃れた桜庭にスミルノヴァスはパウンド、桜庭は辛うじてガードはしてるものの一方的に打たれ続ける。もう、いつ止められてもおかしくない状態だ。
ここでレフェリーが割って入り、ストップかと思われたが桜庭の頭がロープの外へ出てしまったため中央に戻すだけだった。
これで連打から一旦は逃れられた桜庭。立ち上がった桜庭にヒザ蹴りを入れるスミルノヴァス、首相撲からヒザ蹴り、スミルノヴァスがテイクダウンして後ろからチョーク。
逃れた桜庭はタックルに行くがスピードがない。右フックをもらうも、左右のフックを返してアッパーを入れる桜庭。両者棒立ち状態。桜庭はダメージが、スミルノヴァスは疲れが見える。
しかし、桜庭がパンチで突っ込んでいく! 右フックからの右アッパー連打! なおも右アッパーの連打で襲い掛かる桜庭、スミルノヴァスは防戦一方!
倒れるスミルノヴァスにゆっくりと覆い被さる桜庭はサイドポジション、そして腕十字。スミルノヴァスは腕をクラッチして耐えるが、桜庭は渾身の力を込めて腕十字!
しばらくは耐えたスミルノヴァスだったが、ついにタップ! 桜庭が絶望のどん底からの大逆転勝利を収めた。
「HERO'Sのみなさん、始めまして桜庭です。ちょびっと何で朴がここにいるのが半分くらい記憶富んでるんですけど、これから頑張りますのでよろしくお願いします」と桜庭は腫れた顔ながら笑顔で挨拶した。
▼セミファイナル ライトヘビー級最強王者決定トーナメント 準々決勝
○大山峻護(日本/フリー)84.3kg
判定2−0 ※20−18、20−19、20−20
●ホドリゴ・グレイシー(ブラジル/チーム・グレイシー柔術)83.0kg
1R、サウスポーの大山は左のインロー、ホドリゴも右ローを返す。ローの蹴り合い、大山が右フックに行ったところでホドリゴが組み付く。
ブレイク後、再びローを蹴り合う両雄。大山がフックで前に出るとホドリゴが組み付き、大山が上になる。右のパウンドを落とす大山。グラウンドのホドリゴへローキックを飛ばす。覆い被さった大山はパウンドの連打!
しばらくの間は殴っていた大山だったが、組み付いて鉄槌を落とす。下から十字を仕掛けるホドリゴだが、これは失敗。
大山は右ストレートを二発。立ち上がると寝ているホドリゴにローキック。かつてのヘンゾ・グレイシー戦を髣髴させるような大山の闘い方だ。
2R、またもローの蹴り合い。バランスを崩して倒れたホドリゴに大山が覆い被さり、ホドリゴを抑え込みながらコツコツとパンチを入れていく。
ホドリゴはクロスガード。立ち上がり、ローの蹴り合いからお互いにパンチを繰り出していくがクリーンヒットは奪えない。
大山がタックルに行くとホドリゴがフロントチョークの体勢に入るも、体勢不十分。大山は上に乗ってコツコツとパンチ、両足を持ってパスを狙うがホドリゴのガードは崩せない。そのままゴングを聞いた。
▼第9試合 スーパーファイト 5分2R
○ドン・フライ(アメリカ/フリー)
一本 1R4分52秒 ※チョークスリーパー
●山本宜久(日本/フリー)
“前田日明イズムの継承者”山本と“世界最強のおやじ”フライ。両者はリング中央で額をつけて睨み合う!
