MARS事務局
「MARS 05 in 両国国技館」
2006年10月28日(土)東京・両国国技館
開場16:00 開始17:00
▼メインイベント MARS -83kgミドル級トーナメント決勝 5分2R延長1R
○ダニエル・タベラ(スペイン/SHOOT
SPAIN)
判定 2−0
●ブライアン・ラフィーク(フランス/ホアウ・ジュカオ)
※タベラがMARS -83kgミドル級トーナメント優勝
1R、タックルでテイクダウンを奪ったラフィークが、起き上がろうとするタベラの首を捉えてフロントチョーク。しかしタベラは頭を抜いて強烈なパンチを振り下ろす。ラフィークはパンチをもらいながらも、ハーフガードからタベラの股の間を潜り抜けるような潜りスイープでポジションを入れ替える。
一度は逃げられたラフィークだったが、再びタックルからハーフガードで引き込むと、今度は相手を横に転がすような潜りスイープを決めてサイドポジションを奪う。このラウンドはラフィークが寝技でタベラを攻め込んだものの、タベラは決定的な場面は作らせず。逆にタベラのパウンドでラフィークの左目が腫れ上がった。
2R、飛びヒザ蹴りを見せたラフィークだったが、着地と同時にタベラが左フック! これがラフィークの顔面を捉え、ラフィークがダウン気味に尻餅を付く。
パウンドで追い討ちをかけるタベラに対し、ラフィークは潜りスイープを仕掛けたものの、タベラはトップポジションをキープ。距離をとって立ち上がるとミドル、亀になってガードを固めるラフィークにパンチの連打を集める。
何とかタックルで組み付き、テイクダウンや足関節を狙うラフィーク。しかし1Rのような勢いはなく、タベラがラフィークの動きを潰して要所要所で的確にパンチを当てていく。ラフィークはタベラのパンチで鼻から大量の出血、左目の腫れも酷くなりドクターチェックが入る。試合は続行となったものの、ラフィークのダメージは深い様子。
再開後、ラフィークは殴られながらも、タベラの股を潜り抜けるように潜りスイープに成功。サイドポジションでしっかりと押さえ込み、逆転の腕十字を狙ったものの、タベラの腕がすっぽ抜けてしまう。最後はタベラがラフィークの体を下から蹴り離したところで試合が終わった。
試合終了後、両者手を挙げて勝利をアピール。寝技で優位に立っていたラフィーク、スタンドの打撃とパウンドでダメージを与えたタベラという図式になったが、ジャッジはタベラを支持。タベラがトーナメントを制し、MARS83kgトーナメントAブロック優勝を遂げた。試合後のタベラ、天野代表のコメントは以下の通り。
●タベラ「これからの目標はPRIDEに出ること」
「準決勝で闘った佐藤は本当に強い選手だった。チョコレートに一本勝ちした選手だし、本当に大変な試合だったよ。三角絞めも極まりかけたんだけど、最後まで持っていくことが出来なかった。
開幕戦でも極めた変形の上四方チョーク『68』を狙ったんだけど、佐藤は研究していたみたいで極まらなかったしね。幸運なことに佐藤がカットしてくれて、それで勝てたと思うよ。
そして決勝のラフィークも本当に強い選手だった。同じくらいのレベルの選手だったと思うし、佐藤戦と同じようにラフィークが怪我してくれたことで、僕は判定で勝てたんだと思う。本当に二人とも強い選手だったよ。
これからの目標はPRIDEに出ること。PRIDEの83kg級にはいい選手がたくさんいるから、彼らと闘ってみたいと思う」
●天野代表「来年は83kgトーナメントBブロックを開催したい」
「まず色々なトラブルがありましたが、ファビアーノVS桜木は必ず再戦したいと思いますし、金原選手の試合については現在協議中です。
今回は実力と実績のある選手を出して、過去の大会とは違うラインナップになりました。ファンに向けて僕たちの意志を見せることが出来たと思います。このまま12月22日の横浜文化体育館大会に向けて盛り上げていきたいですね。
トーナメントは個人的な予想通りにラフィークとタベラの決勝戦になりました。残念ながら日本人として唯一勝ち残った佐藤選手は敗れてしまいましたが、いい試合だったので評価したいと思いますし、決勝戦は外国人同士の対戦ながら、あれだけいいファイトだったので盛り上がったと思います。タベラについてはこれからもうちのリングに上がっていって欲しいです。
今回のトーナメントはAブロックという名目だったので、来年にはBブロックという形で83kg級のトーナメントをやろうと考えています。現在、海外勢を中心にメンバーを探している最中で、タベラとBブロックの優勝者で本当の王者を決することが出来ればいいかなと。また将来的には70kgのトーナメントもやりたいと思っています。
今年MARSを旗揚げして7大会近く開催してきたんですが、12月は締めくくりの大会になります。過去に出てもらった選手を含めて、僕がファンとしても面白いと思うようなカードを組みたいと思いますし、MFCチャレンジの準決勝・決勝もこの大会で開催する予定です。
