関西テレビ/FEG
「K-1 WORLD GP 2006 in OSAKA 開幕戦」
2006年9月30日(土)大阪・大阪城ホール
開場15:00 開始16:00
<全試合結果>
▼メインイベント K-1 WORLD GP2006開幕戦 3分3R延長1R
○ジェロム・レ・バンナ(フランス/Le Banner
X team TEAM)
延長判定 3-0 ※10-9、10-9、10-9
本戦判定 1-0 ※30-30、30-29、29-29
●チェ・ホンマン(韓国/フリー)
「K-1は甘いものじゃない。本当のK-1を教えてやる」と、ホンマンに死刑宣告をしたのは“K-1の番長”ことバンナだ。10年以上K-1のトップ戦線で活躍してきた男が、僅か2年目にして王座に手が届く存在となったホンマンにK-1の厳しさ・恐ろしさを218cmの体に教え込むのか? それとも常識を覆すコリアン・モンスターがバンナのプライドを粉々に砕いてしまうのか!? 大会前日の夜に日本に到着したバンナのコンディションが気になるところだが…。
1R、バンナのローキックでスタート。バンナはどっしりと構えてホンマンの動きを見ていく慎重な立ち上がり。お見合いからバンナが左ミドル、右ローキックを単発ながら確実に当てていく。ジャブを伸ばすホンマンに左右に頭を動かしながら左ストレートを狙っていくバンナ。いつになく慎重に相手を見て行き、さらに右ローキックを放ち、フック打っていく。
2R、どっしりと構えてお互いにジャブ、バンナは右ロー。バンナは頭を振りながら右ロー、ホンマンはバンナが入ってくると連打を浴びせるが、バンナはニヤッと笑って左ミドルだ。ホンマンのワンツーをしっかりとブロックするバンナ。しかし、バンナが入っていったところでホンマンがヒザ蹴り! そして連打! バンナも右フックを2度返す。危うい場面もあったバンナだったが、それでも深く潜り込んでいってフックを狙う。バンナの右ロー、左ミドル。ホンマンがヒザ蹴り、それに対してバンナがフックを出しながらジャンプで飛び込んで行き、一気に場内が沸く!
3R、頭を振って入っていこうとするバンナへ、ホンマンもワンツー。左ミドル、左のボディストレートと積極的に入っていくバンナ。ホンマンも入り際に左右のフック。バンナが飛び込む、ホンマンが迎え撃つという展開が続き、バンナのボディへのストレートが入る。そして入り込んだところで右フック! しかし、バンナが離れたところでホンマンも左フックからヒザを突き上げる! さらにホンマンが飛びヒザ蹴り! 怯んだバンナだったが、再び前へ出て行ったところでゴング。
大熱闘の判定は30−30、30−29、29−29でバンナに1ポイントが入ったがドロー。勝負は延長戦へ突入! ドッと沸く場内。バンナもホンマンも気合い充分にリング中央へ向かっていく。
睨み合いが続き、バンナが左ロー。それを合図のように一気に打ち合う両雄! ホンマンのパンチが当たっている。しかし、バンナも下がらずフックを放っていく。ホンマンの左にバンナの鼻から血が吹き出るが、バンナは怯まず強烈な右ローキック! ホンマンは右ストレートを放つもバンナの右ローが効いてしまい、なかなか前に出られない。気合いを発しながらローを蹴る気迫溢れるバンナ。ホンマンも左右のパンチで迎え撃ち、バンナが決死の右ロー! バンナの気迫をぶつけるような熱闘、そして打ち合いに行くホンマンの根性。場内大盛り上がりの中、最後のゴングは鳴った。
判定は三者ともバンナ! ホンマンも笑顔とキスでバンナを祝福する。バンナがホンマンの手を挙げると、ホンマンは首を絞めるようにしてふざけて両者笑顔。何度も笑顔で抱き合う二人に、熱い拍手が送られる。これにより、東京ドームの決勝戦に進んだのはバンナ、シュルト、レコ、カラエフ、ボンヤスキー、グラウベ、ホースト、ハリッドの8名となった。
▼第7試合 K-1 WORLD GP2006開幕戦 3分3R延長1R
○ハリッド・“ディ・ファウスト”(ドイツ/ゴールデングローリージム)
判定 2-1 ※29-30、29-28、30-29
●武蔵(日本/正道会館)
昨年のGP決勝戦でグラウベにKO負けを喫してから、3連敗と崖っぷちに追い込まれた武蔵。日本最後の砦として、日本人初のGP王者へ向けてハリッドとの開幕戦に臨んだ。