1R、山本は片足タックル、フライはフロントチョークを獲りに行く。コーナーに押し込んだフライはパンチを見舞うが、山本は脱出。
パンチを交わす両者、山本はフェイントを入れてのローキック、フライは組み付いて山本をコーナーへ押し込み、ボディへパンチを入れていく。再びタックルに行く山本だったが、フロントチョークを獲られかかる山本。
そのまま押されてロープの外へ転落してしまいブレイク。連打で前に出る山本、フライはローキック。山本は鼻血を出す。
山本はミドルキックを当てながら離れていくが、フライの前蹴りで吹っ飛ばされ右アッパーをもらってダウン、すかさずフライがパウンドからのスリーパーホールドで試合を決めた。
▼第8試合 ライトヘビー級最強王者決定トーナメント 準々決勝
○メルビン・マヌーフ(オランダ/ショータイム)84.6kg
TKO 1R9分12秒 ※レフェリーストップ
●クラウスレイ・グレイシー(アメリカ/クラウスレイ・グレイシー柔術)84.7kg
1R、右のフックを放ったマヌーフにタックルを仕掛け、テイクダウンするクラウスレイ。まずはガッチリと抑え込む。マヌーフはロープを背に立ち上がり、両者ヒザ蹴り。
一度離れたクラウスレイが再びタックル、マヌーフはアッパーを合わせようとする。マヌーフはボディから入ってクラウスレイがタックルしてくるとさらにパンチを放って引き剥がす。
自ら倒れこんで寝技に引き込もうとするクラウスレイ。その度にブレイクとなる。
マヌーフはアッパーを含めたパンチのコンビネーション、ボディへのヒザ蹴りでクラウスレイがダウン、すかさず襲い掛かるマヌーフだったが、左フックで再び自分から倒れるクラウスレイ。消極的ファイトとしてクラウスレイにイエローカードが掲示される。
左フックを飛ばしていくクラウスレイに、パンチで襲い掛かるマヌーフ。パンチが当たる度にクラウスレイは自分から倒れていく。
場内はブーイング。打撃でバンバン前に出て行くマヌーフと、クラウスレイはその度に自分から倒れこむ。痺れを切らしたマヌーフはクラウスレイの上に乗り、パウンドを叩き込む。
スタンドになり、左フックを当てるマヌーフと倒れこんで誘うクラウスレイ。片足タックルにいったクラウスレイ、上に乗ってパウンドを打とうとするマヌーフ。右ストレートから連打を決めていく。一方的に打たれ続けるクラウスレイ。ついにレフェリーが試合をストップした。
▼第7試合 ライトヘビー級最強王者決定トーナメント 準々決勝
○秋山成勲(日本/フリー)84.4kg
判定 1R2分1秒
●金 泰泳(日本/正道会館)84.2kg
ステージに登場するとチーム全員で正座、深々と礼をした秋山。6年ぶりのリングとなる金は空手衣を脱ぎ捨てた。金はワセリンを塗っていたためイエローカードが掲示される。
1R、先制は秋山の左フック。金の左ミドルを受けた秋山はそのままタックル、金はロープを掴んで倒れるのを防ぐ。コーナーに詰めた秋山は一旦離して右ストレート、次に投げを打ったがすっぽ抜け、殴りに行った金だがそのままテイクダウンされ、秋山がマウントポジションに。
起き上がろうとした金へ腕十字を仕掛ける秋山。金は体を並行に持って行き、外しにかかるも腕の角度が危険と見たレフェリーがストップ。金はすぐに立ち上がって“極まってない”とアピールするが、判定は覆らなかった。
「今の試合、中途半端ですいません。ですが、しっかりと勝って次に進むことが大切なんで。この勝利を二人に人に捧げたいと思います。一人は自分の心の奥底に。もう一人は死に物狂いで頑張っているオリックスの清原に送りたいと思います。自分の中では恒例となっていますが、ひとこと言わせて下さい。柔道最高!」と秋山はマイクでアピールした。
しかし試合後、審判団はミスジャッジだったことを認めた。本来なら無効試合だが、トーナメントで勝者を決める必要があるため、ルール第18条の「本大会規定に定められていない問題が生じた場合、プロモーターならびに審判員の合議によって、これを処理するものとする」に従い、両陣営も参加した話し合いが行われ、その結果、審判団が終了時点までの内容を判定することとなり、秋山の判定勝利となった。
▼第6試合 ミドル級最強王者決定トーナメント 準々決勝
○宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)69.9kg
一本 2R3分30秒 ※チョークスリーパー
●ブラックマンバ(インド/フリー)70.0kg
1R、サウスポーで低く構える宇野に、同じく低く構えてジャブを飛ばすマンバ。宇野は離れたところからタックルへ行くが、そこへマンバの左ミドルのヒザが顔面にヒット!
