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「HERO'S 2006 ミドル級&ライトヘビー級
世界最強王者決定トーナメント決勝戦」
2006年10月9日(月・祝)神奈川・横浜アリーナ
開場14:30(予定) 開始16:00(予定)
▼第11試合 ライトヘビー級トーナメント決勝
1R10分 2R5分 延長1R5分
○秋山成勲(日本/フリー)
一本 1R1分58秒 ※腕ひしぎ十字固め
●メルビン・マヌーフ(オランダ/ショータイム)
※秋山が初代HERO'Sライトヘビー級王者に
準決勝同様に、花道でセコンドに気合を入れられながら入場するマヌーフの隣には、前の試合で第2代ミドル級王者になったばかりのカルバンも応援に駆けつける。そして花道では入場曲に合わせて二人で激しいダンスを繰り広げ、マヌーフのテンションはリングに上がる前から最高潮である。
一方の秋山も準決勝と同じように、セコンドと共に花道でリングへ向けて正座して頭を下げる。マヌーフのような派手さはないものの、花道からリングを見つめるその視線には殺気がみなぎっており、すでに戦闘体制に入っている。スミルノヴァス戦では道衣を脱いだ秋山だったが、この試合では道衣のままで試合で臨んだ。
1R序盤は互いに様子見の状況が続いたものの、マヌーフが一気に距離を詰めて猛然とラッシュ! 左右のフックとアッパーを振り回し、まさに野獣のように秋山に襲い掛かっていく。秋山は両腕で顔面をしっかりとブロックし、必死にマヌーフの距離から逃げる。
マヌーフとの距離が詰まると組み付いた秋山。ここでテイクダウンしようとするマヌーフの動きに合わせて上手く体を翻し、グラウンドになると一気にマウントポジションへ。劣勢から一転、一気にチャンスをつかんだ秋山だったが、何とここからマヌーフは秋山の胴を持ったまま、ブリッジの勢いで立ち上がるという常人離れしたパワーでこのピンチを脱出する。
そのままスタンドで四つ組での攻防となり、秋山はマヌーフにバックを取られるものの、そこからアームロックを狙う。ここでもマヌーフは驚異的なパワーを発揮し、秋山の体を高々とマットに持ち上げてバスターを仕掛けるのだが…結果的にはマヌーフのこの攻撃が試合の勝敗を分けた。
マットに叩きつけられながらも、マヌーフの腕を離さなかった秋山が、グラウンドで上のポジションを取ろうと起き上がったマヌーフの動きに合わせて腕十字の態勢に入ったのだ! マヌーフは腕をクラッチして何とかディフェンスするものの、秋山は足の下からマヌーフの顔に鉄槌。
マヌーフのクラッチが弱くなったところで一気にマヌーフの肘を伸ばして腕十字へ! するとここでマヌーフがタップ。秋山が見事マヌーフの序盤の猛攻に耐え、関節技で逆転勝利を収め、初代ライトヘビー級のベルトを腰に巻いた。
試合後、リング上で「チャンピオンになってしまいました。ここまで応援してくださったみなさん、最高です。一緒に頑張ってきた仲間たち、最高です。このHERO’S、そして柔道最高っー!!」と喜びを爆発させた秋山。
さらに「本当は桜庭選手と試合をする予定でしたが、桜庭さんが体調を崩されたということで、試合をすることが出来ませんでした。桜庭さん、しっかり体を治してください。大晦日に待ってます」と、大晦日『Dynamite!!』での桜庭戦をアピール。秋山のベルト奪取によって、さらにプレミアム感の増した秋山と桜庭のドリームマッチ、ぜひ実現を期待したい。
▼第10試合 ミドル級トーナメント決勝 5分2R(延長1R)
○J.Z.カルバン(ブラジル/アメリカン・トップチーム)
判定 2−0
●宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)
※カルバンが第2代HERO'Sミドル級王者に
1R、じりじりと前に出てプレッシャーをかけてくカルバン。宇野をコーナーに詰めて右ミドルを蹴ると、組み付いてくる宇野をコーナーに押し込み、離れ際にパンチをまとめる。
カルバンは再びプレッシャーをかけて宇野にロープを背負わせると、そこから左右のフックを振り回し、一気に前に出て行く。クリーンヒットこそなかったものの、宇野は下がりながらの片足タックルから引き込む形でガードポジションへ。
しかし宇野は一度バックをとらせて立ち上がるという、得意の動きで立ち上がりブレイク待ちに成功。再開後も蹴り足をとられてテイクダウンを許した宇野だったが、巧みなガードワークでカルバンのパウンドを阻止する。
2Rに入ると、これまで打撃モードだったカルバンが、グラウンド&パウンドモードへシフトチェンジ。宇野のパンチにカウンターのタックルを合わせてテイクダウンを奪い、パンチを落としていく。