1R、ジリジリと前に出て行くハリッドは、右アッパー、左フックと果敢にパンチを繰り出す。ラウンド序盤はややディフェンスに回っていた武蔵だったが、2分過ぎ、構えを小刻みにスイッチし、ハリッドの前足に左右のローを集める。ジャブで飛び込み、ショートでの連打を狙うハリッドに対して、武蔵はサウスポーから左のヒザ蹴りと左ミドルを叩き込む。
2R、いきなり前蹴りを出すハリッド。パンチ一辺倒だった1Rとは違い、このラウンドは蹴り技を多用する。そのハリッドに対し、武蔵は左ハイ、左ヒザ、左ローで対抗。しかし武蔵の左ミドルに合わせて、ハリッドが右フックから左アッパー。これが武蔵の顔を捉え、やや武蔵がバランスを崩す。
武蔵は突進してくるハリッドを前蹴りで突き放し、左のヒザ蹴りを繰り出す。その後もハリッドのパンチを両腕でブロックし左のインローを飛ばす武蔵だったが、再びハリッドの右アッパー、左フックをもらってしまい、クリンチでパンチから逃げる場面が増え始める。その後も武蔵は蹴りの距離を潰され、ハリッドのパンチを被弾する。
3R、左ミドルを連打し、ハリッドの前進を止めようとする武蔵。しかし左右のフックを振り回し、どんどん前に出て行くハリッドを止めることが出来ず、パンチをもらうと背中を見せてしまい、レフェリーから注意を受けてしまう。
再開後、ここでも武蔵はハリッドのパンチをブロックしながら左ミドル。ハリッドはそれを受けながらも武蔵に左右のフックを当て、右アッパーで武蔵の顔を跳ね上げる。ハリッドのパンチでバランスを崩す武蔵。左目の下が腫れており、ハリッドの右のパンチを何度ももらってしまう。終了間際、武蔵は左ミドルと左のヒザ蹴りを出したものの、有効打はない。
微妙な判定となったものの、ハリッドのパンチのダメージが支持を得て、ハリッドがスプリットで勝利! GP制覇を目指す武蔵が開幕戦で姿を消し、決勝戦には日本人が誰一人進出できないという結果となった。
▼第6試合 K-1 WORLD GP2006開幕戦 3分3R延長1R
○アーネスト・ホースト(オランダ/チーム ミスター・パーフェクト)
KO 3R2分9秒 ※右ロー
●藤本祐介(日本/MONSTER FACTORY)
「負けたら即引退」という公約を掲げ、前人未到のファイブ・タイムス・チャンピオンに挑むホースト。それを阻止せんとする一番手は「俺が引退させてやる」と豪腕フックで引導を渡そうとするワールドGP初出場の藤本である。まずは藤本が入場、続いて顔いっぱいに汗をかいたホーストがリングインする。
1R、ホーストがまず右ロー、藤本は思い切ってパンチを振るって行き、コーナーへ詰めてボディへ一発。ホーストのローに合わせて藤本がフックを放ち、ホーストはコーナーへ吹っ飛ぶ。藤本が右のボディからの右フックをヒットさせた。パンチでドンドン前に出る藤本だが、ホーストは体勢を入れ替えてレバーブローからのヒザ蹴り。ワンツーから右ローを繰り出すホースト、藤本が打ってくると右フックを被せる。出だしは藤本が手数を出して攻めた。
2R、ホーストのワンツーに藤本が左右フック、ホーストはすぐに右ローキックで転倒させる。両者足を止めての打ち合いになると藤本がボディからのフック、そして右ストレートがヒット。藤本の右ボディストレートで後方へ吹っ飛ぶホースト、藤本は右ローにも右を合わせていく。しかし、ホーストはパンチをガードしての右ロー。藤本は前傾姿勢でパンチを打つため、足に体重が乗っているのでホーストの打ち下ろすローが単発でも効いてくる。ホーストが打ちに行くと藤本は体勢を低くしてボディを狙うが、すぐに組み付く。細かい連打をホーストに入れられると、藤本がクリンチ。藤本にクリンチが多いと注意が与えられる。
3R、左右のフックを打って右ローを蹴るホースト。藤本は体勢を低くしてストレートを放ち、ホーストは左右フック。ホーストがパンチで前に行くと藤本は何度も自ら倒れる。ホーストの右ローが効き始めているようだ。藤本の左フックを空振りさせて、ホーストが右ローを合わせると藤本は痛がる素振り。それでも藤本が左フックを放っていくと、ホーストが右ローを合わせる! 両者とも倒れこんだが、ホーストはバランスを崩しただけですぐに立ち上がり、藤本がダウン! 仰向けとなったまま、藤本は10カウントを聞いた。
ホーストは5度目の栄冠へ向けて、東京ドームへの切符を手に入れた。成るか、ファイブ・タイムス・チャンピオンの伝説!