マンバは一気にバックへ回ってパウンドの嵐! 必死に組み付いていく宇野にパンチを見舞うマンバ。宇野はマンバの左腕を掴み、下から這い上がるようにして片足に組み付く。そして両足を掬って上になる宇野。マウント狙いからバックマウントになる宇野は、立ち上がろうとするマンバにスリーパー狙い。
それでも立ち上がろうとするマンバをバックマウントで崩し、スリーパーに入る宇野だが決まらない。またも立ち上がろうとするマンバ。宇野はバックからの組みつきを離さず、スリーパーを狙うがマンバは宇野を振り落として上になる。ガードになる宇野はパウンドを打つマンバに下から足を絡めて行ったが、初回終了のゴング。
2R、右目下が腫れ上がった宇野は開始と同時にタックルへ。しかし、マンバは立ち上がって組んだまま宇野をロープへ押し込む。隙間が空いたところで宇野がタックル、マンバはガブッてこれを切ると逆に両足を掬ってテイクダウン。
スタンドに戻るとマンバは宇野をコーナーへ押し付けてヒザ蹴り、両足を掬ってテイクダウンを奪う。マンバが離れたところで宇野にドクターチェック。
再開後、右フックからマンバをテイクダウンした宇野だが、体を起こしざまにマンバが逆に両足タックルでテイクダウンを奪って上になる。宇野はマンバの手を手繰り寄せてバックに回ると、すかさずスリーパーホールド! マンバがタップ! “逆転の宇野”の異名どおり、またも大逆転で宇野が勝利した。
「今日は熱くて動きがアレでしたけど、これが総合格闘技です!」と宣言。「HERO'Sまた見に来て下さい。あと二つなんで。それと応援してくれた皆さん、ありがとうございます。勝てたのはみんなのお陰です。本当にありがとうございました」とファンの応援にお礼を言うと共に“あと二つ”と優勝を意識したアピールを行った。
▼第5試合 ミドル級最強王者決定トーナメント 準々決勝
○ハニ・ヤヒーラ(ブラジル/アタイジジュニア柔術)70.0kg
一本 1R1分8秒 ※チョークスリーパー
●安廣一哉(日本/正道会館)69.6kg
1R、安廣の右ローにタックルを合わせるヤヒーラ。安廣はこらえるがそのままヤヒーラが倒しにいき、アキレス腱固めに持ち込む。
安廣は顔面への蹴りを連発して逃れるも、離れる前にヤヒーラが足を掬って再びテイクダウン。ヤヒーラは上に登るとあっという間にスピニングチョークの形へ! ヤヒーラが完璧な勝利で決勝トーナメントへ駒を進めた。
▼第4試合 ミドル級最強王者決定トーナメント 準々決勝
○J.Z.カルバン(アメリカ/アメリカン・トップチーム)70.0kg
KO 1R0分30秒
●高谷裕之(日本/チーム・ハードコア)69.8kg
“今世紀最高の殴り合い”と題された一戦。高谷は鋭い目つきでガンを飛ばす。
1R、高谷はカルバンのジャブに対してワンツーから左フック。
カルバンは体勢を低くしてパンチを出すと見せかけ、高谷がガードを固めたところでカルバンはジャンプしながら両手で高谷の後頭部を掴み、そのまま飛びヒザ蹴り!
右のヒザがクリーンヒットで高谷のアゴを捉え、倒れたところへパウンドの雨を降らせる! すかさずレフェリーがストップ!
優勝候補に挙げられたカルバンが、その前評判どおり圧倒的な勝利で決勝トーナメント進出を決めた。
▼第3試合 ミドル級最強王者決定トーナメント 準々決勝
○アイヴァン・メンジバー(カナダ/トリスタージム)69.6kg
判定2−0 ※20−19、20−20、20−19
●所 英男(日本/リバーサル)67.1kg
1R、メンジバーが早いフックを振り回して前に出る! 場内からどよめき。所はタックルに入ってテイクダウンに成功、ガードを取るメンジバーの足関節を狙う所だったが、メンジバーに立たれそうになったのですぐに上に覆い被さる。
メンジバーのガード、ここでなんとメンジバーがオモプラッタ! トップポジションを奪って立ち上がるが、今度は所が下から足を絡めて足関を狙い、すぐに上へ移行して腕十字!