グラウンドで下になった宇野は、カルバンのパウンドをディフェンスし、上手く足を効かせて有効打をもらわずにスタンドへ戻すものの、再びカルバンのタックルでテイクダウンを許してしまう。カルバンは宇野の胸に頭をくっつけ、下からの仕掛けをディフェンスしながら頭を上げてパンチ、宇野が立ち上がろうとすればすぐに胴タックルで寝かせてしまう。
残り40秒、亀の状態から何とか立ち上がった宇野。パンチの打ち合いで勝負をかけ、両差しから渾身のテイクダウンを仕掛けるが、バランスの良いカルバンを倒すことが出来ない。
逆に宇野はカルバンの片足タックルでテイクダウンを奪われてしまい、最後はバックマウントからパンチを落とされる形で試合終了のゴングを聞いた。判定は堅実な攻めでポイントを稼いだカルバンが判定2−0で勝利、第2代HERO'Sミドル級王者の栄光を掴んだ。
一回戦から準決勝まで打撃によるKOと関節技の一本による秒殺劇で勝ち上がってきたカルバン。
決勝の宇野戦では過去3戦と比べるとインパクトにこそ欠けたものの、ベテランの宇野を相手にしっかりとポイントを取る安定した闘いで、勢いだけの選手ではなく試合巧者な一面も見せた。山本“KID”徳郁(KILLE
BEE)、須藤元気(ビバリーヒルズ柔術)のいないHERO'Sミドル級に、難攻不落の王者が誕生したと言っても過言ではないだろう。
▼第9試合 スーパーファイト 5分2R延長1R
○ドン・フライ(アメリカ/フリー)
KO 2R2分47秒 ※右フック
●キム・ミンス(韓国/リングスコリア)
両膝をテーピングでグルグル巻きにしているミンス。試合への影響が気になるところ。1R、フライはその膝を狙うように、コツコツとローを蹴る。ミンスはパンチで距離を詰めて投げでテイクダウンに成功するも、上四方固めで押さえ込もうとした際にフライに立ち上がられてしまう。スタンドに戻ると、左フックを当てたミンスは両差しからテイクダウン。一気にマウントポジションを奪い、パンチを落とす。絶好のチャンスを迎えたミンスだったが、ラウンド終了のゴングが鳴ってしまう。
2R、1Rと同じようにパンチで前に出てテイクダウンを狙うミンス。しかしフライはそれをしっかりと受け止めてテイクダウンを許ず、スタンドの展開になるとローを確実に当ててミンスの出足を止める。そしてキムが不用意に放った左ストレートに右フックをかぶせ、このワンパンチでフライが試合を引っくり返し、逆転勝利を奪った。
▼第8試合 ライトヘビー級トーナメント・リザーブファイト 1R10分
2R5分 延長1R5分
○カーロス・ニュートン(カナダ/カナディアン/ウォーリアーMMA)84.9kg
TKO 1R22秒 ※レフェリーストップ
●石澤常光(日本/TEAM JAPAN)84.7kg
減量苦が伝えられていたニュートンだったが、試合開始直後、左フックから飛び込んでそのまま右アッパーを連打。これが石澤の顎を打ち抜き、石澤はそのままマットに倒れ、レフェリーが試合を止めた。
▼第7試合 ミドル級トーナメント・リザーブファイト 5分2R延長1R
○宮田和幸(日本/フリー)69.9kg
TKO 1R49秒 ※ドクターストップ
●イアン・シャファー(オーストラリア/ファイブリングス・オーストラリア)70.0kg
1R、両足タックルでテイクダウンを狙う宮田。このタックルを切られた宮田だったが、そこから四つ組みの攻防に持ち込むと豪快な投げでテイクダウンを奪う。シャファーはハーフガードから足関節、脇を差そうとするものの、宮田はシャファーの頭を押さえつけ鉄槌の連打。これでシャファーが左目尻をカットしドクターが試合をストップ。宮田が試合前の宣言通りに成長の跡を見せ、シャファーへのリベンジに成功した。
▼第6試合 ライトヘビー級トーナメント準決勝
1R10分 2R5分 延長1R5分
○メルビン・マヌーフ(オランダ/ショータイム)
84.6kg
TKO 1R1分4秒 ※レフェリーストップ
●大山峻護(日本/フリー)83.7kg
壮大なテーマに乗っての入場となったマヌーフは花道でセコンドに気合を入れられる。先ほど試合を終えたばかりのカルバンもマヌーフを激励に訪れ、曲調がヒップホップ調に変わると、それまでの雰囲気から一変、音楽に合わせて踊りながらノリノリの入場となった。
1R、まずは落ち着いて大山の動きを見るマヌーフ。大山はバックブローを狙うもののマヌーフには当たらない。そして大山の片足タックルを切ったマヌーフは、ここから嵐のような連打。マヌーフが左フックから右ミドル、右ハイを当てると、大山は思わず背中を見せてロープずたいに逃げてしまう。マヌーフは一気に大山を追いかけ、大山のブロックの間から右フック! この一発で大山はマットに倒れた。
▼第5試合 ライトヘビー級トーナメント準決勝
1R10分 2R5分 延長1R5分
○秋山成勲(日本/フリー)84.5kg
KO 1R3分1秒 ※左フック
●ケスタティス・スミルノヴァス(リトアニア/リングスリトアニア)85kg