▼第5試合 K-1 WORLD GP2006開幕戦 3分3R延長1R
○ステファン・“ブリッツ”・レコ(ドイツ/ゴールデングローリージム)
延長判定3-0 ※10-9、10-9、10-9
本戦判定0-0 ※30-30、30-30、30-30
●レイ・セフォー(ニュージーランド/レイ・セフォーファイトアカデミー)
昨年のK-1WORLDGP決勝戦でK-1に電撃復帰したレコは、復帰直後こそ連敗が続いたものの、レコはラスベガスで行われた最終予選では見事復活を遂げ、開幕戦の切符を掴んだ。対するセフォーは、毎年決勝トーナメントに勝ち残りながら、あと一歩のところで頂点にまで手が届いていない。ここまで歩んで来た道は違えど、GP制覇にかける想いは強い。果たして決勝まで生き残るのは…?
1R、まずは互いに軽くジャブとローを打つ展開。セフォーは小刻みにジャブを振ってパンチの打ち合いを誘うが、レコはそれには乗らず右ローをコツコツと返していく。その後も合わせ鏡のようにジャブと右ローを繰り返す両者。
レコが右ストレートで前に出たところに、セフォーが右フックを合わせ、レコがバックキックを狙う場面があったものの、大きな動きはない。ラウンド終盤、やや手数が減ったレコに、セフォーがパンチで飛び込んでいく。
2Rもまずはローの蹴り合い。セフォーはサイドキックを見せ、ジャブを突いて前に出て行くが、レコはそれを突き放して確実に右ロー当てる。レコの右ローにワンツーで飛び込むセフォー。セフォーは右ローから、左ハイ、右フックと手数を出していくが、レコはそれをしっかりディフェンスしてバックスピンキックを返す。
3R、ここまで手数の少なかったレコはワンツーから右ロー。このラウンドはアグレッシブに前に出て行く。セフォーは右ハイ、左のショートフック。レコのジャブには踏み込んで左フックを合わせる。右ストレートから右ローを蹴るレコ。そしてここでレコが奇襲のバックブロー! しかしセフォーもすかさず右フックを返し一進一退の攻防が続く。本戦はどちらも明確なポイントはなく、延長ラウンドへ。
延長R、前に出るセフォーにレコは確実に右ローを返す。そしてセフォーがバランス崩したところに右ハイを蹴る。レイが右アッパーを突き上げれば、右ストレートを返すレコ。このラウンドの優劣で東京ドーム行きが決まるのだが、互いにパンチを警戒してか、期待された打ち合いにはならず、ジャブとローの打ち合いが続く。
セフォーがノーガード戦法で打撃戦を誘うも、レコはそれに乗らない。しかしジャブとローでダメージを蓄積させていくのはレコ。決して派手さはなかったものの、堅実な攻撃で確実にポイントを稼いだレコが、判定ながら強敵セフォーを下し決勝戦への切符を掴んだ。
▼第4試合 K-1 WORLD GP2006開幕戦 3分3R延長1R
○セーム・シュルト(オランダ/正道会館)
KO 1R2分21秒 ※3ノックダウン
●ビヨン・ブレギー(スイス/マイクスジム)
K-1の絶対王者になると目されながら、昨年のGP優勝後は白星を挙げられていない212cmのシュルト。「今までの試合は全て挑戦試合」とGPに照準を合わせていたと豪語する。その言葉は強がりなのか、真意なのか? 答えがハッキリする。対するは強豪揃いのオランダGPを制した202cmのブレギー。大番狂わせを狙ってリングへ上がると、真っ直ぐにシュルトを睨みつけた。
1R、シュルトの前蹴りに左右のフックで襲い掛かるブレギー。シュルトが蹴ってくるとすかさずパンチを合わせていく。どんどん中に入ってフックを振るうブレギーに、シュルトは闘いにくそうだ。ブレギーのフックが空を切る度に、場内からはどよめきが起こる。しかし、ブレギーのジャブにシュルトが同じ左ジャブを合わせ、すぐに打った二発目でブレギーがダウン。
シュルトは前手(左)のジャブとはいえストレートなみの破壊力がある。再びの左ジャブでブレギーは2度目のダウン、シュルトが左右のフックからクリンチしてくるブレギーを突き放し、またも左ジャブを入れるとブレギーはあっ気なく崩れさった。シュルトは二連覇の舞台となるかもしれない、東京ドームへ駒を進めた。