(野地がMFC出場をアピールしていたが)野地選手に限らず、うちのリングで活躍した選手には、提携しているMFCへの出場のチャンスを与えたいと思います」
▼セミファイナル 無差別級契約 5分3R
○野地竜太(TEAM GARO)
KO 1R3分39秒 ※タップアウト
●セルゲイ・シュメトフ(ロシア/タイガーズデン)
野地はパンクラスでの杉浦貴戦以来、約半年ぶりのリングとなった。試合開始直後、セルゲイがバックスピンキックを皮切りに、首相撲からのヒザ蹴りを連打。
しかし野地はそれをディフェンスすると、逆に首相撲からヒザ蹴りを返し、これを嫌ったセルゲイがタックルに入ると、しっかりとそれを潰してハーフガードからパンチを落とす。野地は立ち上がろうとするセルゲイを押さえ込むと、最後は鉄槌の連打でセルゲイからタップを奪った。
試合後、野地は「これからはバリバリ試合をやります」と本格復帰を宣言すると共に「海外でも試合をして、世界に羽ばたいていきたい。マーズと提携しているMFCには興味がある」とMFC参戦をアピールした。
▼第10試合 総合ルール -85kg契約 5分3R
○マルセロ・ブリット(ブラジル/マルセロ・ブリットチーム)
一本 1R0分49秒 ※腕ひしぎ十字固め
●金原弘光(U.K.R)
※大会後、金原サイドから抗議があり試合結果は協議へ
1R、まずは様子見といった静かな立ち上がり。ブリットは金原がコーナーを背にしたところで、両足タックルからテイクダウン。ハーフガードで押さえ込みながら、金原の奥の腕をすくうように、すかさず腕十字を仕掛ける。
するとここで事件が発生! 一瞬、左腕が伸びてしまった金原が「あっ!」と声をあげると、レフェリーがそれに反応し、試合をストップしてしまったのだ。
タップをしていない金原はリング上で猛抗議、レフェリーから「腕が伸びた状態で声を挙げたから試合を止めた」という説明を受けても、すぐには引き下がらず、しばらくの間リングを占拠する事態に発展した。
大会終了後、主催者は金原サイドの抗議を認め、レフェリー陣を交えてVTRを確認するなど試合の結果を協議する方向となり、天野代表は「後日正式な試合結果を発表したい」と話した。以下、試合後の金原のコメント。
「腕が伸びて僕が『あっ、やばい』って言ったのを聞いて、レフェリーが止めちゃったみたいですね。あの時、相手の足が片方しか乗っていなかったんですよ。
僕はあそこからブリッジして逃げるUWF直伝の“サルーン”って技をやろうと思ったんです。そしたらちょうどそこで止められて…。でも僕はタップしてませんし、僕はタップする時は、ちゃんとタップする男ですよ。こっちとしてはノーコンテストにしてもらいたいですね」
▼第9試合 総合ルール -97kg契約 5分3R
−桜木裕司(掣圏会館)
1R15秒 ノーコンテスト ※ファビアーノのローブローで桜木が試合続行不可能
−ファビアーノ・サイクロン(ブラジル/TARGET)
1R、いきなりカカト落しを見せた桜木。ファビアーノはすかさず右ローを返すが、何とこれが桜木の下腹部を直撃! 桜木はその場にうずくまったまま、立ち上がることが出来ないほどのダメージを負ってしまう。
桜木にはリング上でインターバルが与えられたものの、ダメージは回復せず。一旦、控え室に戻り試合順をずらして、試合を再開することも検討されたが、結局、桜木が試合が出来る状態にはならず、1R15秒ノーコンテストという裁定が下された。
▼第8試合 総合ルール 無差別級 5分3R
○エドモンド・カバウカンチ・ジュニオール(ブラジル/ハードコンバット)
TKO 2R1分08秒
●高森啓吾(SAMURAI SWORD)
1R、カバウカンチのタックルを受け止めた高森は、豪快な内股でカバウカンチを投げ捨てる。しかしカバウカンチはハーフガードから高森の腕を固めてスイープ、グラウンドで上のポジションを取り返すと、ハーフガードからコツコツとパンチを落とす。
ブレイクによる再開後、カバウカンチは両足タックルでテイクダウン。MARS新宿FACE大会でも極めた変形の肩固めを仕掛けるが、高森がブリッジで態勢を入れ替えて逆にサイドポジションで押さえ込む。
しかしすぐにタックルで高森の足にしがみつくカバウカンチ。高森のパンチをもらいながらも、カバウカンチはしつこく高森の足をとってテイクダウン、ラウンド終盤にはバックマウントを奪い、パンチを落としていく。2R、両足タックルでテイクダウンを奪ったカバウカンチは、インサイドガードからパウンドの連打。動きの止まった高森を見て、レフェリーが試合を止めた。
▼第7試合 総合ルール -93kg契約 5分3R
○ビタリー・シュメトフ(ロシア/タイガーズデン)
