↑春のウェイト制に続いて模範試合として再び披露された真剣勝負ルール。来年のウェイト制大会より、本戦に導入される。
極真空手道連盟 極真館
「第四回オープントーナメント全日本空手道選手権大会」
2006年11月23日(木・祝)さいたまスーパーアリーナ
開場12:00 開会式13:00
11月23日(木・祝)極真館主催『第4回オープントーナメント全日本空手道選手権大会』がさいたまスーパーアリーナにて開催された。
第3回優勝者の船先雄(奈良支部)、同大会準優勝&第1回優勝の市川雅也(奈良支部)といった優勝候補が、それぞれ準々決勝と準決勝で姿を消す波乱の中で迎えた決勝戦。
3回大会第3位の藤井脩祐(城南大井町支部)と第2回ウェイト制重量級王者・夏原望(城南川崎支部)の2人が、互いに初優勝を賭けて闘った。
突きと下段廻し蹴りの激しい応酬をまるで合わせ鏡のように見せたかと思えば、近距離での膝を飛ばす夏原に、長い脚を活かした前蹴りで間合いをはかる藤井。本戦の3分と延長の2分は全くの互角のまま再延長を迎えた。
「勝因は『気持ち』だったと思います」。試合後にそう振り返ったように、再延長ではそれまでの互角の攻防から、気迫の中段廻し蹴りで夏原のボディを「効かせた」藤井。
最終的には5−0の判定勝ちで初優勝を飾った。4日前に21歳の誕生日を迎えたばかりの若き王者、藤井。2年前のウェイト制重量級では5−0の判定で同じ夏原に敗れていただけに、リベンジの喜びも加わった嬉しい初戴冠となった。
そして今大会のもう一つの見どころは、顔面パンチを解禁した新ルールによるエキシビションマッチ。
「真剣勝負試合」と銘打ち、ヘッドギアとオープンフィンガーグローブを着用しての顔面への突き、さらには投げ技、関節技も認めるといった画期的なルールのもと、第2回&4回ウェイト制中量級&第2回全日本王者・東海林亮介(東京城南川崎支部)を含む6人の選手による3試合が行われた。
間合いが明らかに変わるーー従来のフルコンタクト空手でよく見られる、至近距離でのボディやローの連打といった攻防が、この3試合では見られなかった。
顔面パンチの餌食となる近間から、リーチギリギリの中距離へ。パンチによる派手なKO劇は見られなかったが、どの選手も中距離以上の間合いを取り、ある選手は顔面パンチでのKO狙い、またある選手は相手の顔面パンチに警戒しての足技と、攻防ともに顔面パンチを意識した、新しいスタイルの組手をそれぞれ披露した。
「今日は最初の最初のお披露目で、タネを蒔いた段階。焦らずに最低3年はかけてじっくり練成、浸透させていこうと思っています」新ルールについて極真館・盧山初雄館長はこう語る。「私たちが昔やっていた空手では、顔を叩くことは当たり前でした。顔面パンチは新しい試みではなく、原点回帰なんです」。極真館・顔面解禁の新ルールは来年のウェイト制から正式採用の予定だ。
写真&レポート●高山リョウ
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