▼第3試合 K-1 WORLD GP2006開幕戦 3分3R延長1R
○グラウベ・フェイトーザ(ブラジル/極真会館)
判定 3-0 ※30-28、30-27、30-27
●ポール・スロウィンスキー(オーストラリア/ファインダーズ
ユニ ムエタイジム)
覚醒した“極真の怪物”グラウベがGP制覇へ始動! 対戦相手のスロウィンスキーはムエタイベースのファイターで、ホーストを始めとする歴代王者たちが「未来の王者になる」と太鼓判を押す逸材。しかしK-1の頂点を目指すグラウベにとっては、結果だけでなく内容も問われる一戦だ。
1R、スロウィンスキーが左ロー、グラウベも右ローを返す。グラウベはスロウィンスキーのローの打ち終わりに右ストレートを合わせ、早くもスロウィンスキーはバランスを崩す。グラウベは右ローから左ハイキック、前に出てプレッシャーをかけ、スロウィンスキーがロープを背負うと、左のヒザ蹴りを突き上げ、右アッパーを打ち込む。
スロウィンスキーもパンチとローのコンビネーションを繰り返すが、グラウベの猛攻は止まらない。グラウベは左ハイから右ストレート、確実にジャブを当てて、離れ際に左ハイを打つ。スロウィンスキーのジャブには左フックのカウンターを合わせ、スロウィンスキーのローの打ち終わりに右ストレート。左ハイがスロウィンスキーの顔をかすめると会場からは大きなどよめきが起こる。
2Rに入るとグラウベの攻撃がさらに激しくなる、ワンツーから飛びヒザ蹴りを見せると、ジャブを返して左ハイ。下がるスロウィンスキーに右ボディから左フックを返し、すかさず左ハイを叩き込めば、スロウィンスキーは立っているのもおぼつかない。
ここを勝機を見たグラウベはカカト落とし! 逃げるスロウィンスキーを追いかけ、ジャブを当ててから左ハイ。ガードも下がり気味になるスロウィンスキーに右ストレート、右ハイ、左ミドルと怒涛の攻めを見せる。しかしスロウィンスキーも気持ちの強さを見せ、決してダウンは許さず、左右のフック、アッパーから左右のローを返していく。
3R、グラウベはジャブから左ハイ。スロウィンキーのパンチに対しては、しっかりと顎を引き両腕でブロックし、ローとミドルを返す。勝利を確信したのか、グラウベはここまでのラウンドと違い、スロウィンスキーの攻撃をディフェンスし、右ストレートと左ハイのコンビネーションで攻める。結局、ダウンこそなかったグラウベだったが、完全に試合を支配し圧倒的な強さを見せて勝利。改めてグラウベ強しを印象つけると共に、GP制覇へ向けて大きな弾みをつけたと言っていいだろう。
▼第2試合 K-1 WORLD GP2006開幕戦 3分3R延長1R
○レミー・ボンヤスキー(オランダ/メジロジム)
KO 3R0分52秒 ※右ハイキック
●ゲーリー・グッドリッジ(トリニダードトバコ/フリー)
去年は離婚、トーナメント敗戦と最悪な一年を経験した二連覇王者ボンヤスキー。「まだ私の時代は終わっていない」と捲土重来を期して王座返り咲きを目指す。その前に立ちはだかるのは負傷欠場のピーター・アーツに代わってGP出場のチャンスを得た“剛力”グッドリッジだ。
1R、軽いステップを踏んで右へ回っていくボンヤスキー。グッドリッジはボディブローを連発して前へ出る。右ハイキックでグラつくグッドリッジ。ボンヤスキーは右ストレート、左フックと顔面をガードさせておいて、両腕ガードの間を貫く右の飛びヒザ蹴り一閃! グッドリッジがダウンする。
ボンヤスキーはローキックからもう一度飛びヒザ蹴り、レバーブローからハイキックのコンビネーションを2度。グッドリッジもボディブローで突進するが、ボンヤスキーはジャブからよく伸びる右ローキック。グッドリッジがパンチで来るとしっかりガードして右ローを確実に蹴り込んでいく。右ローでグッドリッジがヒザをガクガクさせたところでゴング。グッドリッジは足を引きずりながらコーナーへ帰って行った。