しかし、メンジバーが所の足を開いて上を奪い返し、逃げようとする所にスリーパーホールド! が、所が脇を潜って上を奪い返す。目まぐるしい展開に場内は大いに沸く。
2R、所は胴廻し回転蹴りから足関節を奪いにいき、メンジバーはこれをかわして上に乗ろうとするが、所はすぐに足を絡めていく。下から関節を狙っていく所をメンジバーはなんとパワーボム!
亀になった所へパウンドの嵐だ。メンジバーはバックマウントをキープしながら、スリーパーとパウンドを交互に狙っていく。大ピンチに追い込まれる所。
しかし、体を反転させて向かい合うことに成功、すぐに十字を狙っていくもメンジバーは振り落とす。所はすぐにヒールホールドの体勢に入ったが、メンジバーはまたもバックへ。
残り20秒でサイドに回った所が腕十字! 極まったかに見えたがメンジバーは足を外し、体を並行に持って行く。すぐに裏十字に移行した所だったが、これも外されて試合終了。判定が告げられると、所はリング上に座り込んだ。
▼第2試合 スーパーファイト 5分2R
○セーム・シュルト(オランダ/正道会館)
一本 1R4分46秒 ※三角絞め
●キム・ミンス(韓国/リングスコリア)
K-1GPの現世界王者シュルトがHERO'Sに初参戦! 迎え撃つはアトランタ五輪柔道銀メダリストのミンスだ。
1R、サウスポーに構えたミンスに前蹴りを飛ばし、プレッシャーをかけていくシュルト。ミンスは胴タックルで組み付くとロープに押し込み、足を絡めてテイクダウンを奪いに行くが、シュルトは倒れない。
逆にコーナーへ押し込んで足へのヒザ蹴り。ブレイク。ミンスはヒザ蹴りが効いているのか足がもつれる。そこへシュルトは右ローキック、組み付きに来たミンスへ左フックを放つとミンスが鼻血を出す。さらにヒザ蹴りに行くとミンスは組み付いていってテイクダウンに成功。
サイドポジションを奪ったミンスだったが、ドクターチェックが入る。サイドポジションから再開、ミンスは左上腕でシュルトの首を締め付け、シュルトはブリッジで逃れようとする。シュルトはガードを取ることに成功、ミンスは立ち上がって上からパウンドを狙うが、シュルトは下からミンスの道衣の袖を引き付けながら三角絞め&顔面へのパンチ! しばらく耐えたミンスだったが、ついにタップした。
▼第1試合 スーパーファイト 5分2R
○朴 光哲(日本/KILLER BEE)69.6kg
判定3−0 ※三者とも20−19
●アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ(ブラジル/ワールドファイトセンター)69.4kg
1R、ジャブを伸ばす朴、ペケーニョは低いタックルに行くが手が届かず朴がパンチを合わせようとする。朴の右のパンチに合わせて再び低いタックルに行くペケーニョ、片足を掬ってテイクダウンに成功する。
朴はクロスガード。ペケーニョが離れようとしたところで蹴り飛ばし、立ち上がる朴。ペケーニョはタックルに行くも切られ、朴はプレッシャーをかけていく。
胴タックルに行ったペケーニョは組み倒してグラウンドへ。朴はオープンガードで下からパンチを飛ばす。ペケーニョはパスガードを狙っていくも、朴のガードは固い。
2R、やはりジャブを伸ばす朴はプレッシャーをかけていく。朴の右ストレートにタックルを合わせるペケーニョだが、失敗が続く。
朴の右ストレート、右フックがヒットし、ペケーニョはタックルに行くがやはり失敗、朴は「立てよ」とカモンゼスチャー。ようやくタックルに成功したペケーニョだが、ガードを嫌って立ち上がったところで朴の右ストレートがクリーンヒット!
ペケーニョのタックルは切られ続ける。パンチで前に出る朴、ペケーニョも打ち合うかのように見せたがタックルへ。しかし、朴は立ち上がってアッパー。タックルを失敗したペケーニョの上に乗った朴はパウンドを叩き込んでダメ押し。最後のペケーニョのタックルを朴がガブッて防いだところでゴングが鳴った。
※ライトヘビー級トーナメントは1R10分・2R5分 延長5分1R
※ミドル級トーナメントは5分2R 延長5分1R
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