TKO 1R2分17秒
●バト・ホトコン(モンゴル/闘心塾KOREA)
豪快なタックルでテイクダウンを奪い、マウントを奪いに行ったホトコンだったが、ビタリーに立たれてしまった。
スタンドに戻ると、ビタリーは左右のフックを振り回して前進、飛び込むようにしてフックを決めるとホトコンがコーナーへ吹っ飛び、そこへさらにフックの連打。ホトコンはマットに沈んでしまった。
▼第6試合 キックルール ヘビー級 3分3R
○外岡真徳(シルバーアックス)
判定 3−0
●ウィル・リーバ(イギリス/ザ・スピリットジム)
正道会館の全日本大会で三階級制覇、今年9月の無差別級でも優勝している外岡。プロのリングは昨年3月以来、2度目の試合となる。
キャリアで勝るリーバがゴング直後から左フックで仕掛け、体の圧力で外岡を下がらせる。2R、速い左のパンチとローを放つリーバに対し、外岡は叩きつけるようなパンチで応戦。2Rにはローに合わせた右フックでダウンを奪う。
右フックの連打でダウンを追加した外岡。リーバは足元が大きくふらついている。しかし、外岡も口を大きく明けて呼吸しており、息が荒い。
リーバは2Rに首相撲からの連打(掴んでの攻撃は1回のみ)でイエローカードも提示された。リーバはダメージでフラフラになりながらも、ローを蹴って外岡を首相撲に捕らえる。3Rには完全に息を吹き返し、ローと首ヒザで攻めるリーバ。最終ゴングと同時に外岡からヒザ蹴りでダウンを奪い返したが、逆転は出来なかった。
▼第5試合 総合ルール −70kg契約 5分2R
○ルイス・フェルナンド(ブラジル/マルセロ・ブリット・チーム)
一本 1R3分08秒 ※スリーパーホールド
●パク・ウォン(韓国/闘神塾)
ブラジルと韓国の柔術チャンピオン同士の対決。フェルナンドがテイクダウンを奪い、担ぎパスガードを狙っていくもパクは長足を利して下からの蹴りを当てて行く。
この下からの蹴りが有効打となり、なかなかパスできなかったフェルナンドだったが、パクの空振りを誘ってすぐにサイドへ。マウントを奪ってパンチを叩き込み、ウォンが嫌がって背を向けたところでフェルナンドがスリーパーを決めた。
▼第4試合 MARS
-83kgミドル級トーナメント準決勝 5分2R
○ブライアン・ラフィーク(フランス/ホアウ・ジュカオ)
判定 3−0
●ベ・ミョンホ(闘神塾M.A.D)
ラフィークはジュカオン譲りのパワフルなタックルでいきなりのテイクダウン。しかし、ミョンホは下からの腕十字や三角、スイープなど積極的に寝技で攻めて行く。
ラフィークはサイドを奪ってアームロックの体勢になるのだが、ミョンホにすぐかわされてしまう。ラフィークはタックル→フロントチョーク狙い→ガードされるとアームロックと同じ狙いを繰り返し、最後はサイドからガッチリと抑えて判定勝ちを収めた。
▼第3試合 MARS
-83kgミドル級トーナメント準決勝 5分2R
○ダニエル・タベラ(スペイン/SHOOT SPAIN)
判定 3−0
●佐藤隆平(R-BLOOD)
左肩に大きなテーピングをして登場した佐藤。ローキックを出しながらテイクダウンを狙っていくが、タベラが組み勝つ。倒された佐藤がオモプラッタから上になるも、タベラはパンチで佐藤の目尻をカットしてから三角絞め。
そのまま起き上がって上になり、締め付けた後で起き上がろうとした佐藤の腕をとっての腕十字。これも佐藤がディフェンスしたが、佐藤は上になってもスタミナ切れで攻めることが出来ず、ダベラが勝利した。
▼第2試合 キックルール
-85kg契約 3分3R
○松本勇三(勇三道場)
TKO 2R2分22秒
●野井翔健(キックボクシング千葉ジム)
緊張気味の野井に松本はパンチで襲い掛かる。左右のフックが的確にヒットし、野井は防戦一方に。松本は顔面にパンチを集めておき、突如、後ろ蹴りでボディを襲う。
不意を突かれた野井はダウン、松本は右ハイキックの連打でもダウンを追加した。ゴングに救われた形となった野井だったが、2Rになると松本はパンチからロー。
この右ローキックが効いて、野井はまたもダウン。ここでレフェリーが試合をストップした。
▼第1試合 キックルール -70kg契約 3分3R
○チョ・インジュン(韓国/闘心塾KOREA)
判定 3−0
●丸山準一(ザ・スピリットジム)
1Rはサウスポーのチョのパンチをガードしながらローキックを効かせた丸山だったが、2R以降はガードが下がり気味に。
チョはローキックへのカウンターパンチを狙い打ち、右ストレートをヒットさせて丸山を前進できなくさせると、左右フックを強振していく。
3Rにはローに合わせた左ストレートでチョがダウンを奪い、ローキックのダメージを挽回して判定勝ちした。
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