2R、迫るグッドリッジに右ローを蹴るボンヤスキー。アゴへのヒザ蹴りでグッドリッジが下がると、ボンヤスキーは前に出て右ロー。グッドリッジはボディから左右のフックで前に出るが、ボンヤスキーはフライングキックで押し返して右ロー。軽やかなステップで回るボンヤスキー、グッドリッジは蹴り足を掴んでパンチを見舞おうとする。ボディブローで押し込んでいくグッドリッジに、ボンヤスキーは左右のミドルキックから左ロー二連発。それでもグッドリッジは前に出てパンチを振るって行く。
3R、迫るグッドリッジをステップでかわしながら、組み付くボンヤスキーが右ストレートから顔の正面にパンチを集めてハイキック。これにグッドリッジがフラついた。ボンヤスキーはすかさず前へ出て左右のフック&右の突き上げる高角度のヒザ蹴り! 後方へ下がるグッドリッジをパンチで追って行って、ロープ際で右ハイキック! これがかすめるように当たり、倒れたグッドリッジは左目尻の辺りから流血。ヒザ蹴りで切れたのだろう。レフェリーはカウントすることなく、ボンヤスキーのKO勝ちを告げた。
▼第1試合 K-1 WORLD GP2006開幕戦 3分3R延長1R
○ルスラン・カラエフ(ロシア/マルプロジム)
KO 1R52秒 ※右ストレート
●バダ・ハリ(オランダ/ショータイム)
入場曲を歌いながら、たっぷり時間を使って花道を歩き、早くも“バッドボーイ”キャラ全開のハリ。対するカラエフも、ファンと手を合わせながら花道を歩き、リングへと向かった。
1R、前蹴りを打つハリに対して、カラエフは左フックを合わせる。ハリは距離を取りながら、右ローと左ハイ。ここでもカラエフはハリの右ローに左フックを合わせていく。ジリジリと前に出てプレッシャーをかけていくカラエフ。ハリは下がりながらも右ヒザ蹴り、左のインローを蹴るのだが、コーナーに詰まるとバランス崩してしまう。
するとそこでカラエフがすかさずワンツー。そのまま尻餅をつくハリに、右ミドルまで叩き込み、ハリが早くもダウンを喫してしまう。最後の蹴りが効いたのか、その表情からはダメージの大きさが色濃く見えるハリ。何とか立ち上がったものの、レフェリーが試合をストップ。復活をかけるゴールデンボーイが、まさかの秒殺KO負けを喫した。
カラエフのダウン後の加撃に納得のいかないハリ。試合後もカラエフ陣営、レフェリーに対して猛抗議。悪態をつきながら控え室へ引き上げていくなど、ある意味大きなインパクトを残したのだった…
※休憩明けに角田信朗K-1競技統括プロデューサーがリングに上がり、「ハリ選手はカラエフ選手の有効打によるダウンでKO負けしたため、試合結果は動きません。しかしカラエフ選手が倒れたハリ選手に攻撃を加えたことは反則です。この行為に対して、カラエフ選手には厳重注意、減点1を与えることとします」と説明した。
●マイク・ベルナルド引退セレモニー
休憩終了後、長くK-1のトップファイターとして活躍、ファンに愛されたマイク・ベルナルドの引退セレモニーが行われた。場内にはベルナルドがこれまで闘ってきた激闘の数々が映像で流され、スーツ姿のベルナルドが登場。耳に手を当てて声援を聞き、笑顔でTシャツを客席に投げ入れながらの入場だ。
リングインしたベルナルドは愛用のガウンを手に、10カウントゴングを聞いた。その表情は今にも泣きそうである。その後、角田信朗、藤原紀香さんから花束を贈られるとベルナルドの目から大粒の涙が…。藤原紀香さんにはガウンをプレゼント。
「日本の(皆さん)コンニチハ」ベルナルドは斎藤佑樹のようにハンカチで汗を拭い、笑いを誘う。「残念ながら引退させていただきます。皆さんといろんな思い出を作りました。皆さんのことを一生忘れません。長い間、お世話になりました。ありがとうございました」日本語で挨拶したベルナルドに万雷の拍手が送られた。
次は英語で「皆さん、このリングを去る前に数名の人たちに感謝したいと思います。まずトレーナーとコーチのカラコダ氏に感謝したい。日本での成功は彼無しではありえませんでした。それからK-1のスタッフ、ファンの皆様にも感謝したい。どうか自分のことを忘れないで、心のどこかに留めておいて下さい」そう言ってベルナルドはリングから去っていった。
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