今回も高田延彦ばりに『トレーニングモンタージュ』とフードつきのガウンで入場するスミルノヴァス。秋山はセコンド陣と共に花道でリングへ向けて正座して頭を下げてからの入場。秋山は柔道衣を着て入場したものの、試合直前に道衣を脱いて裸に。道衣を脱いだこともさることながら、鍛え上げられた肉体が露になると場内からはどよめきが起こった。
1R、秋山はスミルノヴァスと距離を測りながら右ローを飛ばしていく。スミルノヴァスは桜庭をKO寸前に追い込んだ左フック、そして左フックからのコンビネーションで攻めるものの、秋山はしっかりとディフェンスし、ダメージはない。逆に秋山の右ローが徐々に効き始め、スミルノヴァスは明らかにローを嫌う素振りを見せる。
スミルノヴァスは秋山の蹴り足を取ってテイクダウンを狙うものの、秋山が足を取られながらも右のパンチを当ててスミルノヴァスがぐらつく。そして秋山は一度、目でスミルノヴァスの足を見るフェイントを入れて、右ハイキック! これがスミルノヴァスの頭部をかすめ、スミルノヴァスは大きくバランスを崩す。ここで秋山がすかさず左フックを打ち込むと、そのまま亀になるスミルノヴァス。秋山が追撃のパンチを打ったところでレフェリーが試合を止め、秋山が鮮やかなKO劇で決勝へ駒を進めた。
▼第4試合 ミドル級トーナメント準決勝 5分2R延長1R
○宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)69.9kg
判定 3−0
●アイヴァン・メンジバー(カナダ/トリスター)70.0kg
1R、サウスポーの宇野は距離をとりながら左のインロー、さらにそこから左のミドルを飛ばしていく。すると宇野の左ミドルがメンジバーのわき腹に直撃、思わずメンジバーは痛がる素振りを見せる。
ラウンド中盤に差し掛かると、組み付いてテイクダウンを狙う宇野。しかしメンジバーはそれを突き放して離れ際にパンチの連打をまとめる。その後も宇野はパンチや組み付くフェイントを入れて、メンジバーのディフェンスが甘くなったところに左ミドルを蹴りこむ。
2Rに入っても左ミドルを多用する宇野。組みの展開になっても強引にテイクダウンは狙わずに、組み膝、首相撲からのヒザ蹴り、クリンチアッパー&フックと打撃を中心に攻撃を組み立てる。そしてラウンド終盤には宇野が足払いからテイクダウンを奪い、バックポジションから得意のチョークスリーパーを仕掛ける場面も作り、メンジバーを下して決勝へ駒を進めた。
▼第3試合 ミドル級トーナメント準決勝 5分2R延長1R
○J.Z.カルバン(ブラジル/アメリカン・トップチーム)69.9kg
一本 1R39秒 ※ギロチンチョーク
●ハニ・ヤヒーラ(ブラジル/アタイジジュニア柔術)70.0kg
花道を一気に駆け抜けリングに上がったヤヒーラ。対するカルバンはブラジルカラーのコスチュームにブラジルとアメリカン・トップチームのフラッグを手に、チームメイトたちと踊りながら時間をたっぷり使ったド派手な入場。二人のキャラクターを表す入場シーンとなった。
1R、じりじりとパンチのプレッシャーをかけるカルバンに、果敢にタックルを仕掛けるヤヒーラだったがことごとく切られてしまい、得意の寝技に持ち込むことができない。そしてヤヒーラのタックルをがぶったカルバンが何とそのまま飛びつくようにギロチンチョーク! ヤヒーラの首をねじ切らんばかりにひねり上げ、何とカルバンがヤヒーラを関節技で秒殺するという衝撃の結末を迎えた。
▼第2試合 スーパーファイト 5分2R延長1R
○所 英男(リバーサル)68.9kg
一本 1R1分50秒 ※腕ひしぎ十字固め
●金子 賢(フリー)72.4kg
1R、片足タックルでテイクダウンを奪った所がそのままサイドポジションにつくと、ヒジで顔面をグリグリと嫌がらせ。横三角絞めやマウントポジションを狙っていく。そして所は金子の顔面にパンチを落としながら腕十字を極めて一本。
金子のいい部分を引き出さず秒殺した所が、金子にHERO'Sのリングの厳しさを教える形となった。試合後リングを降りた金子はそのまま前田スーパーバイザーに挨拶、前田スーパーバイザーも金子の肩を抱き言葉を交わした。
▼第1試合 スーパーファイト 5分2R延長1R
○アントニオ・シウバ(ブラジル/FIGHT CO.)
KO 1R1分8秒 ※左フック
●カイシノフ・ゲオルギー(ロシア/マルプロジム)
1R、ジャブを突いて積極的に前に出るゲオルギーだが、顎が上がっているため、非常に危なっかしい。シウバはゲオルギーのタックルを切り、前に出るゲオルギーにジャブ、右フックを当てていく。そしてゲオルギーの左に対して、シウバがカウンターの左フック! この一発でゲオルギーが崩れ落ち、シウバが豪快なKO勝利を収めた。
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